3月29日から羽田新ルートの運用が始まった。
これまで都心上空を通過して、降下角3.45度で羽田空港に到着するルートが運用されたのは、南風が吹いた3日間(4月3日、4日、6日)。
そのうち、初めてのゴーアラウンド(着陸のやり直し)があったのは、4月4日のANA636便(岩国⇒羽田15時51着)。
降下角3.45度、初めてのゴーアラウンド(4月4日)
降下角3.45度の運用で、初めてのゴーアラウンド(着陸のやり直し)があったのは、4月4日のANA636便(岩国⇒羽田15時51着)(次図)。
Flightradar24(4月4日ANA636便)より
大型旅客機ボーイング737型機の乗客は、都心上空の遊覧を楽しめただろか。
#羽田新ルート
— マン点(不動産ブログメディア) (@1manken) April 6, 2020
【動画】ゴーアラウンド(着陸やり直し)
南風時、都心低空飛行/C滑走路到着ルート(4月4日)
ANA636便(岩国⇒羽田15時51着) pic.twitter.com/mYQXWsGy1F
ゴーアラウンド便の降下角を可視化
なぜ、ANA636便のパイロットはゴーアラウンドに踏み切ったのか?
従来の降下角3度よりも急な3.45度にうまく対応できなかったのか?
同便の降下角の変化を可視化したのが次図。
同便は、新宿駅上空付近で原則通りの3.45度の急角度で着陸体勢に入ったあと、品川駅上空の手前から、より緩やかな3.0度に切り替えている。
Flightradar24のデータを元に筆者作成
ちなみに、同便は2回目の降下でも、品川駅上空の手前から、より緩やかな3.0度に切り替えて着陸している(次図)。
降下角3.45度でゴーアラウンドは増えるのか
そもそも羽田空港ではゴーアラウンドはどの程度の頻度で発生しているのか?
大田区議会のホームページに、羽田空港対策特別委員会の配布資料として、定例会の都度、東京国際空港におけるゴーアラウンド実績が公開されている(次図)。
羽田空港対策特別委員会の資料37(20年1月21日)
同資料によると、ゴーアラウンドの要因としては、気象条件だけでなく、バードストライクや機材、滑走路離脱遅れなどがある(次図)。
ゴーアラウンド総数543回の理由別割合(19年1~4月、20年5~12月)
同資料などを基に、ゴーアラウンドの日平均回数を可視化したのが次図。
ザックリ言えば、1つの滑走路で1日に1回程度、ゴーアラウンドが発生している。
4月4日の新ルートで発生したゴーアラウンドの要因は不明。
降下角3.45度の尻餅事故やハードランディングのリスクが指摘されてながら、コロナ減便のなか、国交省が強行している羽田新ルート。降下角3.45度でゴーアラウンドは増えるのか?
大田区の6月定例会の羽田空港対策特別委員会(6/15-16?)で確認することとしよう。
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