7月の運用実績データを整理していたら、意外な事象に気がついた。
南風時に都心上空を通過して羽田に到着するルートで7月9日、4機がゴーアラウンドしていたのである。
以下、備忘録としてまとめておく。
1日に4機ゴーアラウンド
ゴーラウンド(着陸やり直し)を実施した4機の内訳を次表に示す。
「羽田空港飛行コース」の「航跡動画」をもとに調べた(以下、同じ)。
1機目は15:23、C滑走路に入ってきたB737がゴーアラウンド(次図)。
2機目は16:31、C滑走路に入ってきたB737がゴーアラウンド。その約2分後に3機目が16:33、A滑走路に入ってきたB737がゴーアラウンド。
さらに4機目は16:49、A滑走路に入ってきたB787がゴーアラウンド。東京湾をショートカットして、習志野上空から陸域に入る。
約18分の間に3機もゴーアラウンドすることになった(次図)。
ゴーアラウンド発生時の気象状況
1日に4機もゴーアラウンドが発生した当時の羽田の気象はどうだったのか?
気象庁のデータを見ると、当時の羽田の平均風速は8~10m/s、最大風速8~14m/s。比較的強い風(南~南南西)が吹いていたようだ(次図)。
「気象庁|過去の気象データ」を元に筆者作成
今後、気温が上昇して空気密度が低くなると、揚力が小さくなるので、操縦難度が上がりゴーアラウンドが増えるというようなことはないのか……。
【追記】大型機の乱気流の影響!?
※7月16日追記
@ebisuhidesan氏から、ゴーアラウンドの一因として、後方乱気流の可能性がある旨のリツイートを頂戴した。
B777や787の、強い後方乱気流に巻き込まれた可能性ありますね、動画で前後確認すると。
4海里とか5海里のセーフティ見込めば通常は解消のハズですが、二機同時ゴーアラの際は、C先行着陸機が772型。(略)
flightradar24で過去データを調べると、ゴーアラウンドした2機目・3機目に先行してB777(大型機)が着陸していることが確認できる(次図)。
ただ、2機目とB777(大型機)との間は15km(≒8海里)以上離れている。
上図の飛行断面を可視化したのが次図。
2機目(赤色)は上空約700mで、3機目(緑色)は上空約1240mで高度を引き上げていることが分かる。
(flightradar24のデータを元に筆者作成)
ゴーアラウンド実績
※日付は投稿日
- 20年6月14日:JAL126便、2回連続ゴーアラウンド
- 20年4月27日:羽田新ルートで2回目(?)のゴーアラウンド
- 20年4月07日:降下角3.45度、ゴーアラウンドは増えるのか