東日本不動産流通機構は8月17日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート」(7月度)を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比で2.4%減少し、5ヶ月連続で減少したが、減少率は6月から縮小した。
- 成約m2単価は前年比で4.7%上昇し、成約価格は前年比5.4%上昇した。
- 専有面積は前年比プラス0.6%であった。
地域別動向
- 成約件数は埼玉県と千葉県を除く各地域が5ヶ月連続で前年同月を下回った。
- 成約m2単価は千葉県を除く各地域が前年比で上昇し、東京都区部と多摩、神奈川県他は3ヶ月連続で前年同月を上回った。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
成約単価・在庫件数・成約件数の推移(首都圏)
首都圏の中古マンションの成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降新築マンションに引っ張られるように上昇し、17年4月に50万円を突破。その後は鈍化。19年2月頃から再び上昇傾向にあったが、20年1月をピークに下落傾向(次図)。
20年7月の成約単価は56.03万円(前年同月比4.7%増)。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
首都圏の中古マンションの在庫件数は、大きく波を打ちながら増加傾向にあったが、19年1月をピークに減少傾向(次図)。
首都圏中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。
7月の成約件数3,156戸は、前年同月比▲2.4%減。
首都圏中古マンションの成約件数前年同月比の推移を次図に示す。
新型コロナ感染拡大の影響で4月、5月と大幅に減少していたが、7月は▲2.4%まで戻した。
成約単価・在庫件数・成約件数の推移(1都3県)
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、アベノミクスがスタートした12年11月以降上昇傾向にあったが、20年1月の74.82万円をピークに下落傾向。7月は反発して上昇。
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、大きく波を打ちながら増加傾向にあったが、19年2月をピークに減少傾向。
1都3県の中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。
7月の東京都の成約件数は前年同月比▲3.7%減にとどまった。
成約単価・在庫件数・成約件数の推移(23区)
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都心3区の成約単価は、19年9月に120万円を突破し、その後足踏み状態が続いていたが下落傾向。7月は反発して120万円を突破(次図)。
23区では、次の順に成約単価が高い傾向が見られる。
都心3区>城西>城南>城北>城東
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、減少傾向が見られる。
23区の中古マンションのうち、成約件数が多い城東地区と少ない都心3区の成約件数の推移を次図に示す。
両地区とも例年並み。
まとめ
新型コロナ感染拡大の影響で、成約件数は4月、5月と大幅に減少していたが、7月は昨年並みまで戻した。
- 首都圏
成約単価は20年1月をピークに下落傾向。7月の成約件数は前年同月比▲2.4%減。 - 都内
成約単価はアベノミクスがスタートした12年11月以降上昇傾向にあったが、20年1月をピークに下落傾向。7月は反発して上昇。 - 都心3区(千代田、中央、港)
成約単価は、19年9月に120万円を突破し、その後足踏み状態が続いていたが下落傾向。7月は反発して120万円を突破。
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