住友不動産が竣工済みの都内のマンションの引き渡し時期を延ばしているというツイートが流れてきた。
住友不動産がどのような物件の引き渡し時期を延ばしているのか調べてみた。
気になるツイート「住友不動産すごい・・・」
都心3区を中心に新築・中古マンションをウォッチされている方から12月2日、気になるツイートが流れてきた。
住友不動産が竣工済みの都内のマンションの引き渡し時期を延ばしているというのである。
住友不動産すごい。竣工済み都内マンションの引き渡し時期をまた延ばしている模様。
シティハウス四谷坂町:20年4月
ドゥ・トゥール:20年7月
シティタワー恵比寿、シティタワー・ルフォン九段の杜、ベイサイドタワー晴海、シティタワー銀座東:21年4月
・・・今年度中に入居できるの1つもない!
住友不動産、少なくとも9件の入居時期を延伸
住友不動産はどの物件の入居時期を延伸しているのか?
ライフルホームズで、住友不動産の23区新築マンションで検索すると44件がヒット(12月8日現在)。そのうち18年以降に竣工済み・竣工予定の物件は27件(18年10件、19年12件、20年5件)。
18年以降に竣工済み・竣工予定の物件27件のうち、「物件概要」に入居予定時期の延伸が注記されていたのは、次の9件。
- 【入居予定時期(変更前⇒変更後)】(完成時期、階建て、販売戸数/総戸数)
- シティテラス西日暮里ステーションコート
【20年4月下旬⇒20年7月下旬】(8年12月10日竣工、11階建て、4戸 / 122戸) - シティハウス千代田外神田
【20年4月下旬⇒21年4月下旬】(18年12月18日竣工、13階建て、7戸 / 93戸) - シティタワー・ルフォン九段の杜
【20年4月下旬⇒21年4月下旬】(18年12月19日竣工、19階建て、1戸 / 66戸) - シティハウス中野テラス
【20年4月下旬⇒20年7月下旬】(19年1月22日竣工、7階建て、6戸 / 68戸) - シティタワー銀座東
【20年7月下旬⇒21年4月下旬】(19年1月29日竣工、22階建て、44戸 / 492戸) - シティハウス赤羽レジデンス
【20年4月下旬⇒20年7月下旬】(19年1月31日、14階建て、6戸 / 39戸) - シティタワー恵比寿
【20年4月下旬⇒21年4月下旬】(19年3月6日竣工、23階建て、15戸 / 310戸) - シティハウス大塚
【20年4月下旬⇒21年4月下旬】(19年9月20日竣工、14階建て、2戸 / 75戸) - シティハウス中目黒サウス
【19年11月下旬⇒20年6月下旬】(19年11月下旬竣工、15階建て、5戸 / 69戸)
延伸理由は9件ともほぼ同様。「変更がございました」というだけで、変更理由には触れていない。
たとえば、シティタワー・ルフォン九段の杜の記載は次の通り。
本ホームページにおいて、下記に変更がございました。
お詫びするとともに訂正させて頂きます。
(誤)引渡予定日/2020年4月下旬
(正)引渡予定日/2021年4月下旬※ ご契約を頂いておりますお客様につきましては、各ご契約書約定日でのお引渡しに変更はございません。
住友不動産、中間決算として過去最高だから…
上記9件のうち、なぜ筆者が6件を朱書きしたのかお分かりだろうか?
住友不動産は3月期決算。引き渡し時期が決算期を跨いで延伸されている6件を朱書きしたのだ。
共同通信の記事によれば、三菱地所を除く大手不動産4社が増収、中間決算としては過去最高だったという。
不動産大手、4社が増収
不動産大手5社の2019年9月中間連結決算が12日、出そろった。堅調なオフィス需要などに支えられ、三菱地所を除く4社が増収だった。このうち三井不動産、住友不動産、東急不動産ホールディングス(HD)の3社は中間決算として過去最高。10月の消費税増税を前にした分譲マンションの駆け込み需要はみられなかったという。(以下略)
(共同通信 11月12日)
ちなみに、日経は8月8日、不動産5社の第1四半期決算において、「住友不動産の純利益は4~6月期としては4年連続で過去最高となった」と報じていた。
今回、決算期を跨いで入居時期を延伸していることが判明したのは9物件。1件(シティハウス中目黒サウス、19年11月下旬竣工)を除き、いずれも既契約者に対しては契約書約定日の引渡しに変更はない旨が注釈されていた。入居時期の延伸対象となる物件は、あくまでもこれから契約をする人に対して適用されるということ。
住友不動産が決算期を跨いで入居時期を延伸したのは、今期は最高益が見込まれているので、利益を次期以降に先送りしたということはないのか。もしそうだとしたら、金利が低いことも背景にあるのかもしれない。
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