国交省は20年1月27日(月)から30日(金)の5日間、新宿駅西口広場イベントコーナーで、羽田空港の機能強化に関する展示を行う。
1月30日から旅客機による飛行検査が始まるので、都民が驚かないようこの時期に設定したのではないのか。
国交省はアリバイ作りの一環
国土交通省は12月20日、同省が運営しているサイト「羽田空港のこれから」に新宿駅西口広場における情報発信拠点の開設についての案内を掲載した(次図)。
羽田空港機能強化の取組をより多くの方々に知っていただくため、新宿駅西口広場に情報発信拠点を開設することといたしました。
開設場所・期間・時間の詳細は下表の通りです。ご自由にご覧いただけますので、この機会に是非お立ち寄りください。
この内容を読んで、情報発信拠点がいかなるものなのか分かるだろうか。情報発信拠点がどのよなものなのか知っている人にしか分からない。
そもそも、国交省はこの情報を同省HPの新着情報に掲載していないので、一般の人が気づくことはない。国民に”丁寧に説明”しているという、同省のアリバイ作りの一環とみられても仕方があるまい。
都は丁寧な説明
国交省とは異なる対応をしたのが東京都だ。
東京都が12月20日に報道発表した内容は、「羽田空港の機能強化に関する展示を行います」というようにタイトルからして分かりやすい。国交省がタイトルに使っていた「情報発信拠点」という意味不明な用語はどこにも出てこない(次図)。
1 展示期間及び時間
- 令和2年1月27日(月曜日)~1月31日(金曜日)午前11時00分から午後8時00分まで
※1月31日(金曜日)は午後4時00分まで2 展示場所
新宿駅西口広場イベントコーナーB1
3 展示概要
- 映像による機能強化の紹介ビデオ
- 音響装置による航空機の音の体験
- タブレット端末によるQ&Aの閲覧
- 「東京がもっと世界とつながる」ポスター 等
展示内容の詳細として、別紙1(情報発信拠点の案内チラシ)と別紙2(ポスター)も掲載されている(次図)。
都民が驚かないよう(?)実機飛行試験直前のパネル展示
都が発信した情報のほうが国交省よりも丁寧で分かりやすい。
ただ、本文中には気になる文言も掲載されている。
東京都では、国際競争力の向上や東京2020大会の円滑な実施のため、羽田空港の機能強化に向けた取組を国と協力して進めております。
このたび、この取組について、広く都民の皆様にお知らせするため、飛行機の映像や音を体験できる機器等による展示を行うこととなりました。多くの皆様のご来場をお待ちしております。
なお、国は、2020年3月29日から新飛行経路の運用を開始し、国際線を増便することとしております。
新宿の駅で羽田新ルートに係る展示が実施されるのは、今年度2回目(次表)。
羽田新ルートの運用開始は来年の3月29日。その前に、1月30日から旅客機による飛行検査が始まる。新宿駅上空900mを大型機が通過(C滑走路到着ルート)するときの地上での騒音レベルは約70dB。
今回の5日間の展示は、都民の頭上から航空機騒音が降り注いできても驚かないように「広く都民の皆様にお知らせするため」の激変緩和措置なのかもしれない……。
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