東京都は11月30日、「第22回捨て看板等の共同除却キャンペーン」の実施結果を公表。
9月1日(土曜日)から10月31日(水曜日)にかけて20区市で、警視庁・地元警察署や都民団体(町会・商店会等)などの協力で3,117枚を除却(=撤去)したという。
除却した看板等の枚数の内訳が種類別・業種別に公開されている。過去の公開データも交えて可視化してみた。
捨て看板は不動産業の「はり紙」が大半を占めている
捨て看板の除却枚数の推移を業種別にみると、不動産業が圧倒的に多い。除却枚数は減少傾向にあるものの、いまだ3千枚近い(次図)。
捨て看板の除却枚数の推移を種類別にみると、はり紙が圧倒的に多い。18年度は2,607枚。
ようするに不動産業のはり紙が「捨て看板等」の大半を占めているという状況である。
過料5千円を5万円に引き上げるだけで改善!?
インターネット広告全盛の時代なのに、なぜ不動産業界では、いまだに捨て看板というアナログ広告が用いられているのか? 費用対効果が大きいからに違いない。
都の「屋外広告物等に係る行政処分要綱」では、「繰り返し是正指導等を行った後においても条例違反が是正されない場合又は是正される見込みがないと認める場合に」(第5条)ようやく過料処分の対象となる。ただし、その場合の過料はたったの5千円(第7条)。この程度のペナルティでは捨て看板はなくなるまい。
2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、大金を投じで電線の地中化を推進することも大事だが――、美観を損ねる捨て看板のほうは、過料を5万円(地方自治法14条3項による上限)に引き上げるだけで、税金を投じることなくかなり改善できるのではないか。