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羽田新ルート|渋谷区議会「20年第2回定例会」質疑応答

渋谷区議会の「20年第2回定例会」本会議の代表・一般質問(6月4日、5日)で、羽田新ルートに関して、牛尾真己議員(共産)と堀切稔仁議員議員(れいわ渋谷)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約5千文字)しておいた。

※以下長文。時間のない方は「質疑応答のポイント」と「雑感」をお読みいただければと。


質疑応答のポイント

※答弁はすべて、渋谷区長


牛尾真己 議員(共産)

牛尾真己 議員(共産)
牛尾真己議員(共産、区議4期、中央大学 II部理工学部卒、62歳)

牛尾:都心低空飛行ルートの撤回を求める

次に、羽田空港都心低空飛行ルートについてです。

外出、自粛要請によって自宅で過ごす区民が増え、今まで都心低空飛行ルートに関心を持っていなかった人からも反対の意見が寄せられています。


ところが、国土交通省は3月29日から都心低空飛行ルートの本格運用を開始し、飛行便数が大幅に減少した緊急事態宣言のもとでも、“助走期間”などとして新飛行ルートの運用をやめようとしませんでした

また、小池都知事も昨年8月に都心低空飛行ルートの運用開始を了承し、国に地元の理解を得たと強行する理由を与えました。

住民の中では、「驚くほど低い飛行ルートで圧迫感がすごく、うるさいし、怖い」「なんで国際便が9割も減っているのに、都心上空を飛ばすのか」「数多く発生している落下物がもし密集地で起きれば、大惨事になる」など飛行ルートはやめてほしいという声が圧倒的です。

区長は住民の命と安全を守る立場に立って、国に対して都心低空飛行ルートの撤回を求めるとともに、東京都に対しても、国に申し入れるよう求めるべきです。区長の見解を伺います。

長谷部健 渋谷区長
長谷部健 渋谷区長(無所属、2期、元渋谷区議会議員3期、専修大学商卒、48歳)

区長:都心低空飛行ルートの撤回を求める考えはありません

次に、羽田空港都心低空飛行ルートについてのお尋ねです。

これまでも貴会派のご質問にお答えしている通り、区としては、区民の安全・安心と生活環境を守る立場から、国の責任において引き続き、丁寧な説明と十分な情報提供を行うよう、また、騒音対策や安全対策等に対して、さらなる取り組みの強化を図るよう国に対して求めていきます。


こうしたことからご質問にあるように、国に対し都心低空飛行ルートの撤回を求める考えはありません。重ねて、東京都に対しても、求める考えはありません

牛尾:航空需要が大幅に減る中で、新ルートは必要ありません

羽田空港の新飛行ルートについて、国土交通省はこの新飛行ルートの必要性について、これからの日本を成長を支えていくため、国際線の増便が必要。便数を増やすために滑走路の使い方を見直し、これにあった飛行経路を設定する必要があると説明してきました。


新型コロナウイルス感染拡大で3月29日の運用開始から5月1日までの34日間のうち18日間運用され、852便が着陸し、1時間あたりの便数は17.6便と計画の4割にすぎないことが明らかになっています。
航空需要が大幅に減る中で増便を口実にした新ルートは必要ありません

区民からは、「航空需要が無いにもかかわらず、新ルート運用を強行する必要ない」「落下物が完全に防げないと国交省も言ってんだから、都心低空は飛行すべきでない」こういう声が上がっています。

区長、こうした声にどう答えるんですか。見解を伺いたいと思います。

区長:国が責任を持って説明をすべきこと

空港についてですが、これも再三お答えしておりますが、国が責任を持って説明をすべきことですし、安全な、安全な運用を私たちも国に対して求めていきます。

ですので、そういった声が区に届いてるものがあれば、私はしっかりと国には届けて行きます。何度も申しますが、これの問題の責任は国です


ですので、責任を区に、何て言うんだろうな、押し付けるようなことは、是非止めて頂きたいですし、ましてや(御党は)国政政党でありますから、ぜひ、御政党のなかで、しっかりと中を突き上げてもらえたらいいんじゃないかなっというふうに思います。

堀切稔仁 議員(れいわ渋谷)

堀切稔仁 議員(れいわ渋谷)
堀切稔仁議員(れいわ渋谷、区議3期、東京綜合写真専門学校卒、52歳)

堀切:飛行ルート外れ、国からは何か回答があったのか?

羽田空港機能強化についてございますが、これも令和2年の第1回定例会で、飛行ルートを大きく外れているというお話をこちらにさせて頂き、区長に、国土交通省へ抗議と猛省を促すべきではないかというふうに質問を求めました。

その際、区長からは「国に対しては、既に伝えている」という答弁がありました。そこは安心したんですが、その後、国からは何か回答があったのか、ご報告を求めます。


さらには緊急事態宣言中で、多くの区民の方々が在勤、自宅待機をしてる間も、旅客機がひっきりなしで本区の上空を低空で爆音を轟かせて飛んでおりました。

しかも、その飛行機は、4月7日以降も、区民の方々から私に寄せられている情報では、本来の飛行ルートから東側にやはり大きくずれてC滑走路に向かう飛行機は、新宿から代々木駅方面に向かうはずですが、実際には、大きく外れた場合はパークタワーとオペラシティとの間を通過して代々木4丁目上空を抜け、代々木山谷小学校の横を通過をして、そのまま旋回をしながら代々木方面から青山方面に抜けるというような飛行ルートも情報がきております。


また、A滑走路へ向かう飛行機も、これもやはり本町4丁目から初台と西原の間を通過して代々木郵便局の上あたり、代々木八幡駅の方向に向かって渋谷に向かうわけですが、これもやはり、前回定例会でも申し上げましたが、依然、中幡小学校や幡ヶ谷第二保育園、または、六号通り商店街の上空をして何度も通過をするというところ、私も目撃をしております。


昨年と一昨年、国土交通省が住民説明会では「ビーコンがあるからルートは絶対にズレない」と住民の方々に説明しているのを私も何度も説明会で聞いております。しかしながら、渾然にその説明を裏切られているということです。再度国に対して、申し入れ等する予定はあるのか、区長のご所見をお伺いいたします。

長谷部健 渋谷区長
長谷部健 渋谷区長

区長:飛行ルートを大きく外れて飛行した事実はありませんでした

次に、羽田空港機能強化についてのお尋ねです。

実機飛行確認においてルートを外れて飛行しているのではないかということについて、国からは「実機飛行確認期間中の航跡を調査したところ、滑走路に向けて直線でいる間については、想定経路の範囲で飛行していた」との説明がありました。従いまして、区内上空では飛行ルートを大きく外れて飛行した事実はありませんでした


次に、緊急事態宣言中に本来のルートから大きく東側にそれて飛行していたということについても、国に確認しましたところ「想定経路の範囲で大きく外れていない」との回答がありました


また、国に対しての申し入れにつきましては、区としては区民の安全・安心と生活環境を守る立場から、国の責任において、引き続き丁寧な説明と十分な情報提供を行うよう、また騒音対策や安全対策等に対して、さらなる取り組みの強化を図るよう必要に応じて求めていきます。

堀切:飛行ルートのズレ、重大な問題じゃないですか

羽田の飛行計画については、想定内というのを受けたってことなんすけど、そういう問題じゃないと思うんですよね。私はその理由についてちょっと申し上げます。

まず、飛行機にズレがあることについて、非常に問題があることは、まず1点。

ナショナルジオグラフィクという雑誌を皆さん知っていると思いますが、アメリカのMITの調査によりますと、年間千人がこの飛行機から出る物質から、遺留物質から死亡者が出ている。あっ、(年間千人ではなくて)年間1万人です。飛行機事故でなくなる方は逆に千人。排ガスで年間1万人の命が奪われているということは、飛行経路の真下に住む方々というのは、モロこれ(排ガスの影響)を受けるわけです。


さらに渋谷区として大きな問題は、このナショナルジオグラフィクのなかに書かれているなかでは、一番有害物質が発生する。それはなぜかというところは、未定速のところがあるんだと。それは1万900mぐらい。つまり本町とか代々木のところです。ここに差し掛かるときに一番有害物質が多い。そして、その方たちはやはり長く浴びると2つの問題があります。


一つは、これはもう一つ別の調査でも出てるんですが、ロサンゼルス空港15km範囲の風下のところをメッシュで調査をしたところ、例えば、通常女性は40週で赤ちゃんが生まれますけども、これは37週の早産で生まれる

さらにこのあと、お嬢さんや、さらに自分のお子さんがいらっしゃる女性議員の方とか、自分自身お子さんが生まれるという女性議員の方には特に聞いていただきたいんですけど、この影響に対し、さらに騒音が65デシベル以上の場合ですと、さらにこれに影響があると、そういう報告が上がってます。


さらに、その影響はどれぐらい出るかというと、知力、つまり学歴とかにも影響が出る。そういうことで、いま報告が上がっているわけです。つまり、ルートがズレていくということは非常に大きな問題を区民全体に投げかけることになるわけです。

この物質は何かといえば、一つは硫黄です。もう一つは、ジェット燃料に含まれてる鉛です。ですから、これが子宮に影響して暴露するということです。


ですから、区長はズレればいいとか、想定の範囲とか、そういう話ではないワケです。本来はこれだけのことであれば、そんな約束も守れないような飛行であれば、本来撤回しなければいけないわけです。


さらに、それについてルートがズレたとか厳重に注意するという形に持ってかなければ、これ学校のなかでも先ほども言いましたけど、学校わざと、保育園わざとあげてるのは、そういう子どもたちの学校や保育園の上を飛んでるんですよ。


重大な問題じゃないですか。だからこそちゃんと国土交通省に注意をしていただきたいと思いますが、そんへんの再答弁をお願いいたします。

区長:国交省のほうにも、堀切議員からも言っていただければ

羽田のルートについてですけども、国交省に対しては「ルートを外れているんじゃないかということを確認したところ、外れてない」という回答がありました。


また、そういった疑問があるのであれば、ぜひ国交省のほうにも、堀切議員からも言っていただければ、というふうに思います。

堀切:(区長から国交省に)しっかり言っていただきたい

羽田空港の飛行計画については、国土交通省には、私はいくらでも言います。実際に言ってます。

ただ、それ以外でも、区として責任があるわけですよ。それはなぜかというと、平成30年の1月22日安倍総理の施政方針演説の中で、「地元の理解を得る」と言ってるんですよ、総理大臣自体が。

その地元の理解を得ることを初めて表明できるのは区長だけじゃないですか。そうでしょ。だって、我々が言ったって、いくらでも言いますよ私ら議員は。ただし、彼らが尋ねてきてんのは、今までの検討会だったり、東京都特別区で尋ねてくるのは区長じゃないですか。

ですから区長にちゃんと答えて頂きたいんですよ、これについて。ズレてるのならズレていると。ズレてないということにはならないワケじゃないですか。子供達の施設で全然飛んでるわけですよ。


ですからこれに関しては、私はしっかり言っていただきたいと思いますけども。今後ちゃんと国土交通省に対しては区長から、こういうことについても細かく指摘だったり、注意だったりして行く気はそもそもあるのか、ないのかってことをお伺いします。

区長:区長としてやれることはやっている

空港についてですけど、区長としてやれることはやっているというふうに認識しております。以上です。

堀切:飛行ルート、撤廃して行かなければならない

羽田の飛行計画に関して、人体にも関わることなんですよ。子供達だったり、さらに今、若い女性が子供を生んでいくというときに。

アメリカはちなみに、この排ガス対策だけで年間260億もの資産を使って医療行為を補助してるんですよ。渋谷区でも今後、国保費とかドンドン上がっていく可能性があるわけです。

だから飛行ルートについては厳密にしなければいけないです。できれば、これは撤廃して行かなければならないこととして指摘させていただきます。

雑感

牛尾議員(共産)

牛尾議員(共産)の質疑応答は、ちょうど1年前の定例会(19年6月6日)の内容とほぼ同じ。撤回を求める牛尾議員に対して撤回を拒否する区長。

  • 牛尾:羽田空港都心低空飛行計画の撤回を求めるべき
  • 区長:計画の撤回を求める考えはありません
  • 牛尾:実際飛行させるということに対して区長はどのようにお考えなのか
  • 区長:できる限りのことは、もう、しております
  • 牛尾:区長先頭に国に(計画撤回を)求めるということが必要

渋谷区議会「19年第2回定例会」質疑応答

今回と何が違うのかといえば、両者ともにマスクをしていることくらいじゃないのか。

共産党渋谷区議団の撤回スタンスが明確で1ミリもブレていないことは評価できるが、質問内容については大いに改善が求められる。 

堀切議員(れいわ渋谷)

毎回切り口を変えて質疑に臨む姿勢は高く評価したい。

「ですね」を多用したカジュアルな物言いは、堅苦しい議員が多い中で異彩を放っている。ただ、マスクをしたうえでの早口は一部聞き取りにくくマイナスポイントとなってしまっている。

長谷部区長

濱野健 品川区長と違って、自らが答弁に立ち、自分の言葉で説明しようとする姿勢だけは評価できる。

国に丸投げロジックを貫く姿勢にブレはない。区民だけでなく堀切議員も目撃したという飛行ルートのズレに対して、「想定経路の範囲で飛行していた」という国の言い分をそのまま垂れ流すのはいただけない。

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2020年6月1日、このブログ開設から16周年を迎えました (^_^)/
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