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質問主意書|比例九州ブロック議員(立民)、空き家対策予算で選挙区民にアピール!?

第203回国会(20年10月26日~12月5日)の衆議院の質問主意書83件のなかに、69番目として空き家に係る次の質問主意書が埋もれている。

城井崇 衆議院議員(立憲民主党)が12月1日に提出した質問主意書に対する政府答弁書が公開されたので整理しておいた。


質疑応答のポイント

城井崇 衆議院議員
城井崇 衆議院議員(3期、 立憲民主党、 元前原誠司秘書、京大卒、47歳)

人口の減少や高齢化の進展に伴い、今後の空き家の増加が見込まれる中、政府では、空き家対策を喫緊の課題として「空家等対策の推進に関する特別措置法」の施行をはじめ、住宅団地でのシェアオフィス等への転用に係る規制緩和である「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」などの取組みが強化されているところである。

北九州市では、危険な老朽空き家の除去促進だけでなく、空き家を利活用するために、司法書士会等と連携した相談体制の構築空き家バンクケアマネージャーと連携した高齢者留守宅の放置予防に取り組み、面的対策として街なかの前面道路が狭く単独では建替え困難な空き家が連坦してある場合、これらを一団として再整備する事業が行われている。

そこで、空き家の活用や放置予防の促進に関して、以下質問する。

質問:前面道路の拡幅整備や迅速な境界確定、隣地からの地中埋設管の切り替え等に要する負担への対応?

総合的な空き家対策、特に空き家活用や放置予防の促進のため、街なかの連坦空き家などのまとまって空き家が見られる地域の面的対策事業における前面道路の拡幅整備や迅速な境界確定、隣地からの地中埋設管の切り替え等に要する負担への対応や、民間組織が行う、例えば空き家の一定数を所有する高齢者が入所する施設での啓発活動等の取組み強化などへの支援の充実のため、政府において必要な措置を講ずるべきと考える。政府の認識を明らかにされたい。

回答:令和3年度概算要求、支援を行うための費用を計上

お尋ねについては、国土交通省において、「空き家対策総合支援事業」、「社会資本整備総合交付金」及び「空き家対策の担い手強化・連携モデル事業」により、一定の要件の下、地方公共団体又は民間事業者等が行う空家等に関する対策等を支援しているところであり、令和3年度概算要求においても、同様の支援を行うための費用を計上しているところである。

雑感(選挙区民にアピール!?)

当落を繰り返している城井崇先生は、17年の衆院選で希望の党から比例九州ブロックで立候補し当選。

来年の衆議院選挙で選挙区民にアピールするために国費を引っ張ってきたかったのであろうか。質問文書は短いが、政府への要求内容はかなり細かい。

  • 前面道路の拡幅整備や迅速な境界確定、隣地からの地中埋設管の切り替え等に要する負担への対応
  • 高齢者が入所する施設での啓発活動等の取組み強化などへの支援の充実

これに対して政府の回答はとても簡潔。現在進行中の3つの事業を掲げたうえで、来年度の概算要求を見ろという。

国交省の「令和3年度住宅局関係予算概算要求概要」(令和2年9月)(PDF:2.4MB)をひも解くと、13頁に「空き家対策の強力な推進」として、次の金額が計上されていることが分かる。

  • 空き家対策総合支援事業 国費:45 億円(1.29 倍)
  • 住宅市場を活用した空き家対策モデル事業 国費:4.2 億円(皆増)
  • 社会資本整備総合交付金等の内数(空き家再生等推進事業)

※「皆増」とは、全前年度ゼロ円であったことを意味している。

※社会資本整備総合交付金等は7,277億円。

令和3年度住宅局関係予算概算要求概要(空き家対策の強力な推進)

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