元電通のコピーライター田中泰延氏の初の著作『読みたいことを、書けばいい』ダイヤモンド社(2019/6/13)を読了。
ブロガーにとって、学びの多い本である。
※マンションとは全く関係ない。
「随筆」の定義をはっきりさせる
著者によれば、ネットで読まれている文章の9割は「随筆」だという。著者はその「随筆」の定義を「事象と心象が交わるところに生まれる文章」としている。
定義をはっきりさせよう
(前略)一つひとつの単語の定義を忘れると、自分がいま書いているものがなんなのかが分からなくなってくる。「事象と心象が交わるところに生まれるのが随筆」という定義を見失って映画を評論すると、事象寄りに振れてしまえば映画のあらすじばかり書く状態に陥るし、心象寄りだと感想だけ書いて終わってしまう。
定義をしっかり持てば、自分がいま、なにを書いているかを忘れることはない。(以下略)
(P63/第1章 なにを書くのか)
※当ブログの記事は、そのほとんどが事象寄り。
ライターの考えなど全体の1%以下でよい
書くという行為において最も重要なのはファクト。ライターの考えなど全体の1%以下でよいという。
物書きは「調べる」が9割9分5厘6毛
(前略)書くという行為において最も重要なのはファクトである。ライターの仕事はまず「調べる」ことから始める。そして調べた9割を棄て、残った1割を書いた中の1割にやっと「筆者はこう思う」と書く。
つまり、ライターの考えなど全体の1%以下でよいし、その1%以下を伝えるためにあとの99%以上が要る。「物書きは調べることが9割9分5厘6毛」なのである。(以下略)
(P147-148/第3章 どう書くのか)
※「ファクトに基づかない記事は、たんなる感想文である」という私の思想と一致している。
本書の構成
全5章、271頁。
序章 なんのために書いたか
第1章 なにを書くのか
第2章 だれに書くのか
第3章 どう書くのか
第4章 なぜ書くのか