港区議会交通・環境等対策特別委員会は9月24日、羽田新ルート関連3件の請願のうち、1件を採択。本会議でも採択されるのか……。
「港区上空飛行を固定化しないように国に求める請願」採択
港区議会交通・環境等対策特別委員会は9月24日、羽田新ルート関連3件の請願のうち、1件を採択、2件を継続審議とした。
- 請願元第6号:羽田空港増便による都心および港区の低空飛行ルート計画の撤回を含む再検討を国に求める請願【継続】
- 請願元第9号:羽田空港新飛行経路の港区上空飛行を固定化しないように国に求める請願【採択】
- 請願元第10号:羽田空港新飛行経路の港区上空飛行に備えた港区航空事故災害対策計画の策定を求める請願【継続】
本会議でも採択されるのか…
交通・環境等対策特別委員会は、次の9名で構成されている。
羽田新ルート推進派(自公・都民F:5名)が過半数を上回る。
※敬称略
- (共産)【委員長】風見
- (自民)【副委員長】土屋、池田、井筒
- (公明)なかね
- (都民Fと日本維新の会)琴尾
- (みなと政策会議)兵藤、なかまえ、七戸
今回の9号請願に係った紹介議員は次の15名。超党派で構成されている。
- (自民)井筒、うかい、清原
- (公明)杉浦、山野井、近藤
- (みなと政策会議)清家、兵藤、なかまえ、杉本
- (共産)熊田、福島、風見
- (街づくりミナト)玉木
港区議会のパワーバランスは、4月の統一地方選挙で推進派(自公・都民F)が減少したとはいえ、まだ5割を超えている(次図)。
本会議でも「港区上空飛行を固定化しないように国に求める請願」が採択されるか……。
自民の「採択」発言
今回、なぜ自公は「港区上空飛行を固定化しないように国に求める請願」の採択(≒賛成)に踏み切ったのか。
池田こうじ議員(自民党、区議4期、慶應修士、54歳)発言を確認しておこう。
自民党議員団でもこの請願について、いろいろ、答弁で議論させてもらいました。
質問で確認しましたように、現実に区民の皆さんの不安と、周知が足りないところも多々あるというのは事実でございますし、区長もそれについて、同じように表明しているとことであります。その一方で、わが国、そして東京の発展において、羽田の機能強化というのは自民党といたしましても充分理解するところでございます。
今回この固定化ということでございますが、狭義、広義、いろいろな意味で固定化という捉え方ができると思います。請願者の方からもお話もありましたように、自民党議員団からも理解と提案をしたところでございますが、地方創生の一環のなかで地方空港の活用をもっと進めるべきではないかということもありますし、また、まだまだこの短期間、技術革新や先ほどご提案ありました管制手法もまだまだ詰めるところもあろうかと思います。
オリンピック・パラリンピック以降、この機能強化を続けるという表明をしているということではございますが、そういったいろいろな明快案も含めて、この「請願元第9号 羽田空港新飛行経路の港区上空飛行を固定化しないように国に求める請願」については、自民党議員団といたしましては「採択」したいと思います。
雑感(固定化しない!?)
今回、自公も採択(≒賛成)した請願のタイトルの「固定化しないように国に求める」という表現がなんとも微妙。
池田議員(自民)も「狭義、広義、いろいろな意味で固定化という捉え方ができる」と説明している。「固定化しないよう国に求める」ということは、現在進められている新飛行ルート計画を容認しているようにも読める。
品川区議会では「19年第2回定例会」(6月27日)、区の固定化発言が、計画容認ではないかと物議をかもした。さらに、東京都が7月30日に開催した「羽田空港の機能強化に関する都及び関係区市連絡会(第1回)」では、品川区の「現飛行ルート案を固定化」しないでほしいという要望に対して、国交省は「継続的に検討してまいりたい」と回答(お役所言葉としては「何もやらない」、すなわち現飛行ルート案を変えるつもりはないと同義)。
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