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新型コロナの影響で不動産情報サイト(4社)の登録件数はどう変化したか【新築・中古マンション編】

新型コロナの影響で、隔週誌「SUUMO新築マンション首都圏版」が薄くなって、5月12日号は遂に掲載物件数がゼロになるという事態が発生。このことについては、先日記事化した。

では紙メディアではなく、不動産情報サイトのほうは、新型コロナの感染が広がる前後でどう変化したのか?


もくじ

大手の不動産情報サイト4つの掲載状況を調べてみた。

具体的には、SUUMO、LIFULL HOME'S、アットホーム、 Yahoo!不動産の4つのサイトそれぞれについて、新型コロナの感染が広がり始める前(20年1月15日)と後(20年5月21日)の新築・中古マンションを対象とした。

全国新築マンション物件数、1位SUUMO(5/21現在)

4つのサイトの全国新築マンション物件数(20年5月21日現在)を比較したのが次のグラフ。

SUUMOが頭一つ抜けている。1位SUUMO(2,058件)、2位アットホーム(1,772件)、3位LIFULL HOME'S(1,561件)、4位Yahoo!不動産(1,091件)。

全国新築マンション(物件数の内訳)

Yahoo!不動産だけが大きく離されているのは、Yahooとがソニー不動産が15年7月に提携して「おうちダイレクト」を始めたことをキッカケに、不動産流通経営協会(FRK)がYahooとの提携を解消し、Yahoo!不動産に物件情報の掲載および提供を取りやめたことの影響が大きい。

全国中古マンション物件数、1位SUUMO(5/21現在)

中古マンション物件数No.1サイトのほうは、なかなか判定が難しいが、結論を先に言えば、たぶん物件数No.1はSUUMO(次図)。

全国中古マンション(物件数の内訳)

「たぶん」という文言を付けて断定を避けたのは、4つのサイトの中古マンションの範囲と掲載件数の扱いが微妙に違うからだ。

SUUMOの全国中古マンションが90,469件であるのに対して、LIFULL HOME’Sは40,352件。SUUMOの約4割しかない。この理由は、LIFULL HOME’Sの登録件数のほうは、SUUMOと違って、複数の不動産会社が取り扱っている物件は、まとめてひとつの物件として登録されているからである(20年1月17日LIFULL HOME’Sサポート担当からの回答による)。

また、アットホームの全国中古マンション件数(93,802件)が、SUMMO(90,469件)より若干多いのは、アットホームの中古マンションの登録件数には一棟リノベーションと新築タウンハウスも含まれるからだ。このことを勘案すると、中古マンションの物件数No.1はSUUMOということになる。

これらの現状を踏まえ、新型コロナ感染拡大前(20年1月15日)の状況と比較してみよう。

新型コロナ感染拡大前後の4社比較(1/15⇒5/21)

新築:SUUM・アットホーム増加、 HOME'S・Yahoo!減少

意外なことにSUUMOとアットホームは、新型コロナ感染拡大後のほうが僅かではあるが掲載物件数が増加している(減少していない)

一方、LIFULL HOME'SとYahoo!不動産は、新型コロナ感染拡大後のほうが掲載物件数が減少している。

このことは、「スーモは掲載料金が高いので、新型コロナで来場が見込めないときは掲載を見送る業者がいる」といった巷の噂が必ずしも全てではないことを示唆している。新築マンションにおいては、SUUMOブランドは絶大ということなのだろうか……。

全国新築マンション物件数の変化(4社比較)

中古:Yahoo!不動産以外は減少

中古マンションのほうは、新築マンションとは異なる状況が見える(次図)。

Yahoo!不動産を除いた3サイトのいずれも新型コロナ感染拡大後のほうが掲載物件数が減少しているのである。

新型コロナで営業ができないのでサイトへの掲載を見送った業者が増加したことが要因として考えられるが、掲載料金が高いSUUMOだけが減少しているワケではないことに注意が必要だ

ただ、首都圏(青色)に限ってみると、SUUMO(▲9.1%)とアットホーム(▲7.5%)の掲載物件数が大きく減少しているのに対して、LIFULL HOME'Sは▲3.3%の減少に留まっているところが興味深い。

全国中古マンション物件数の変化(4社比較)

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