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開示請求!「時間管理手法の連携強化のための基礎データ調査」

国交省航空局が一般財団法人航空保安研究センターに委託していた「時間管理手法の連携強化のための基礎データ調査」(履行期限24年3月22日)に係る仕様書と報告書を開示請求によって入手した。

羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」の検討内容と間接的にリンクしていそうだったので開示請求した。

  • 仕様書
  • 報告書(←PDFファイルサイズが大きいので注意!

※以下長文。時間のない方は「もくじ」と「雑感」をお読みいただければと。


もくじ

国交省に開示請求

航空局が23年9月27日に入札公告を出した「時間管理手法の連携強化のための基礎データ調査」の「発注概要」には次のように記されている。

発注概要:

  • 運航実態の把握
  • 運航実態の分析
  • 滑走路の使用実績の向上及び遅延時間を平準化するための提案

羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」の検討内容とリンクしているのかどう知りたくて、仕様書と報告書を開示請求することにした。

 

国交省に24年3月24日、同調査の報告書と仕様書を開示請求したところ、4月19日に「開示決定等の期限の特例規定の適用(通知)」が届いた。

法第11条の規定(開示決定等の期限の特例)を適用することとした理由

  • 当該開示請求に係る行政文書が著しく大量であるため、開示請求があった日から60日以内にそのすべてについて開示決定等をすることにより事務の遂行に著しい支障が生ずるおそれがある。

開示決定等する期限

  • 令和6年5月24日まで(60日以内)に可能な部分について開示決定等を行い、残りの部分については、令和6年6月28日までに開示決定等する予定です。

ようするに、開示対象文書が膨大なため、通常の開示期限(60日以内)では処理しきれないので、請求文書の一部を先に開示するということ。

そして、5月27日に仕様書のみが開示され(即日、ネット経由でダウンロード)、約40日遅れて7月10日に報告書がCDRで郵送されてきたのである。

報告書を読み解く

報告書の構成

報告書は全407枚。本文(152枚)と添付資料(255枚)で構成されている。

目次を以下に示す。

  • 第1章 調査目的及び調査方法
    • 1.1 調査の目的
    • 1.2 調査手法
  • 第2章 調査内容
    • 2.1 運航実態の把握
      • 2.1.1 飛行時間に関するデータ
      • 2.1.2 地上走行時間に関するデータ
      • 2.1.3 滑走路の使用に関するデータについて
      • 2.1.4 交通流制御に関するデータについて
  • 第3章 運航実態の分析
    • 3.1 飛行時間の傾向
      • 3.1.1 新千歳空港出発機及び伊丹空港出発機の飛行時間の傾向
      • 3.1.2 伊丹空港出発機
      • 3.1.3 進入管制区内の滞留の傾向
    • 3.2 地上走行に係る特性の分析
      • 3.2.1 滑走路ごと
      • 3.2.2 滑走路運用形態ごと
      • 3.2.3 所要時間が大きい時間帯における滞留発生の傾向
    • 3.3 滑走路の使用と交通流制御に関する分析
      • 3.3.1 EDCTと実際の離陸時刻の差の傾向
      • 3.3.2 スペーシングタイムのf頃向
      • 3.3.3 進入管制区入域機数の傾向
  • 第4章 提案
    • 4.1 滑走路の使用実績の向上について
    • 4.2 遅延時間の平準化について

添付資料

  1. 飛行時問データ(RJCC・RJOO)
    ※筆者注:RJCC=新千歳空港 、 RJOO=大阪国際空港
  2. 出発機走行時間データ(2019・2023年)
  3. 出発機の機数データ(2019・2023年)
  4. 到着機の機数データ(2019・2023年)
調査の目的

「1.1 調査の目的」として、「航空機の離陸及び着陸のタイミングを事前に時間により管理することで空域における余分な間隔の圧縮が可能」であることから、「空港におけるデータを取得、分析をすることで、(略)必要な設定値等の基礎データ作成に資する」旨が記されている。

現在、日本国内の一部の空港においては、初期的なDMAN及びAMANが導入済みである。現時点のDMAN(出発管理機能:Departure Manager)びAMAN(到着管理機能:Arrival Manager)は、時間管理に基づき航空機運航の管理を行う手法である一方で、それぞれが独自にシステム上の処理を行われていることから、時間管理運用としての効果が限定的なものとなっている

狭隘な日本の空域において、滑走路の増設等の空港の機能強化事業等に伴う取り扱い機数の増加に対応するためには、空域における余分な間隔を圧縮することにより航空機運航の密度を上げることが必要となる。

滑走路を使用する航空機の離陸及び着陸のタイミングを事前に時間により管理することで空域における余分な間隔の圧縮が可能となり、さらに滑走路の処理能力を常時最大活用が可能となることで、新たな遅延を生み出すことなく取り扱い機数の増加に対応することができる。

本調査は、空港におけるデータを取得、分析をすることで、DMAN及びAMANの統合要件を検討するにあたり必要な設定値等の基礎データ作成に資するものである。

調査手法
1.2 調査手法

当局から提供された2019年(コロナ禍前)と2023年の夏季データに基づき、以下の項目を内容により表計算ソフトで集計し表にまとめる。データの内容により可能なものは表に加えて、グラフ化することでより感覚的に状況把握しやすくする。

  • 新千歳空港RWY19R/Lから離陸した羽田空港到着機及び大阪伊丹空港RWY32R/Lから離陸した羽田空港到着機の飛行時間
  • 羽田空港の出発機について、スポットアウトから離陸するまでの間の走行時間誰の推移
  • ③羽田空港への到着機及び羽田空港からの出発機が着陸及び離陸した実績の算出
  • ④羽田空港において適用された適正交通容量値、交通流制御の実施時間、当該空港の進入管制区への方面別の入域数の実績
調査内容

航空局から提供された2019年夏期ダイヤ(2019年4月1日~10月26日)及び2023年夏期ダイヤ(3月26日~10月28日)を用いて、日本時間6時00分から22時59分までのデータを基に以下の項目について整理されている。

  • 飛行時間
  • 地上走行時間
  • 滑走路の使用
  • 交通流制御

↓「飛行時間」の例(P16)

飛行時間の例

運航実態の分析

運航実態の分析として、「飛行時間の傾向」「地上走行に係る特性の分析」「滑走路の使用と交通流制御に関する分析」が71頁にわたって記されている。

記載内容が専門的でかつ量が膨大なので、全部を理解することは困難であるが、素人でも比較理解できる次の内容には注目したい。

「3.1.3 進入管制区内の滞留の傾向」として、次図とともに羽田新ルート(着陸ルート)への言及あるのだ。

TEDIX経由では北風/南風運用の飛行時間差は小さいがSPENS経由ではその差が大きく、特にRWY16R/L着陸はRWY34R/L着陸より平均値で12分も長い。(P80)

羽田空港到着機の入域フィックスと着陸滑走路への飛行方向

提案

報告書本文の最後に「第4章 提案」として、「4.1 滑走路の使用実績の向上について」「4.2 遅延時間の平準化について」が6頁にわたって記されているのだが、門外漢にとってはいずれも難解。

素人なりに、羽田新ルート問題に関連しそうな点を以下、ピックアップしておいた。

出発滑走路は原則として方面別運用であるものの、特にダイヤに乱れがあった際などには、管制官が南北方面のバランスを支援なしに調整することは難しいと思われる。

特に南風運用時にはい16R出発機と到着機、国際線出発機の滑走路16R/34Lの横断等も重なり滞留が発生しやすい傾向が見受けられた

DMANとAMANを統合したシステム支援により、一時的に方面別によらない出発滑走路選定を行うことが特定の滑走路の混雑回避に寄与すると考えられる。

(中略)

到着機の方面別需要に偏りが大きい現在の羽田空港の交通流には対応しきれない場面もあることから、方面別によらない総量管理の手法も実施が望まれる。(P146)

雑感

「羽田新経路の固定化回避に係る技術的方策検討会」の検討内容と間接的にリンクしていそうだったので開示請求した。

DMAN(出発管理機能:Departure Manager)とAMAN(到着管理機能:Arrival Manager)のシステムを統合することで、羽田の混雑がいくらか改善されるようだ。

特に南風運用時にはい16R出発機と到着機、国際線出発機の滑走路16R/34Lの横断等も重なり滞留が発生しやすい傾向が見受けられた。

(中略)

到着機の方面別需要に偏りが大きい現在の羽田空港の交通流には対応しきれない場面もあることから、方面別によらない総量管理の手法も実施が望まれる。

専門用語が多く難解だが、墨消し部分がないのでストレスなく読めることに感動を覚える。

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