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湾岸エリアのマンション市場動向|19年第4四半期

国土交通省は2月14日、全国主要都市の計100地区を対象に四半期ごとに実施している「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」<19年第4四半期>を公表。

19年第4四半期(19年10月1日~20年1月1日)の佃、月島、豊洲、有明といった、湾岸エリアの新築分譲マンションの価格動向を中心に、不動産鑑定士のコメントをピックアップしておこう。

ざっくり言うと、第1四半期から文章があまり変わっていない。


【佃・月島】新築マンション市況は好調

新築マンション市況は好調である。
中古マンションは一定数の在庫を抱えているが、取得意欲は旺盛な状況が続いており、高価格水準を維持している。

地価動向
  • 当地区は銀座等の都心への優れた接近性を備えるとともに、東京タワーや東京スカイツリー等のランドマーク施設や河川等に囲まれた変化に富んだ眺望が得られることから、分譲・賃貸ともに高層マンションの需要が強い。
  • 中央区基本計画2018」によると、当地区では今後10年で人口が約1.5倍に増加することが見込まれており、また、地区計画では良質な都心生活地としての複合市街地の形成を目的とした土地利用が求められており、当地区はさらなる発展が期待される。
  • 湾岸エリアでは新築分譲マンションの大量供給が控えているため、その影響を懸念する声も聞かれるが、マンション購入資金の融資環境が良好であること等が下支えとなり、新築マンション市況は好調である。
  • 中古マンションは一定数の在庫を抱えているが、取得意欲は旺盛な状況が続いており、高価格水準を維持している。
  • 再開発等による高層マンション開発の計画が地区内外で見られ、デベロッパーによるマンション開発素地需要は強く、取引利回りは低下傾向で推移しており、当地区の地価動向はやや上昇で推移した。
将来地価動向
  • 東京五輪開催日が近づきBRTのプレ運行が予定され、環状2号線が整備させる等、都市基盤整備による利便性の向上が期待され、再開発事業や五輪関連施設の建設も進んでいる。
  • こうした背景からマンション市況は好調を維持し、将来の地価動向はやや上昇が続くと予想される。

【豊洲】新築マンション価格上昇の動き

新築分譲マンションについては、マンション分譲価格上昇の動きが見られる。中古マンション市場においても需要者の購入意欲は底堅く、取引価格は安定している。

地価動向
  • 当地区は、マンション価格上昇の動きが一時期と比較して一段落する様子を見せていたものの、他の湾岸エリアと同様に需要者の購入意欲が底堅いエリアであることから、新築分譲マンションについては、マンション分譲価格上昇の動きが見られる。
  • 中古マンション市場においても需要者の購入意欲は底堅く、取引価格は安定している。
  • 湾岸エリアで大量供給が開始された分譲マンションの販売状況は良好であり、マンション開発素地の供給が極めて少ないこと等からデベロッパー等の素地取得意欲は継続して強く、取引利回りはやや低下傾向で推移している。
  • また、豊洲駅前の再開発地区では大規模商業施設の増床が決定しており、周辺のマンション市場にとっても前向きな材料となっている。
  • このような状況から、当地区の地価動向はやや上昇で推移した。
将来地価動向
  • 当地区は、利便性の高さからマンション需要は底堅く、当地区内の買換え需要を中心に当該需要は引き続き安定的に推移すると予想され、また、豊洲駅前の整備等を背景に今後もマンション需要の強まりが期待できることから、当地区の将来の地価動向はやや上昇と予想される。

【有明】マンション分譲価格上昇は一段落

マンション分譲価格上昇の動きが一段落する様子を見せている。

地価動向
  • 当地区では、一時期と比較してマンション分譲価格上昇の動きが一段落する様子を見せているものの、都心部に近いエリアと比較して相対的に割安感があり、地域の将来性も期待できる等から、依然としてマンション需要は堅調に推移している。
  • こうした要因はマンションの賃貸需要にも影響しているが、一方で賃貸物件の供給量は限定的であることから、マンション賃料は上昇傾向にある。
  • 建築費は高水準にあり、また周辺の湾岸エリアを含めて引き続き分譲マンションの大量供給が控えている等の懸念材料もあるが、国家戦略特区の認定を受けた大規模開発事業や東京五輪関連施設等の工事が進捗中で当地区は急速な発展を遂げつつあり、また、環状2号線の開通や銀座と有明を結ぶ地下鉄構想により都心部へのアクセス性向上が見込まれている等、その将来性を見据えデベロッパーのマンション開発素地取得意欲は依然として強い状況にある。
  • こうした背景から、当地区の地価動向はやや上昇傾向で推移している。
将来地価動向
  • 今後も東京五輪開催や将来性を背景にデベロッパーの取得意欲は強い状態が続くと見込まれることから、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くことが予想される。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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