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羽田新ルート|新宿区議会「21年第3回定例会」決算特別委員会(質疑応答)

新宿区議会「21年第3回定例会」決算特別委員会(10月1日)で、羽田新ルートに関して、雨宮武彦議員(共産)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約4千文字)しておいた。

※以下長文なので、時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁は環境対策課長


区民からの苦情について

雨宮武彦議員

雨宮武彦議員(共産党、区議8期、甲府工業高校卒、73歳)

雨宮:苦情は新宿区のほうに寄せられているか?

私は羽田飛行ルートの騒音問題等について、環境問題としてちょっとお聞きしたいというふうに思います。

羽田の新飛行ルートが始まってもう1年ちょっと経つわけですけど、最近の騒音や落下物等における苦情は新宿区のほうに寄せられているかどうか。寄せられていればどんな内容のものなのか。ちょっと何件ぐらいあるのかお聞かせください。

環境対策課長
環境対策課長

課長:8月、9月につきましては、両月とも0件

令和2年の3月の29日に運用が開始されてから、まず累計の相談件数ですが73件でございます。

次に、本年度、令和3年4月以降の問合せ件数につきましては10件ございます。お尋ねの、最近の問合せ状況、具体的には8月、9月につきましては、両月とも0件という状況でございます。以上です。

固定化回避に係る技術的方策検討会について

雨宮:第4回の固定化回避の検討会、特徴?

そうですか。この間、8月25日、第4回の固定化回避の検討会がやられたかと思いますが、その内容についていくつか特徴があれば聞かせていただけますか。

課長:2つの方式に絞り込まれた

こちらの固定化回避の検討会につきましては、昨年度から発足した会議ということで、昨年度3回、今年、いまご指摘の8月に1回、計4回開催を国のほうでしているという状況でございます。


昨年度の検討の中では、新たな実現可能な飛行方式ということで、10個以上の、まずサンプル、これを提示をして議論をし、そして去年の3回目の時には、これが6個に集約をして絞り込まれ、8月の段階では2つの方式にこれが絞り込まれたというふうに認識をしておりまして、今後の取り組みといたしましても、導入へのこの2方式について、導入への具体的な取り組みを実施すると。


ただし、安全性の評価あるいは基準の策定、騒音軽減効果の検証と、様々ハードルあるんだと思いますけども、こういったところしっかり今後も検討していくというふうに国からは説明を受けてるところでございます。以上です。

雨宮:区民の皆さんが望む、飛ばないルートに?

そうですよね。第3回の時も技術的選択肢のメリット・デメリットの整理についてとか、技術的選択肢の騒音の影響等の軽減と。第4回には、技術的方策の検討ということで、出発時における騒音の軽減方策とか、いろいろあったようですが。


先日9月22日の日に、国土交通省に聞き取りの調査に行って――私は行けなかったんですが――うちの関係の者が行ってきまして、その時も結局、曲線を描いて行く(飛ぶ)ことによって騒音が減らせないかというのは色々と技術的検討という中にあるそうですけれども、落合第二小の上が騒音計のあるところ。


今現在でもちょうど旋回をするその時にエンジンを吹かす。それによって、当初説明が、国交省からあった説明よりも騒音が高いと。70デシベル以上の騒音がするということがあったかと思うんですけれども、そういうどういうふうに回ればいいのかと根本的にルートが変えるとか、大幅に変えるとかっていうようなことにはなかなかならないのではないか、という参加された方が思ったそうですけれども、その点についてはそういう第4回まで進められてきた中で区民の皆さんが望む、飛ばないルートにしてくれというようなことになるのかどうか。その点についてはいかがですか。

課長:個別具体的な検討はしていない

現在、国のほうで検討している検討内容はご案内の通り、技術的な飛行の方式というところで検討しているということでございまして、具体的な経路とか、そういったところについての個別具体的な検討はしていないというふうに説明を受けているところでございます。


昨今、国のほうもこの検討会の開始前にほとんど最近必ず、区のほうに担当官が来られて説明をされております。


そういった中で今回2つの飛行方式に絞ったということで、今後具体的に何ができるのか、具体的に飛行のルートというところまではまだ言及はできませんけれども、はしっかりとこれからも検討していきます、というような形で挨拶ならびに説明を受けているところでございます。以上です。

羽田新ルートは止めるべき

雨宮:最近、飛び方を変えちゃったのか?

最近、ゴーっという音がすると、私も上空を見るようにしてるんですけれども、ドーっと(飛んで)来ると、うんと大きく見える時と、だいぶ遠くを飛んでるなって思う時とあるんだけれども、やっぱり手前を飛んで、低空を行くなっていう、時々で大きなやつがあるんですよ。


その点なんかについては国土交通省とのお話の中で、そういう住民の方も「いやーあ、大きなぁ」というそういう声もありますから、その点については飛び方を変えちゃったのか、なんかあるのかどうか。その点についてはいかがですか。

課長:大幅に減便、影響しているのかもしれない

先ほどご答弁申し上げましたが、たとえば直近2か月につきましては、区民の皆様からの直接のその辺のご相談等がない状態ではあるというなかなんですけれども、航跡、いわゆる飛行ルートについては、当初の予定通り飛んでいるというふうに総括的には説明を受けております。


それから、私も担当課長になってこれで3年目でございますけれども、折を見てどこかにいて、20分とか30分とか飛んでくる音を聞くということをずっとやっております。


むしろこれは私の感覚ということになりますけれども、ちょっと最近静かになってきたなと、前に比べればですね。

そういうふうに思って国に問い合わせをしました。そうしましたところ、新宿区さんからかねてより要望のあった大型機のボーイング777、大幅に減便しているといったようなことも原因の一つにはなるではないか。あるいは、代替の飛行機としてなるべく低騒音のモノを飛ばしているという実態はあるようでございますので、そういったことが影響しているのかもしれないというふうに説明を受けたところでございます。


しかしながら、今副委員長ご指摘のように、それでも音は聞こえてまいります。音は小さければ小さいほどいいというふうに思いますので、こういった要望はこれからも機会をとらえて要望し続けてまいりたいというふうに考えております。以上です。

雨宮:この飛行ルートは止めるべき、

第3回の検討会の中身をちょっと見ても、A・C滑走路への同時に進入の問題だとか、必要な直線距離については引き続き検討するとかいうことで、メリット・デメリットいろいろと検討しているようですけれども、22日の日に「新宿上空を飛ばないということにはなるんですか」とこういうふうに質問したら、「飛ばないとは言えない」と、こういうふうに国土交通省の方が答弁をなさったそうですけれども、やはりこの問題については、本来だったらやはりこの東京に一極集中しちゃうんではなくて、成田のほうも国際航空として余裕は十分にあると。


あるいは関東近辺ということであれば、静岡の飛行場も茨城の飛行場も外国のお客さんが来ませんから、ガラガラだということですから、そういう意味ではそういったところに分散すれば、何も新しいルートを、都心上空を飛ぶようなルートはいらないわけで。


これをいるって言ってるのは東京都が外国のお客さんを呼び込みたいということからいろいろと検討が始まってできたルートなわけですから。やはりそういう意味では、本来世界中見たって都心の上空を飛ぶなんて設計をしているところはほとんどないわけで。都心から離して、都心の人達の安全守るのが基本なわけで、その世界の基本に逆行してるのがこの羽田新飛行ルートですから。


そんなふうに考えると、やはりホントに区民の命と安全を守るという視点からしたら、この飛行ルートは止めるべきだというふうに国土交通省の方に進言をするのが新宿区の役割ではないかという私は思うんですけど、いかがですか。

課長:区長名で国交大臣宛に、要望

新飛行ルートにつきましては、国のほうより国際競争力の強化でありますとか、あるいは生活環境という観点で申し上げますと、どうしても千葉県の県民の皆様の騒音負担が集中をしているといった中で、このような新ルートを運用を開始したという説明を受けております。


飛行ルートにつきましては、国の責任で、国の事業でやっていく事業ではございますけれども、新宿区といたしましては、今ご指摘がございましたように、区民の安全安心といったものを守る観点から、昨年の6月3日にも区長名で国交大臣宛に、この飛行経路のあり方については騒音対策、安全対策等の観点から新飛行経路は固定化されることのないよう継続的に検討を行うことというふうに要望しておりますので、最後の継続的に検討をし続けていただくというところについては本当に注視をして、しっかりものを申していきたいというふうに考えております。以上です。

※20年6月3日「新飛行経路運用に伴う騒音対策及び安全対策等についての要望書

雨宮:「止めてください」と言うのが新宿区民の命と安全、健康を守る策だ

継続的検討というなら、分散化する――、今の千葉県の話もありましたけれども、千葉県の皆さんも、今の海から出て海から入るというコースでそういう県民の負担が大きいんだということだったというふうに思うんですね。ですけど、だからこそ首都圏全体に(航空機騒音を)分散すると。本来成田の空港が国際航空なんですから、そこで利用するべきことなんですよ。


それが強引に安倍さんの、安倍首相の時代に決定をして、本来だったら都心上空を飛べばものすごく騒音の負担をしなくちゃならないのに、わざわざ3時から7時という時間を短くして、そういう補償をしなくてもいいようなやり形を考えてこのルート作ったんですよ。


その騒音に苦しんでるのが練馬から新宿から渋谷から、特に品川、大田、この人たちは私たち(新宿区民)以上に、品川区民の人達は騒音に苦しんでるわけですよ。だからやはり根本的には「止めてください」と言うのが私は新宿区民の命と安全、健康を守る策だということを述べて終わります。

雑感(決算特別委で質疑応答する意味)

川村議員に感謝

新宿区議会第3回定例会(9/21-22)本会議の代表・一般質問、羽田新ルート を取り上げているのは19名のうち共産3名も含めゼロ!とツイートしたところ、川村のりあき新宿区議(共産)から、決算特別委員会で日本共産党の委員が取り上げる旨のリツイートを頂戴した。

川村議員のリツイートがなければ、筆者が10月1日の決算特別委員会での羽田新ルートに係る質疑応答に気づくことはなかったかもしれない。

すごいぞツイッターと、川村議員に感謝しつつ、今回の質疑応答を振り返る。

決算特別委で質疑応答する意味

質疑応答を通じて、新たに分かったことは、新宿区が受けた直近の苦情件数(8・9月がゼロ!)であったことくらいではないか。

国交省主催の「固定化回避に係る技術的検討会」に係る質疑応答内容については、既知情報であった。同検討会の存在を知っている読者にとっては目新しい情報ではないし、同検討会の存在を初めて聞く人にとっては、何が問題なのか理解しにくかったかもしれない。

決算特別員会の場で、羽田新ルート問題という一つのテーマに絞って、深い質疑応答が行われることは、どのような意味があるのか考えさせられる。区民の大半は同委員会の議会中継のライブ映像はもちろん録画を視聴することはないだろう。議事録もしかり。

となれば、同委員会の場で質疑応答する意味があるとすれば、区議の質問(要望)が切っ掛けとなって行政(この場合は環境対策課長)が具体的なアクションを起こすことではないか。

そういう点で今回、環境対策課長が約束したのは次の1点。

すなわち、新宿区長名で羽田新ルートが固定化されないよう継続的に検討行うことを要望書を出しているので、継続的に検討されているのか注視し、ものを申すこと。

(環境対策課長)

昨年の6月3日にも区長名で国交大臣宛に、この飛行経路のあり方については騒音対策、安全対策等の観点から新飛行経路は固定化されることのないよう継続的に検討を行うことというふうに要望しておりますので、最後の継続的に検討をし続けていただくというところについては本当に注視をして、しっかりものを申していきたいというふうに考えております。

 

ただ、固定化回避とは、羽田新ルートによって現在騒音などの悪影響を受けている住民にとって、将来緩和されるかような幻想を抱かせるマジックワードだというのが筆者の認識である。そのことの理解を深めないままの議論はあまり意味がないと考えるのだが……

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2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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