東日本不動産流通機構は8月13日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート」(7月度)を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比で2.7%減少し、9ヶ月ぶりに前年同月を下回った。成約価格は前年比で1.8%下落し、4ヶ月ぶりに前年同月を下回ったが、前月比は上昇した。土地面積は前年比マイナス1.2%、建物面積は同マイナス3.0%であった。
地域別動向
- 成約件数は横浜・川崎市と神奈川県他、千葉県が前年比で減少し、神奈川県他は2ケタ減となった。成約価格は東京都区部と多摩が前年比で下落し、埼玉県は6ヶ月連続で前年同月を上回った。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
成約単価・在庫件数・成約件数の推移(首都圏)
首都圏の中古マンションの成約単価は、新築マンションに引っ張られるように13年4月頃から上昇し、17年4月に50万円を突破。その後は鈍化(次図)。
19年7月の成約単価は53.51万円(前年同月比2.6%増)。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
首都圏の中古マンションの在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる(次図)。
首都圏の中古マンションの成約件数の推移を次図に示す。
7月の成約件数3,233戸は、前年同月比で3.0%増。
首都圏の成約単価は鈍化、在庫件数は増加傾向を示すなか、成約件数は前年比で3.0%増加(次図)。
今後、中古マンションの需要が増加に向かうのか、減少に向かうのか目が離せない。
成約単価・在庫件数の推移(1都3県)
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、18年3月(70.21万円)以降、70万円前後で足踏み状態が続いている。
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる。
成約単価・在庫件数の推移(23区)
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
23区では、次の順に成約単価が高いことが分かる。
- 都心3区>城西>城南>城北>城東
特に、都心3区の成約単価は、18年8月にピーク(119.37万円)を記録したあと120万円を目前に足踏み状態が続いている。7月は116.49万円。
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、減少し始めたか……。
まとめ
- 首都圏
成約単価は、新築マンションに引っ張られるように、13年4月頃から上昇し、17年4月に50万円を突破した後は鈍化。在庫件数は増加傾向。成約件数は前年同月比3.0%増。 - 都内
成約単価は、18年3月(70.21万円)以降、70万円前後で足踏み状態。在庫件数は増加傾向。 - 都心3区(千代田、中央、港)
成約単価は、18年8月にピーク(119.37万円)を記録したあと120万円を目前に足踏み状態が続いている。