全国紙は「羽田新ルート問題を適切に報じていないのではないのか」という疑問。
筆者は独自調査により、過去5年間、全国4紙(朝日・読売・毎日・日経)はこの問題をほとんど報じていないことを明らかにした(羽田新ルート|全国紙は適切に報じているか)。一方、地方紙である東京新聞は、地元ということもあり、羽田新ルート問題を積極的に報じている(羽田新ルート|東京新聞の記事(まとめ))。
東京新聞の過去記事が「@nifty 東京新聞記事情報」(有料)で閲覧できることが分かったので、2014年以降の同紙記事も調査し、全国4紙と比べてみることにした。
過去5年、「羽田新ルート」記事、5紙の件数を可視化
2014年以降の5紙の「羽田新ルート」記事の件数推移を可視化したのが次図。
国交省が説明会を開始したのが15年(第1フェーズ:7月~9月)。朝日は15年に増えるが、16年には減少し、17年にゼロとなる。読売・毎日も16年に若干増えただけ。日経は18年までは毎年2、3件。東京新聞は毎年コンスタントに報じている。
19年に入ると、5紙とも件数が激増する。
(検索キーワード「羽田」and「新ルート」でヒットした記事のうち、羽田新ルートに関連した記事のみを抽出した)
忖度する!?全国4紙、奮闘する東京新聞
2019年の5紙の記事件数の変化を可視化したのが次図。
2月に米国航空会社への増便枠をめぐる日経記事が目立つ。8月8日に石井前国交大臣が「羽田新ルート3月29日運用開始宣言」を出して以降、各紙の報道が増加。特に東京新聞が急増している。
なぜ、17・18年は記事件数が極端に少なくなり、19年8月8日以降増加したのか。
全国4紙が東京五輪のオフィシャルパートナーに決定した時期(16年1月22日)と無関係ではないのではないか。東京五輪と羽田新ルートとはセットなので、東京五輪のオフィシャルパートナーである全国紙(朝日・読売・毎日・日経)は羽田新ルート問題を報じることを避けている(忖度している)ということはないのか……。
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