公益社団法人東京青年会議所の主催で11月10日夜、オンラインによる「新宿区長選挙 公開討論会」が開催された。
3選を目指す現職の吉住健一氏(50)=自公推薦=と、新人で元区議の依田花蓮氏(50)=立憲・共産・社民・れいわ等推薦=の2人の一騎打ち。
※敬称略。
新宿区長選挙公開討論会(概要)
公益社団法人東京青年会議所の主催で11月10日夜、オンラインによる「新宿区長選挙 公開討論会」が開催された。
討論会は約70分(20:30~21:40)。ニコニコ動画で生配信された動画は、録画で視聴することができる(次図)。
候補者2人の政策については、政策比較表として閲覧できる。
討論会70分の構成は以下の通りだった。
- 候補者自己紹介@2分以内
- 政策テーマごとの質疑応答
- 新宿区の若年層における最大の課題と、それに対する重要政策
- 新宿区のアフターコロナを見据えた出口戦略
- 新宿区内で最も重要視する地域活性化政策
- 自由討議
※20個の設問、二人の見解が分かれたものについて
- 新宿区の生活困窮者に対し、物品支給による支援を行うべきか?
- 一定の期間以上の居住実績のある外国人居住者へ住民投票権を認めるべきか?
- 自己PR@2分以内
依田氏「羽田空港新飛行ルートについては撤回を国に対し求めてまいります」
羽田新ルートに係る候補者の発言は、依田花蓮氏が自己紹介(2分以内)の中で述べた1か所だけだった。
少々長いが、同氏の自己紹介を全文、以下に記す。
初めまして。よだかれんと申します。ひらがな5文字で、よだかれんです。1972年愛知県豊橋市出身、沖縄県那覇市育ちの50歳です。
その50年のうち20年をこの新宿で暮らしてきました。この新宿で男性から女性に生まれ変わり、この新宿でミュージカル俳優、ダンサー、行政書士を経て、皆様のお力で新宿区議会議員に押し上げていただきました。
新宿区議会議員としては、もう徹底して、小さく声をすくい上げてその思いを大きな声で議会に届けるということに尽力いたしました。
と言いますのも、小さき声というのは社会的に弱い立場に置かれていたり、生きづらさ、困難を抱えている人々の声ですが、それらを政策に反映させることによって、巡り巡ってみんなにとって暮らしやすい社会になると考えているからです。
財政について申し上げると、コロナが続き急激な物価高が区民を直撃していますので、区民の暮らしの底上げ、区内事業者の事業再建に尽力を尽くしてまいります。
大きなトピックで分かりやすく説明すると、神宮外苑の杜・再開発計画につきましては「子供達に地球環境を守ろう。地球温暖化ストップだ」と申し上げておりますので、神宮の杜を守ってまいります。また、新宿区民の安全安心を守るために、羽田空港新飛行ルートについては撤回を国に対し求めてまいります。
せっかくの討論会の機会なのに、なぜ、羽田新ルート問題が取り上げられなかったのか。公益社団法⼈東京⻘年会議所新宿区委員会が設定した20個のテーマに羽田新ルートが含まれていなかったからだ。
(20個の設問)
トー横キッズへの対応/24時間保育の拡充について/店舗看板の規制を強化すべきか/開かずの踏切対策/一時避難場所の確保について/多言語対応について/飲食業へのコロナワクチン接種について/生活困窮者への物品支給について/パートナーシップ制度導入の是非/オンライン投票制度について/外国人の投票権について/区立公園でのスケボー使用について/小・中学校でのインクルーシブ教育等の導入について/危険ドラッグ対策について/高齢者の孤独死対策について/サウナ等の活性化について/住宅への太陽光設置義務化について/子育て支援について/小さな店舗のバリアフリー化について/特養ホームの増設について
雑感(日本初のトランスジェンダー区長)
2人とも物腰がとても柔らかいのだが、話す内容は違う。吉住氏の内容には強者にすり寄っているところが垣間見えた一方、よだ氏の内容には優しさが満ち溢れていると感じた。
あと、よだ氏が最後の自己PR(2分以内)で述べた「日本で初めてのトランスジェンダーの区長」という表現がとても印象的であった。
よだかれんが区長になると日本で初めてのトランスジェンダーの区長ということになりますので、どうぞ皆さま、ご注目をよろしくお願いいたします。
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