東日本不動産流通機構は9月10日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート」(8月度)を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比プラス12.2%の2ケタ増となり、8月としては1990年5月の機構発足以降、過去最高となった。成約m2単価は前年比で3.4%上昇、成約価格も同4.3%上昇し、ともに7ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比プラス0.9%であった。
地域別動向
- 成約件数は多摩と神奈川県他を除く各地域が前年比で増加し、東京都区部は7ヶ月連続で前年同月を上回った。成約m2単価は横浜・川崎市と神奈川県他を除く各地域が前年比で上昇し、東京都区部は8ヶ月連続で前年同月を上回り、千葉県は5ヶ月ぶりに前年同月を上回った。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
成約単価・在庫件数・成約件数の推移(首都圏)
首都圏の中古マンションの成約単価は、新築マンションに引っ張られるように13年4月頃から上昇し、17年4月に50万円を突破。その後は鈍化(次図)。
19年8月の成約単価は53.88万円(前年同月比3.4%増)。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
首都圏の中古マンションの在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる(次図)。
首都圏の中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。
8月の成約件数2,584戸は、前年同月比で12.2%増。
首都圏の成約単価は鈍化、在庫件数は増加傾向を示すなか、成約件数は前年比で12.2%増加(次図)。
今後、中古マンションの需要が増加に向かうのか、減少に向かうのか目が離せない。
成約単価・在庫件数の推移(1都3県)
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、18年3月(70.21万円)以降、70万円前後で足踏み状態が続いている。
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる。
成約単価・在庫件数の推移(23区)
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
23区では、次の順に成約単価が高い傾向が見られる。
- 都心3区>城西>城南>城北>城東
都心3区の成約単価は、最高値(18年8月:119.37万円)が1年ぶりに塗り替えられた(19年8月:119.62万円)。120万円を目前に足踏み状態が続いている(次図)。
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、概ね高水準を維持。
まとめ
- 首都圏
成約単価は、新築マンションに引っ張られるように、13年4月頃から上昇し、17年4月に50万円を突破した後は鈍化。在庫件数は増加傾向。成約件数は前年同月比12.2%増。 - 都内
成約単価は、18年3月(70.21万円)以降、70万円前後で足踏み状態。在庫件数は増加傾向。 - 都心3区(千代田、中央、港)
成約単価は、18年8月にピーク(119.37万円)を記録したあと120万円を目前に足踏み状態が続いている。
あわせて読みたい