東京都は9月20日、「都への提言、要望、相談等の状況2019」(平成30年度年次報告)を公表。
2018年度に都民の声総合窓口に寄せられた件数は約3万4千件。
都民から寄せられたのは「知事への声」が圧倒的に多い
都民の声総合窓口に寄せられた約3万4千件のうち、行政分類別TOP10の内訳を見ると、「知事への声」が2,618件と圧倒的に多い(次図)。
「知事への声」としては、児童虐待対応、豊洲市場開場や築地市場跡地利用、東京2020大会に関する意見が寄せられたとされているが、具体的な件数までは掲載されていない。
知事への声
知事への声は、児童虐待対応に関する意見、豊洲市場開場や築地市場跡地利用に関する意見、東京2020大会に関する意見が多く寄せられました。
(「平成30年度年次報告」P5より)
「知事への声」にみる小池都知事の浮き沈み
今回公表された年次報告には、「知事への声」の件数の推移が掲載されてない。そこで、都が毎月公表してきたデータをひも解き、可視化してみた(次図)。
小池都知事が誕生して3か月ほどは多かったのだが、その後激減。再び増加したのは、希望の党が結成された17年9月と翌月の衆議院議員総選挙(投開票日10月22日)。希望の党が不発に終わって以降、メディアの露出の低下と共に「知事への声」も減少。
18年6月に微増したのは、文藝春秋(7月号)に掲載された小池都知事の学歴詐称疑惑(カイロ大卒業)の影響ではないか。
また、19年3月に微増したのは、自民の二階俊博幹事長が3月4日の記者会見で小池氏の再選支援を表明し、小池氏が「大変ありがたい協力だ」と応じた時期に呼応している。
都政と関係のないところで「知事への声」が増えている現象。都民の一部がマスメディアの報じる「小池劇場」に踊らされている……。
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