2月に実施された実機飛行試験では、半数のパイロットが3.45度の急角度で着陸体勢に入った後、着陸途中でより緩やかな3.0度に切り替えていたという。
実機飛行確認、航空各社3.45度着陸は5割(東京新聞)
航空各社が2月に実施した「実機飛行確認」で、原則通りの急角度(3.45度)で着陸した旅客機の比率は50%台後半程度にとどまったことを東京新聞が報じている。
羽田新ルート、急角度着陸5割台止まり 2月実機飛行 機長らに警戒感
通常より急角度着陸の羽田空港新飛行ルートの運用が29日から始まるのを前に、航空各社が2月に実施した「実機飛行確認」で、原則通りの急角度で着陸した旅客機の比率は50%台後半程度にとどまったことが分かった。
半数近い機長が安全性への考慮などから降下途中に着陸角度を変更。急角度への機長らの警戒感が浮き彫りになった。
(中略)計7日あった実機確認で412機が原則通りの3.45度の急角度で着陸体勢に入った。
しかし、国交省がこれらの旅客機を8カ所から測定したところ、急角度着陸を原則通り維持した旅客機は8カ所からの測定で50%台にとどまっていた。残りの旅客機は着陸途中でより緩やかな3.0度に切り替えていた。最も多い363機を調査できた東京都品川区地点からの測定では急角度を維持していたのは約56%だった。
日本航空と全日本空輸は今月上旬の記者会見で、実機確認した機長へのアンケートを公表。
日航は回答者53人のうち3.45度のまま着陸したのは約2割と説明した。松並(まつなみ)孝次機長は「より慎重な判断で(多くの機長が途中で)3.0度に変えたと認識している」と語った。全日空は回答者中「3.45度で降りた」と答えた機長は51人中2人。その2人も3.0度に切り替えた可能性があるとした。(以下略)
(東京新聞 3月28日)
実機飛行確認、3.45度着陸はJAL 2割、ANA 4%
東京新聞の記事によれば、実機確認したJAL・ANA機長へのアンケート結果では、原則通りの急角度(3.45度)で着陸したのは、JAL約2割、ANAに至ってはたったの4%でしかない(次図)。
騒音軽減のための降下角3.45度、有名無実化か
航空騒音軽減のためとして、国交省が打ち出した降下角を3.45度に引き上げる追加対策。尻餅事故や、ハードランディングのリスクが指摘されているなかで、明日(3月29日)から羽田新ルートの本格運用が始まる。
そもそも降下角を3.45度に引き上げたのは、騒音軽減は方便で、「横田空域」を避けるためだった疑惑が指摘されている。
米軍には「降下角3.45度の引き上げで、横田空域内のトラフィックと垂直間隔を確保しています」と説明する一方で、実際には3.45度で入ったあと途中で3.0度に下げることを容認するという、玉虫色の運用をしているということではないのか(次図)。
FAQ冊子6.2_P73に筆者がピンクを追記
玉虫色の運用の結果、降下角3.45度で入ったあと途中で3.0度に下げるという降下ルートが主になり、降下角3.45度を維持するルートは有名無実化するのではないのか。
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