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羽田新ルート|北区議会「20年第2回定例会」質疑応答

北区議会「20年第2回定例会」本会議の個人質問(6月5日、8日)で、羽田新ルートに関して、みつき慎太郎議員(N国)さがら としこ議員(共産)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、テキスト化(約5千文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と最後の「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁は、生活環境部長


みつき議員(N国)

みつき慎太郎(N国)
みつき慎太郎議員(NHKから国民を守る党、区議1期、27歳)

羽田空港新ルート問題についてお尋ねいたします。

この度、羽田新ルートについて質問をさせていただこうと思いましたのは、昨年より区民の方から「この問題について知ってほしい」というご相談を頂いたのが最初であります。


昨年の12月15日から17日にかけて、国土交通省の職員の方々がオープンハウス型の説明会を開催されていましたので、私も一区民として説明会に参加いたしました。国交省の職員の方から丁寧な説明を頂いたんですが、その中で気になりましたのは、羽田新ルートが地域住民に与えるさまざまな影響であります。


5月18日、国会参議院決算委員会におきまして、羽田新ルート問題に関して、日本維新の会の柳ヶ瀬議員が質疑応答を行っており、航空局長の質疑の中で、この新型コロナ禍で、羽田空港の運航便数は5月17日からの週、国際旅客便は感染症拡大前の1月19日からの週と比べ95%以上減の週約35便、国内旅客便は同様に80%減の週700便になっているとの答弁がありました。

私はこの航空需要減少している中で、現状需要がないと思われるのに、今現在も都心上空をバンバンと飛んでいくのは、地域住民に更なる不安を与えてしまうと思いますので、これは一度控えるべきであり、一時停止、もしくは今後、撤回するべきではないかと考えます。


そこで羽田新ルートは、現状の社会情勢を踏まえ、見直すべきであるのではないかという考えのもとで数点質問をいたします。

問1:ICAOチャプター14、具体的な指標による騒音機制限を国に求めるべき

まず、騒音対策についてです。

前回の第1定例会で一般質問を行いました、日本共産党の相楽議員は「港区白金台にある保育園の上を大型旅客機が轟音を響かせて通過した時、1歳9か月の園児が『鬼の音がする』と言って泣き出し、大人の私たちも恐怖を覚えた」という発言がありました。これを聞いた時に、私は非常に大きな衝撃を受けました。


飛行機は本来、夢ある乗り物であるのに、それが怖い鬼の音に聞こえ涙を流した。悲しむ園児の情景が、わたし自身の胸に浮かんだのです。


質問です。騒音対策として低騒音機縛り、あるいはチャプター14についてお尋ねいたします。

先に述べました国の説明会で、「近年、航空機の小型化・低騒音化が進んでいて、実際に飛ぶ飛行機の音が小さいんだ」という説明があったと思うのですが、しかしアメリカ側のエアライン増便申請によると、例えばボーイング777-200ERという中型の騒音値が比較的高い機種での増便申請が出されています。


ここで航空機の騒音値といえば、国際的な騒音規制がありまして、ICAO国際民間航空機関の航空機騒音基準であるチャプター4という基準があります。これは今から2001年、18年前に定められた基準で、旧型のうるさい機種でも基準をクリアして、日本で飛べるわけですが、年々世界の航空機の騒音規制は厳しくなってきています。

2013年には最新の騒音基準であるチャプター14という基準が認定されました。この基準では今申し上げたうるさい旧型機では基準がクリアできません

日本航空が去年9月に導入したエアバスA350-1000はICAOのチャプター4よりも16.5EPNdB低い驚異の低騒音機と呼ばれています。こういった静かな飛行機もあるわけであります。

ここで質問です。具体的に新ルートはICAOのチャプター14基準の新騒音機に限るなどの具体的な指標による騒音機制限を国に求めるべきと思いますが、いかがですか。ご所見をお伺いします。

問2:新ルートが不動産価格に与える影響?

質問の2点目。地価への影響についてであります。

落下事故や騒音もさることながら、不動産価格下落を懸念する声を幾分か区民の皆様から聞いております。

不動産需要が減少し、地価が下がれば当然、固定資産税収にもかかわってくると思いますが、新ルートが不動産価格に与える影響をどのようにお考えでしょうか。ご所見をお伺いいたします。

問3:国に求める損失補填、オプション選択肢を検討すべき

質問の3点目は、大多数の北区民が新ルートに反対だとしても、航空法上の決定権は、残念ながら国にあるのが実態であります。国策として新ルートが執行されている現状、区は何らかの損失補填や安全対策を国に求めるべきではないかと思うわけであります。


例えばその一例として、住戸の防音工事であるとか、個人、事業者の建物移転補償、固定資産税減免。また、国から区への交付金、税収面の補填など。まだ安全対策として、時間帯別の便数数制限、落下物対策など、様々なオプションが可能だと考えられます。


国に求める損失補填が安全保障などのオプション選択肢を検討すべきではないかと考えますが、いかがでしょうか。ご所見をお伺いいたします。

問4:花川区長の思い?

最後になりますが、花川区長は北区民のみならず、大多数の国民の理解を得ているとは言い難いこの羽田新ルートに対してどのように思われていますか。

率直な花川区長の思いを聞かせていただきたく思います。どうぞよろしくお願いいたします。以上です。ご清聴、誠にありがとうございました。

生活環境部長
生活環境部長

答1:更なる騒音対策の推進に努めるよう国に求めてまいります

私から引き続き羽田空港新ルート問題について順次お答えします。

初めに新ルートはICAOのチャプター14基準の新騒音機に限るなどの具体的な指標による騒音制限を国に求めるべきとのご質問です。


ご提案にありましたような新ルートの飛行を一部の新騒音機に限ることになりますと、他の航空機は別の滑走路に着陸することになり、滑走路の形状から航空機同士が交錯するなどの支障が生じる恐れが考えられます。

国からは航空機の騒音基準は年々厳しくなっており、古い航空機など一定の基準に適合しない場合は運航禁止の措置がとられていると聞いています。


今般、国は騒音対策の一つとして、国際線着陸料を騒音値が大きいほど負担が大きくなる料金体系への見直しを実施し、低騒音機の導入を誘導するとしています。区としては、こうした対策を含め、更なる騒音対策の推進に努めるよう国に求めてまいります

答2:因果関係を見出すことはできなかった旨の報告を受けています

次に、新ルートが不動産価格に与える影響をどのように考えるかについてです。

国からは離着陸回数の多い国内3空港、成田、伊丹、福岡を対象に空港周辺の地価がどのように形成されるかについて調査、分析を行ったと聞いていますが、飛行経路が地価の下落につながることを示す因果関係を見出すことはできなかった旨の報告を受けています

答3:国が策定した対策等を着実に実施してくよう求めてまいります

次に、区は何らかの損失補償や安全対策を国に求めるべきであるとのご質問です。

航空機の騒音により生じる障害の防止や損失の補償については、航空機騒音防止法により、その対象区域となる基準が示されていますが、北区内の新飛行経路下は基準上対象外の区域であり、国に損失補償等を求めていくことは難しいと考えています。


国は新飛行経路運用にあたり、世界に類を見ない厳しい基準を策定するなど、騒音対策と安全対策を徹底し、万全を期すとしています。区としましては、国が策定した対策等を着実に実施してくよう求めてまいります

答4:丁寧かつきめ細かな説明や十分な情報提供を行うよう要請

最後に、この羽田新ルートに対してどのように思われているかについてです。

羽田新飛行経路については、国の航空政策として国の判断と責任において運用開始を決定したと認識をしております。一方で、区としましては本区上空を飛行する以上は、区民の皆様の安全が確保されていることが最低条件であると考えています。


従いまして、今後も国に対しては、安全対策や環境対策の充実と強化の徹底、さらなる対策への積極的な取り組みを求めるとともに、区民の皆様の不安や疑問に応える丁寧かつきめ細かな説明や十分な情報提供を行うよう要請してまいります。以上、お答え申し上げました。

さがら議員(共産)

さがらとしこ議員
さがらとしこ議員(共産党、区議7期、大東文化大卒、69歳)

新型コロナの影響で運用実績3割という羽田新ルートは中止・撤回するよう国と東京都に求めることです。

新型コロナが世界的に流行し、外出自粛が求められ、事業者には休業要請という厳しい選択が迫られていた最中の3月29日、羽田空港増便のためとして羽田新ルートが強行されました。


羽田空港の国際線枠をさらに拡大するために、これまで原則飛行しないとしていた都心上空の飛行を解禁し、学校や保育園、住宅地などが密集する市街地の真上を巨大旅客機が超低空で飛行する新ルートについて、これまでもその危険性を指摘し、中止を求めてきました。


日本共産党・山添拓参議院議員の問い合わせに国交省は、新ルートは3月29日から5月1日までの34日間のうち18日間運航され、計852件が着陸したこと、しかし、当初計画では1時間に44便運航するとされていたが、実際の便数は1時間に17.6便だったこと、特に4月24日から5月1日までは1時間に12.5便、つまり3割の運航に止まったことを明らかにしました


さらに5月20日、日本政府観光局は、4月の訪日外国人数は同年同月の290万人から2900人へと減少した。つまり99.9%激減したと発表したのです。その後の調査で日本政府観光局は新型コロナの感染拡大により統計を取り始めた1964年以降、過去最少となったこと、22市場、つまり22か国地域のすべてで訪日外客数がほぼゼロに近い数字となったと報道関係者に発表していたことがわかりました。


このように各国がコロナ対策で出入国制限を続けているもとで、新ルートによる増便の必要性など全くなくなっていました。回復への道のりも明らかではありません。それでも今もなお新ルートの飛行を続けるのはなぜですか。


巨大な飛行機を見上げながら、「いったいあの飛行機には何人の乗客が乗ってるんだろう」と住民の疑問は深まるばかりです。 

問1:飛行実績について報告を受けていますか

そこで質問します。この期間の飛行実績について報告を受けていますか

問2:羽田新ルートは直ちに中止するよう国にも東京都にも求めるべき

2つ(目の質問)。増便による必要性は今、全くなくなっているのですから、区民に不安と危険をもたらすだけの羽田新ルートは直ちに中止するよう国にも東京都にも求めるべきではありませんか。お答えください。

生活環境部長
生活環境部長

私からは、引き続き「新型コロナウイルス対策に万全を期すため、不要不急の大型開発や住民合意が得られない大型道路建設を中止すること」とのご質問のうち、運用3割の羽田新ルートは中止、撤回するよう国と東京都に求めることについてです。

答1:国から報告を受けています。

まず、この間の飛行実績ですが、5月10日までの実績について国から報告を受けています。内容は南風運用時、到着便の滑走路ごとの飛行実績で、運用のあった24日間のA・C滑走路への到着便の合計は1064便と聞いています。

答2:新飛行経路運用の中止を求めることは考えておりません

次に、増便に対応する必要性がない現在、羽田新ルートは直ちに中止するよう国と東京都に求めるべきとのご質問です。

国からはこの減便している期間を新飛行経路のフル運用に向けた助走期間と捉え、騒音・安全対策等を改めて検証し、徹底していきたい旨の表明がありました。


羽田新飛行経路の運用につきましては、国の航空政策として国の判断と責任において決定したものと認識をしております。

そのため区では新飛行経路運用の中止を求めることは考えておりませんが、区民の皆様の安全を守る立場から、今後も国に対しては、区民の皆様の不安や疑問に答える丁寧かつきめ細かな説明や十分な情報提供を行うとともに、更なる安全対策や環境対策の充実と強化に積極的に取り組むよう引き続き要請をしてまいります。以上、お答え申し上げました。

雑感(どこかで聞いたような質問だが…)

みつき慎太郎(N国)

NHKから国民を守る党から出馬して北区議会の議席を獲得した27歳の青年の謙虚で爽やかな物言いからはとても良い印象を受ける。

しかも、ICAOチャプター14や固定資産税減免など、他の会派からは出てこないような質疑を聞いた議場の人たちは、みつき氏がとても一生懸命勉強していると思ったかもしれない。

でも、ホントにそうだろうか?

18年以降、羽田新ルートに係る都・区議会定例会での質疑応答をつぶさにチェックしている筆者には、そうは思えない。

今回のみつき氏の4つの質問のうち、4問目(花川区長の思い?)以外は、ちょうど1年前(19年6月7日)、渋谷区議会の定例会本会議の金子 快之議員(れいわ渋谷)の一般質問と瓜二つなのだ。

  • 金子3:ICAOのChapter14基準による騒音制限を国に求めるべき
  • 金子4:新ルートが不動産価格に与える影響?
  • 金子5:何らかの損失補填や安全対策を国に求めるべき

まあ、金子議員もN国で初当選した1期生(東大経済学部卒、49歳)だから、情報を共有化したことは問題ないのかもしれない。

でも、語尾などの言い回しも含めて、ほとんど同じ。しかも文章誤読のオマケ付きである。

例えばその一例として、住戸の防音工事であるとか(略)

住戸を「じゅうこ」と読むべきところ、「じゅうと」と誤読していた。こんなことでいいのだろうか。

さがら としこ(共産) 

羽田新ルート問題への関心が低い北区議会で、さがら議員(共産)が前回(20年第1回定例会)に続き、今回も羽田新ルートを取り上げたことは高く評価したい。

そんな さがら氏の質問を聞いていて、おやっと思ったのが次のくだり。

日本共産党・山添拓参議院議員の問い合わせに国交省は、新ルートは3月29日から5月1日までの34日間のうち18日間運航され、計852件が着陸したこと、(略)つまり3割の運航に止まったことを明らかにしました。

どこかでも聞いたことがあると表現だ思って、チェックしてみたら、3つの区議会の定例会(20年第2回)本会議の一般質問で共産党議員が同じ情報を引用していたのである。

組織力を活かして収集した情報を水平展開し、引用先を明確にしたうえで質疑内容の質を高めていることは、全く問題ない。みつき議員(N国)とは雲泥の差だ。

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