羽田新ルートに係る陳情が継続審査されている状態だと、本会議で羽田新ルートに係る一般質問はできないという某市議のリツイートが流れてきた。
「一事不再議の原則」とか「継続審査」とか、区議会議員にとっては常識かもしれないが、一般市民にとってはなかなか理解が及ばない議会用語だ。都議会の担当課へのメール照会結果を含め整理しておいた。
キッカケは某市議(共産)のリツイート
筆者が「目黒区議会第4回定例会(11/22、25)本会議一般質問で、 羽田新ルート を取り上げているのは14名のうちゼロ」であった旨をツイートしたところ、某市議(共産)から次のリツイートを頂戴した。
議会には「一事不再議の原則」があり、陳情が継続審査されている状態で本会議で一般質問はできないというのである。
目黒区議会サイトを見ると、6月7日に受理された『羽田空港の国際線増便計画の見直しを求める陳情書』が継続審査となっています。https://t.co/DabResaD3i
議会には「一事不再議の原則」があり、陳情が継続審査されている状態で本会議で一般質問はできないのです。
詳細は目黒の方に聞いて下さい。
同陳情書は、目黒区第3回定例会の都市環境委員会( 9月11日)でも賛成多数で「継続審査」となっている。ということは、同委員会で「継続審査」扱いを続けている限り、類似事案につき一般質問という目立つ舞台で取り上げることができないということになる。
目黒区議会においては、羽田新ルート問題が塩漬けにされているということなのか……。
一事不再議の原則とは
そもそも一事不再議の原則とは何なのか?
都議会HPに掲載されている「会議を運営する上での原則」には次のように記されている。
一事不再議の原則
議会で議決された事件は、原則として同一会期中に再び提出することができません。これも会議を能率的に運営していく上で重要な原則です。
標準都道府県議会会議規則等の第15条にも規定されている。
(一事不再議)
第15条 議会で議決された事件については、同一会期中は、再び提出することができない。
陳情事案が継続審査でも定例会本会議で一般質問されている事例があるのだが…
たとえば、第3回定例会で羽田新ルート関連の陳情事案が継続審査となった場合、第4回の定例会本会議一般質問で羽田新ルート関連を取り上げることはできないのだろうか? ここ数年、各区議会での定例会本会議一般質問を観測していると、そうでない状況が散見される。
たとえば、北区議会がそうだ。
北区議会では第3回定例会で次の陳情が継続審査(10月4日)となった(第4回定例会でも継続審査となっている)。
ところが、第4回定例会の一般質問では、永井区議(共産)が12月26日、次の項目を質問しているのである
【結論】都議会の議事課の見解
もやもやするので、都議会の問合せ先となっている東京都議会議会局 管理部広報課にメール照会してみた。
メールを出して3日後に、議事部議事課 委員会総括担当から、「第3回定例会で継続審査となった事件について、第4回定例会の会期中に審議をすることについては、議事運営上問題ございません」との回答を得た。
先日ご質問のあった件につきまして、回答いたします。
質問1:
たとえば、都議会第3回定例会で「〇〇の撤回を求める意見書提出に関する件」の陳情が継続審査になった場合、
一事不再議の原則が適用され、第4回定例会の本会議一般質問では〇〇の撤回を含んだ質問「〇〇について」をすることはできないということになるのでしょうか?
>「一事不再議の原則」とは、同一会期中に一度議決された事件については、再び提出できないとの議事運営のことをいいます。
よって、第3回定例会で継続審査となった事件について、第4回定例会の会期中に審議をすることについては、議事運営上問題ございません。
質問2:上記質問1に対応する回答は、区議会であっても同じなのでしょうか?
>区議会においてどのような議事運営を行うかにつきましては、恐れ入りますが、直接、当該区議会にお問い合わせください。
※都議会開催中の多忙なおり、メール回答に感謝。
少なくとも都議会では、陳情が継続審査になっても、定例会本会議で類似事案を一般質問できることが確認できた。
「〇〇区ではそうではないよ、特別なルールがあるんだよ」という区議がいらしたら、ご教示ください。
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