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羽田新ルート|2022品川区長選挙の結果分析・再選挙に向けて

品川区長選は、法定得票数に達する候補がおらず、再選挙が実施されることになった。
羽田新ルート反対・見直し派の候補が勝つためにはどうすればいいのか、という話。

※敬称略


もくじ

再選拳、全6候補が挑む意向(朝日記事)

全6候補が再選に挑む意向を示したことを報じる、選挙翌日の朝日新聞。

品川区長選法定得票達せず再選拳
全6候補が挑む意向

2日に投開票された品川区長選は、法定得票数(有効投票総数の4分の1)に達する候補がおらず、都内の首長選で初めて再選挙が実施されることになった。大混戦の理由を探ると、いくつかの背景が見えてきた。一方、再選挙には全6候補か現時点で挑む考えを示した。実施時期はまだ決まっていない。
(中略)
3日午前までに取材したところ、今回の全6候補が再選挙にも挑む構えだ。森沢氏は「トップの得票をいただいた。再挑戦する決意」、石田氏は「新たなる挑戦が始まる。支援をいただきたい」、山本氏は「2万4千票を超える支援をいただいた。再選挙に臨む」と述べた。西本氏は「再選挙になってチャンスが来た」、村川氏は「(支援者に)相談するが現時点では再選挙に臨む方針」、大西氏は「再選挙にも挑むつもり」と語った。ただ、この後の動向次第で選挙構図が変わる可能性がある。

(朝日新聞10月4日東京)

NHKを含む大手メディアが何度もこの珍しい「再選」を報じたことから、品川区民の再選に向けての関心は高まったのでなないか。投票率が上がり、もし再び同じ6人が争うことになれば、森沢候補(無所属)の当選の可能性が高くなることはあっても、低くなることは考えにくい。

森沢候補は羽田新ルート容認派である(このことについては、別の機会に改めて記したい)。羽田新ルート反対・見直し派の候補が勝つためにはどうすればいいのか。

まずは、今回の選挙結果を分析し、そのあと再選に向けた戦略を記すことにする。

品川区長選挙の結果分析

まずは、今回の選挙結果のおさらい(次図)。

  • 森沢候補(無所属、元都議2期)が善戦するも、有効投票数の4分の1にあと0.52%(590人)届かず、再選挙となった。
  • 選挙戦最終日に石原ひろたか衆議院議員や丸川珠代参議院議員が応援に駆けつけるなど、自民に支援された石田候補(自民、区議6期)は、公明党の支援が得られなかったこと、統一教会の影響、ネットで流布されている石田候補のネガティブな情報、投票率が低くなかったことなどから、森沢候補を下回る結果となった。
  • 羽田新ルート断固反対を掲げた山本候補(元三菱UFJ銀行員)は、森沢・石田候補に肉薄するもあと一歩及ばず。羽田新ルート反対を掲げた西本候補(無所属、区議5期)に票を食われたのは4年前の区長選と同じ構図
  • 羽田新ルート反対を掲げた村川候補(共産推薦)への支持はまったく広がらなかった。

2022品川区長選挙の結果
2022品川区長選挙の開票速報・結果」より

 

今回の選挙では出口調査を実施したメディアがいないので、有権者の投票行動が見えない。

そこで、昨年7月に実施された都議会議員選挙の品川選挙区の候補者別得票数(東京都選挙管理委員会の発表)を元に有権者の投票行動を推定することにした。

21年都議選の品川選挙区では、次のように8人が立候補し、4人が当選している。

  • 当選(4人)
    • 伊藤こういち(公明)23,188 票
    • 森沢きょうこ(無所属)22,413 票
    • 白石たみお(共産)20,552 票
    • あべ祐美子(立憲)20,087 票
  • 落選(4人)
    • 筒井ようすけ(都ファ)19,696 票
    • 田中たけし(自民)18,281 票
    • 沢田ひろかず(自民)16,610 票
    • 佐藤政昭(日本公益党)804 票

21年都議選の候補者の得票数から今回の区長選の候補者への票の流れ(推定)をザックリと可視化したのが次図。

21年都議選候補者から22年区長選候補者への票の流(推定)

ポイントなるのは、今回自民を支援しなかった公明支持層の伊藤(公明)2.3万票と筒井(都ファ)2万票の流れ。

  • 森沢(無所属)
    都議選のときよりも0.5万票上乗せした。伊藤(公明)・筒井(都ファ)・あべ(立憲)の一部の票を取り込んだ。
  • 石田(自民)
    自民支持層(3.5万票)の一部(0.9万票)を取り込めなかった
  • 山本(無所属)
    伊藤(公明)・筒井(都ファ)・あべ(立憲)の一部の票を取り込んだ。
  • 西本(無所属)
    藤(公明)・筒井(都ファ)・あべ(立憲)の一部の票を取り込んだ。
  • 村川(共産)
    白石(共産)2万票の半分以上(1.2万票)を取り込めなかった
  • 都議選では投票したが、区長選では投票しなかった有権者は2.8万人(都議会議員選挙の品川区選挙区の投票率52.00%に対して、区長選の投票率35.22%)。

再選挙に向けて

再選では一本化が不可欠

上述したように、もし再び同じ6人が争うことになると、羽田新ルートを容認している森沢候補(無所属)の当選の可能性が高くなる。

羽田新ルート反対・見直し派の候補が勝つためには、候補者の一本化が不可欠であることは火を見るよりも明らかだ。村川氏(共産)を含む一本化は判断が分かれるところではあるが、少なくとも山本氏(無所属)と西本氏(無所属)の一本化は、羽田新ルート反対・見直し派の候補が勝つため絶対条件である。

西本氏(無所属)は今回の出馬で、来春の区議選へのPR効果は十分得られたであろうから、ここは山本氏(無所属)に票を譲ったほうが、山本区長誕生の功労者として、あとあと得られるメリットが大きいと思うのだが……。

意義申し立てという奇策

西本氏(無所属)が一本化に難色を示すようであれば、意義申し立てという奇策がある。

再選挙は、10月3日から2週間の異議申し出の期間を経たあと50日以内に行われることになっている(公職選挙法第34条)。異議申し出がない場合、最も遅くて12月4日投票となる。

では、仮に異議申し立てをしたらどうなるのか。直近で再選挙となった千葉県の市川市長選が参考になる。17年11月26日5人の新人で争われた市川市長選挙は再選となり、下位2名が立候補を断念し、3人の候補者により翌年4月22日に再選挙が行われた。

なぜ、1回目の選挙から再選挙まで5か月も要したのか。有権者から「開票作業に不自然な点があった」として選挙の無効を求める異議の申し出があり、票を全て数え直したり、開票作業に関わった職員への聞き取り調査が行われたりするなど、再選挙の日程がなかなか決まらなかったためとされている(市長空白の4か月 異例ずくめの再選挙|NHK政治マガジン)。

これまでの羽田新ルート反対に係る陳情手続きの労力に比べると、選挙結果に対する異議申し立ての労力は大したことはないのではないか。しかも羽田新ルート反対・見直し市長誕生に直結するのだ。

市川市のように5か月後に、統一地方選挙のタイミングで再選挙が実施されるとなると選挙費用の削減はもとちろんのこと、投票率の上昇に加え、区長選を区議選のPR活動の一環としていた候補らを排除することができる。

ただし、区長不在期間の施政の混乱をどうするかという問題があるかもしれない。

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2022年6月1日、このブログ開設から18周年を迎えました (^_^)/
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