港区長選挙が1か月後に実施される(投開票日:6月7日)。
区長選への出馬を表明しているのは、現職の武井雅昭氏(67)と元都議の菊地正彦氏(67)の2名(5月6日現在)。
羽田新ルートへの影響を探るため、候補者の当選可能性を調べてみたところ……。
現区長は過去2回、得票率7割超で圧勝
港区HPの過去の区長選挙に係るデータは、現区長が2期目の当選を果たした08年以降しか公開されていない。
そこで、現区長の2期から4期の戦績を可視化してみた(次図)。
なんと、過去2回の選挙では7割を超える得票率を獲得し、圧勝しているのである。
圧勝が予想されるからなのか、毎回、投票率は25%前後と低い。
※得票率=得票数÷得票総数、絶対得票率=得票数÷当日有権者数
羽田新ルート周辺住民は救われない…
羽田新ルートに対する武井区長の国に責任を丸投げするスタンスはブレていない。
区は現在、区民の皆さんから寄せられた声を国に伝えるとともに、国として真摯に受け止め区民の不安や疑問の払拭に向けたきめ細やかな情報提供や丁寧な説明を行うよう求めております。
区は計画の撤回を国に要請することは考えておりませんが、引き続きさらなる安全対策や騒音対策等に積極的に取り組むよう国に対して強く求めてまいります。
武井氏は、過去2回とも、自公だけでなく、民進党(民主党)と社民党の推薦を受けている。今回も同様の推薦体制で選挙に臨むのであれば、対立候補が勝てる可能性は限りなく低いということになる。
残念ながら、羽田新ルート問題が国に丸投げされたままでは、羽田新ルート周辺の住民約7万人は、今後も騒音の影響を回避することは難しそうだ。
ちなみに、羽田新ルートが通過する地域は、下記の15地域。
- C滑走路到着ルート
南麻布3丁目、南麻布4丁目、南麻布5丁目、西麻布2丁目、西麻布4丁目、南青山3丁目、南青山4丁目、南青山6丁目、北青山3丁目、高輪1丁目、高輪2丁目、高輪3丁目、白金台2丁目、白金台3丁目、港南2丁目
【追記】現職、武井氏が5選果たす
※6月8日追記
無所属現職の武井雅昭氏(自民、国民、公明、社民、都民推薦)が5選を果たした。
2位の会社役員の飯田佳宏氏(47)は、共産推薦の大滝実氏(71)と、元都議の菊地正彦氏(67)を上回った。ホリエモン新党の柏井茂達氏(36) は最下位(次図)。
最終投票率が30.04%まで上昇(前回24.25%)したのは、新型コロナで外出自粛が続いていたことが影響したのだろうか。一般的には、投票率が上がると、組織票に依存している現職に不利に働く。
武井氏の得票率は減少(75⇒62%)したものの、投票率が増加したため絶対得票率は微増(18.2⇒18.7%)。(次図)。
得票率=得票数÷得票総数
絶対得票率=得票数÷当日有権者数
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