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合法民泊の件数(20年5月)|新型コロナの影響、いまだ表面化せず

民泊新法(住宅宿泊事業法)が18年6月15日に施行されて1年と10か月半が経過。

合法民泊はどのくらい増えたのか?


ざっくり言うと


東京23区の合法民泊7千件

東京23区の住宅宿泊事業の届出施設の受理件数の合計は少なくとも7,354件(5月1日調査)。

区ごとの件数を下図に示す。600件を超えているのは、新宿区(1,541件、4月10日現在)、豊島区(976件、同)、渋谷区(904件、同)、墨田区(702件、同)、台東区(686件、5月1日現在)。

Airbnbサイトで「民泊」が一斉に非掲載となったのは18年6月2日。同年6月1日以前は23区内で1万6千件が掲載されていた。現在の住宅宿泊事業の届出施設の受理件数7,354件は、かつてAirbnbで掲載されていた件数の46でしかない。

住宅宿泊事業の届出施設の受理件数(23区)

【メモ】

  • 各件数は、国交省が運営している民泊制度ポータルサイト「minpaku」に定期的に公開されている「住宅宿泊事業法の届出状況」のほか、各区HP公開データに拠る。
  • 各区のデータ公開日はバラバラ。すべてが月初データというわけではない。

新型コロナの影響、いまだ表面化せず

民泊新法の施行日(18年6月15日)以降の、各区の受理件数の推移を次図に示す。

新宿区がダントツの1,541件。2位豊島区。3位渋谷区。

住宅宿泊事業の届出施設の受理件数の推移 (23区)

 

各区の事業廃止件数の推移を次図に示す。

台東・新宿区が増加傾向にあるが、特に新型コロナの影響が表面化しているようには見えない。

住宅宿泊事業の事業廃止件数の推移 (23区)

民泊事業を廃止した場合、30日以内に廃業届を提出しなければならない(住宅宿泊事業法 第28条)。提出しなければ20万円以下の過料に処せられることになっている(同法 第79条)。

民泊を止めて賃貸に切り替える人はともかく、コロナの影響で民泊運営に四苦八苦している人がわざわざ廃業届を出すだろうか。コロナ禍が過ぎ去るのをじっと耐え忍んでいる人が多いのではないか。

札幌市、漸減中の大阪市を上回るか

18年6月1日以前、全国でAirbnbサイトに掲載されていた件数上位の自治体は、東京、大阪、京都、沖縄、北海道、福岡の順であった(全国Airbnb登録件数5.3万件、4か月連続で減少)。そこでこれら自治体の合法民泊受理件数の推移を可視化してみた(次図)。

1位大阪市(2,542件、4月10日現在)。2位札幌市(2,388件、同)。

大阪市は19年10月の2,677件をピークに漸減中。札幌市に抜かれそうだ。ただ、今後、新型コロの影響がどうなるのか……。

住宅宿泊事業の届出施設の受理件数の推移 (その他都市)


大阪市内では、住宅宿泊事業法に基づく民泊施設が2千700件を前に漸減傾向が見られるが、特区民泊のほうは現在も増加し続けている(次図)。年間営業日数に制限のある住宅宿泊事業法に基づく民泊よりも、制限のない特区民泊のほうに魅力があると判断する人が多いということなのかもしれない。

届出施設の受理件数の推移(大阪市)

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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