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羽田新ルート|江戸川区議会「24年第2回定例会」質疑応答

江戸川区議会の「24年第2回定例会」本会議代表質問(6月17日)で、羽田新ルートに関して、大橋美枝子議員(共産)の質疑応答があった。

録画放映をもとに、テキスト化(約2千文字)しておいた。

※時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

大橋美枝子 議員(共産)代表質問

大橋美枝子 議員(共産)
大橋美枝子議員(共産、区議3期、千葉大卒、75歳)

3番目の質問は、羽田空港新ルートについてです。新ルート開始からもうすぐ4年3か月となります。「航空機騒音が増えて体調に影響が出ている」「落下物が心配」などの区民の声が寄せられていることから、国に新ルート撤回を求めるよう本会議で私は繰り返し取り上げてきました。


航空機の都心低空飛行に反対する江戸川区民の会が新ルートの影響地域にアンケートを今年配布したところ、100通を超える回答の中で「うるさくて騒音が気になる」が64.6%あったとお聞きしました。今年1月2日の日航機と海保機の衝突事故の原因に、羽田空港の機能強化、増便、過密化が挙げられるとすれば、新ルートを続けていいのかが改めて問われます。


ゴーアラウンドが増えたことや航空機の接触事故、管制官の人数が減少しているとも報道されています。事故原因をパイロットや管制官の個人の責任にはせず、客室乗務員や管制官の増員をはじめ、羽田空港の過密化解消の検討が必要と考えます。首都圏では国際線は従来通りに成田空港を原則にし、地方空港の利用も増やすべきです


江戸川区内上空を通過している航空機は2022年度は南風悪天候5,360機に加えて、新ルート335日で31,506機、合計36,866機。新ルート前の4.3倍にもなりました。今のような経済効率優先では羽田空港の国際線増便が今後も事故につながる可能性があるのではないでしょうか。


部品欠落については、今年3月27日の日本共産党宮本徹議員の質問主意書の答弁書で羽田空港で報告された部品欠落件数は2022年度418件、全国主要7空港では992件にも上ります。報告制度の開始以降、2020年度には83.4キロや97.3キロの部品欠落の報告が続いています。これが住宅密集地に落下すると想像するだけで心配です。


また、技術的方策検討会は2年近く開催が報告されず、新ルートは変更できないという結論も懸念されます。そこで3点質問します。

問1:従来の海上ルートの運用に戻し、新ルートを見直すべき

1つ目は、1月2日の羽田空港事故原因の徹底究明及び空の安全安心のために、国際線は成田空港に、羽田空港は従来の海上ルートの運用に戻し、新ルートを見直すべきと考えますがいかがでしょうか。

問2:区民世論調査で(騒音・落下物)区民の声を聞くべき

2つ目は、区民世論調査で航空機内上空通過における騒音などの影響や落下物の懸念などについて区民の声を聞くべきと考えますがいかがでしょうか。

問3:個人住宅への二重窓補助も行うべき

3つ目は騒音対策として学校や病院や高齢者施設などへの二重窓設置を区独自に実施することや、個人住宅への二重窓補助も行うべきですがどうでしょうか。

斉藤区長

斉藤猛 江戸川区長
藤猛 江戸川区長(2期、元江戸川区教育長、早稲田大学社会科学部卒、61歳)

答1:以前の状態に戻すように求める考えは持っておりません

次に、羽田空港荒川沿い新ルートについて、「羽田空港の国際線は成田空港に移し、現行飛行ルートを従来の海上ルートの運用に戻すように国に要請を」との質問にお答えいたします。

今までもお答えしている通り、羽田空港の機能強化は少子高齢化や人口減少が進む中、今後の社会経済の維持発展を見据え、国の責任の下で進められている事業であり、この事業の必要性は区としても理解をしているところです。このため、機能強化に伴う国際線や飛行ルートの運用について以前の状態に戻すように求める考えは持っておりません


区としては、1月2日の航空機衝突事故について国が検証を進めているところであり、安全対策の取り組みをさらに進めること、区民と区に対し十分な説明と情報提供を行うことについて、引き続き国に求めていきたいと考えております。

答2:現時点で調査をする必要性は感じておりません

次に、「区民世論調査で、航空機の区内陸域通過について騒音の影響や落下物の懸念について聞くべき」との質問にお答えします。

まず、航空機の騒音対策や落下物対策は法や基準に基づき国の責任において実施されるものと認識しております。


航空機騒音については、騒音の影響が最も大きいと考えられる清新町に区独自に測定局を設置し、常時監視を実施しております。

加えて、区内には国が2か所、都が1か所測定局を設置しており、合計4か所で航空機騒音の測定が行われております。その4か所の結果を見ると、いずれも環境基準のLden57dBを下回っている状況です。


落下物対策については、国が世界でも厳しい基準のもと、未然防止策の徹底に取り組んでおり、2008年以降、羽田空港周辺での落下物事案は確認されていないと聞いております。

こうした状況から現時点で調査をする必要性は感じておりませんが、今後状況が変わり必要があれば検討していきたいと考えております。
また、国に対しては、航空機騒音の軽減や落下物対策について万全を期すよう引き続き求めてまいります。

答3:二重窓設置の助成など、国の責任のもと行われるものである

次に、「騒音対策として、学校や病院などに対し区独自の二重窓設置助成の検討を」との質問にお答えします。

まず、国は航空機騒音防止法に基づき、基準を超える地域について防音工事などの助成を実施しております。この助成の対象となるのは、教育施設や病院、高齢者施設などについては概ねLden57dB以上、一般の住宅ではLden62dB以上の区域となっています。この点、区内の測定局の令和4年の結果を見ますと最大でもLden49.5dBとなっており環境基準を下回る状況です。


そもそもですが、航空行政は国の所管であり、二重窓設置の助成などの騒音対策に関しても国の責任のもと行われるものであると考えております。なお、先ほど申し上げた通り、航空機騒音の軽減につきましては引き続き国に求めてまいります。

雑感

大橋議員の孤軍奮闘…

江戸川区議44人(定員44人)のなかで、本気で羽田新ルート問題に対応しているのは、大橋美枝子議員(共産)だけのようだ。

区長から何回突っぱねられても、粘り強く質問し続ける姿勢は高く評価したい

羽田新ルートに係る定例会本会議質問実績

江戸川区民は救われない

北風時に荒川沿いを北上する出発ルートは(7時~11時半・15時~19時)、南風時に都心を通過して羽田に向かう到着ルート(15時~19時)よりも運用される時間がはるかに長い。加えて、江戸川区では羽田新ルートが導入される以前から、南風で悪天候等により視界が悪く、通常のルートが使用できない時に限り江戸川区上空を通過する着陸ルートが運用されている。

22年度は、21年度と比べて、通過機数1.2倍、1日平均騒音発生回数1.3倍に増加。(次図)。

江戸川区の航空機騒音発生状況羽田新ルート|江戸川区の騒音測定データを可視化」より

川崎ルートではNGのエアバス340が、荒川沿い北上ルートではOKとなっている。物言わぬ区長・区議らのお陰で、江戸川区上空は離着陸ルートの草刈り場状態(川崎ルートで禁止されているA340、荒川沿い北上ルートはOK)。

江戸川区民はかなりの飛行騒音被害を受けているのだが、こんな区長と羽田新ルートへの関心が低い議員ばかりでは、江戸川区民は救われない……。

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2024年6月1日、このブログ開設から20周年を迎えました (^_^)/
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