地震保険の世帯加入率は増えているのか?
損害保険料率算出機構が毎年公表している「損害保険料率算出機構統計集」のうち「地震保険統計」に掲載されている「世帯加入率」を可視化してみよう。
※地震による損害への備えとしては、地震保険(火災保険に付帯)のほか共済等がある。「世帯加入率」は共済等を含まない数値。
※投稿22年1月18日(更新23年1月21日:バーチャートレースを追加)
地震保険の世帯加入率の推移
全国平均
世帯加入率の全国平均値の推移を次図に示す。
95年1月17日に発生した阪神・淡路大震災や、11年3月11日に発生した東日本大震災など、大地震の発生が世帯加入率を引き上げていることが分かる。
21年度で34.6%。
(2021年度)
世帯加入率とは、当該年度末の地震保険保有契約件数を当該年度末の住民基本台帳に基づく世帯数で除した数値。ただし、2013年以降は、当該年末の地震保険保有契約件数を翌年1月1日時点の住民基本台帳に基づく世帯数で除した数値。なお、世帯数には、2012年7月9日より住民基本台帳法の適用対象となった外国人が含まれている。
都道府県別
都道府県別の世帯加入率の推移を次図に示す。
東日本大震災の被害が大きかった宮城県の加入率が11年度から13年度にかけて急増していることが分かる。また、熊本地震(16年4月)以降、熊本県の加入率が急増している。
東京は首都直下地震 が発生しないと加入率が増加しないのか……。
↓ 23年1月21日:「地震保険の世帯加入率」に係るBar Chart Raceを追加
宮城・熊本は、大地震を契機に加入率が増加している。
地震保険の世帯加入率の都道府県ランキング
21年度の世帯加入率の都道府県ランキングを次表に示す。
- 1位:東日本大震災の被害が大きかった宮城県(52.7%)。5割を超えているのは宮城県のみ。
- 2位:70年代から東海地震の発生が予想されている愛知県(44.2%)
- 3位:16年4月に発生した熊本地震で大きな被害を受けた熊本県(43.9%)
【参考】過去の地震による高額支払保険金ランキング
「地震保険統計」のなかに、「地震保険創設以降で保険金の支払いが多かった地震(上位20位)」が掲載されている。
東日本大震災(平成23年東北地方太平洋沖地震)で支払われた保険金の累計金額が圧倒的に多く、約13兆円。次いで熊本地震の3,898億円(次図)。
出所:<参考1>地震保険創設以降で保険金の支払いが多かった地震(上位20位)|損害保険料率算出機構統計集(2020年度版)
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