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羽田新ルート|品川区議会「第3回定例会」質疑応答

品川区議会の「平成30年第3回定例会」本会議一般質問(10月25日、26日)で、羽田新ルートに関して、松永よしひろ議員(国民民主党)、鈴木ひろ子議員(共産党)、筒井ようすけ議員(無所属)の質疑応答があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約1万1千文字)しておいた。

※以下長文なので、時間のない方は「質疑応答のポイント」をお読みください。


質疑応答のポイント

松永議員(国民)×区長

松永よしひろ議員(国民民主党)
松永吉洋区議(国民民主、区議2期、元ビッグカメラ勤務、福岡大学修士、36歳)

松永:(周知徹底のために)資料を全戸配布

はじめに羽田空港機能強化について質問いたします。
国土交通省から新飛行ルート計画案が公表されてから約4年が経過いたしました。その間、区民への周知、そして理解を得るために、第1フェーズから第4フェーズまでオープンハウス型の説明会が行われ、参加された人数は約3300名とお聞きしております。そこで様々な意見や要望が出されていることと伺っております。そこで質問いたします。

羽田空港新飛行ルート計画の周知についてですが、本区として国土交通省が行っているオープンハウス型説明会の実施回数や方法について十分であると考えておられるのか伺います。

そして先程の説明会参加者数から判断しますと、まだまだ不十分ではないかと考えます。そこでさらに周知を徹底し理解を深めるためには、羽田空港機能強化の内容を掲載した資料を全戸配布するなどの方法が最も効果的ではないかと考えますがいかがでしょうか。
また本区はこの方法について、どのように考えておられるのか合わせて伺います。

そして今後においても、国、東京都との対話は必要であると考えております。そこで本区は現在国、都とどのように交渉されているのか、現状と今後の見通しについて伺います。

次に今後の取り組みについてです。
この新飛行ルート計画案について区民より様々なご意見を伺っております。もし品川区内の上空を飛ぶことになれば、騒音や落下物などの被害が起こるのではないか。また品川区内上空を飛ばない方法、いわゆるルート変更はできないのかなどです。
区民の安全・安心な環境を維持していくためには、こうした問題をクリアしていかなければならないと考えております。

そうしたなか、今月の4日にこの新飛行ルートに関し新たな動きがありました。新聞報道によりますと、日本政府は羽田空港の発着便を増やすために新たな飛行ルートを検討しているが、在日アメリカ軍は関東地方上空の飛行ルートを拒否しているとの記事が記載されていました。なぜ今頃このような問題が起こってしまったのでしょうか。それは首都圏上空の横田空域があるからです。

報道によりますと、日本政府は羽田空港の新飛行ルートとして、横田空域の1部を利用する案を提示したが、アメリカ側は「上空通過や日本の管制を全て拒否する」と返答があったそうです。この横田空域は1都8県にも及ぶ広大な管理区域で、アメリカ空軍の管制下となっており、民間航空機であっても当該空域を飛行する場合は米軍による航空管制を受ける必要があり、戦後から今日まで飛行ルートが全く使えない状態になっております。
こうした問題は国の仕事になりますが、本区として今後国の動きを見据えて方向性を決めていかれると思います。この(横田空域)問題についてどのように考えておられるのか伺います。

濱野区長
濱野健 品川区長(無所属、4期、元品川区助役、早大卒、71歳)

区長:国に対してより効果的な周知を引き続き求めていく

私からは羽田空港の機能強化についてお答えを申し上げます。
はじめに「計画の周知について」ですが、国はこれまでも複数回にわたる説明会の開催や町会回覧板を活用したニュースレターによる周知などを行ってまいりました。
しかしながら、「そもそも計画を知らない」「計画は知っているが、もっと詳しい内容を教えて欲しい」という声が未だ区民より届いており、区といたしましても今までの国の取り組みは不十分であると捉えております。
引き続き国に対してより効果的な周知として教室型を含む様々な方法による説明会の開催や新聞の折り込みチラシなどによる情報発信、区内への情報発信拠点の設置など、引き続き求めてまいります

次に、「横田空域」につきましては、国は当初定めた案の通り、必要な調整を進めて行くとしております。国際交渉に関しましては国が担う役割ではありますが、区として引き続き動向を注視してまいります。

鈴木議員(共産)×都市環境部長

鈴木ひろ子議員(共産党)
鈴木ひろ子議員(共産、区議5期、元看護師、長野県公衆衛生専門学校卒、64歳)

鈴木:“オール品川”で羽田新ルート撤回の実現の先頭に立つべき

はじめに、「区長選挙で示された民意は『羽田新ルート撤回』。安全・安心を最優先というなら、撤回を国に求めよ」です。

大崎のマンションに住んでいる若いママは、出産を機に教育や保育の制度や環境などを熟慮して大崎での子育てを選択したとのこと。周りのママ友にも同様に結婚や出産を機に品川のマンションに移ってきた人がたくさんいるそうです。
羽田新ルート計画によって、騒音や落下物、大気汚染、墜落などの深刻な事態になることを知り、国交省の説明を聞いても納得いかず、「国はなぜこんなひどい計画を住民に押し付けるのか。人生設計を狂わされる。今回の区長選挙では新ルート計画撤回を公約する区長を選びたい」と多くのママ友に話し、「選挙に行こう」と訴えたといいます。

区民の命と暮らしにも重大な危険が伴う新ルート計画に各候補者がどう対応するのかが大争点とマスコミも報じました。
選挙の結果は3名の候補者のうち、羽田新ルートの撤回を掲げた2人の新人得票数合計は投票総数の52%、半数を超えました。一方、「羽田の空路変更は何よりも区民の安全・安心を最優先」と選挙広報に書いた濱野区長は、羽田新ルートについて街頭では一言も語りませんでした。
この選挙で示された区民の意思は、多くは「撤回」であり、少なくとも何よりも安全・安心が最優先で対応すべきであり、安全・安心が保障されなければ了承しないということではないかと考えます。

質問です。濱野区長の選挙公約「羽田の空路変更は、何よりも安全・安心を最優先」とは、「安全・安心が保障されなければ、この計画は撤回を求める」ということか伺います。
選挙の結果、「羽田新ルートは住民の理解は得られていないことを区長は認めるのか」伺います。

区長は昨年11月のタウンミーティングで、自ら国交省に出向いて「大事な国策だから甘受する」と容認の意思を表明していたことを初めて明らかにしました。

ところが、このことについて、議会では答自分で答弁せず、代わりに「新ルートは了承していない」と部長に偽りの答弁を繰り返させ、この事実を区民にも議会にも隠してきました。

今度の選挙中にも街頭では公明党都議が区長は「絶対に容認していない」と声高に擁護しましたが、区長は自らは一切語りませんでした。
ところが、濱野区長は選挙直後の就任会見では、「インバウンド拡大のためには一自治体が反対するわけにはいかない」と述べました。これは重大な公約違反です。

選挙広報では「何よりも安全・安心を最優先」と言ったのに、選挙の投票箱が閉まり、当選が決まった途端に「インバウンド拡大のために、いわゆる外国人旅行者を増やすために容認する」と公約の内容をひっくり返したのです。

「安全・安心が最優先」と言いながら、住民犠牲の経済発展が最優先。こんな区民騙しは断じて許されません。
さらに濱野区長は、「騒音が少ない機種の仕様や、品川では高度を保つよう国に申し入れる」と語りました。品川区上空を高度を保ち、羽田空港直前で急降下させるやり方は、真下で暮らす住民とともに、飛行機の乗客をも危険にさらすものです。

濱野区長はなぜ「飛ばすなというのは現実ではない」と考えるのか理由を伺います。
また、「高度を保って、直前で降りる飛ばし方」とはどういうことか伺います。
その安全の根拠を示してください。

国交省が公開した交渉記録から、区長が2年も前に国交省に出向き、区民に隠れて国の計画に理解を示し、国から感謝されていたことが明らかになっています。
しかし、このときの交渉記録を区は「不存在」としています。これでは区長の政策決定過程を検証することができません。区長は国交省との交渉記録を作成してこなかったことを反省し、今後は交渉記録を詳細に公文書として残し、区民に公表すべきです。いかがでしょうか。

区長選直後にNHKが米軍の横田空域に関わって、「米軍の調整が日米の調整が難航し、運用できない恐れ」と報じました。羽田新ルートが横田空域を通過する問題は、計画発表時の4年前から安全性に懸念が示されており、国交省は米軍と調整していくとしていました。
日本の区域の1部が米軍に侵害されていることは重大ですが、今になって調整ができずにいるということは、この新ルート計画がいかにずさんで乗客の危険をも顧みない無謀なものだったかを示すものです。羽田新ルートが横田空域に関わって運用できない恐れがあることを国交省から説明を受けたのか、どのような回答をしたのか伺います。

区長選挙を通じて、羽田新ルート問題がさらに多くの区民が知ることとなり、知れば知るほどこの国の無謀な計画に「絶対飛ばしてならない」と反対世論が急速に拡がっています。この新ルート計画は実施されれば、区民の安全・安心はもとより、品川区の経済発展にとっても、さらに子育て・福祉にとっても重大な障害になることは明らかです。

この計画を止めるために区民の審判が示された今こそ政治的立場を超えた“オール品川”の力で安倍政権に立ち向かっていくべきだと考えます。
濱野区長は羽田新ルート計画容認の姿勢を改め、撤回を国交省に伝え、幅広い市民、政党、様々な企業、各種団体など、“オール品川”で羽田新ルート撤回の実現の先頭に立つべきだと思いますが、いかがでしょうか。

都市環境部長

部長:引き続き国に強く求めてまいります

私からは羽田空港の機能強化についてお答えいたします。

はじめに、「区民の安全・安心について」ですが、国は今年の8月に航空会社が遵守すべき「落下物防止基準」を公表し、事業計画への安全対策の位置づけが義務化されました。
区は落下物を万が一でも発生させないことは重要な課題であると捉えており、区民の安全・安心を最優先に位置づけ、さらなる予防策の検討を国に引き続き強く求めているところでございます。

区としましては、国から新ルート案が示されてから今日まで一貫して国に対し、騒音や安全性について、徹底的な対策を具体的に示し、地域に対して丁寧にきめ細やかな説明を行うよう強く求めてまいりました
国策として行うのであれば、区民の理解については国の責任においてしっかりと地域に対して説明を行うべきであり、引き続き国に求めてまいります。

次に、「新飛行ルート案に対する区の考え方」ですが、日本の経済・社会を維持発展させていくために、羽田空港の機能を強化をすることとした国の考えには一定の理解を示しているもので、新飛行ルート案自体について容認しているものではございません

また、航空機の飛行高度につきましても、騒音軽減に向け低騒音機の導入などとともに、様々な視点での取り組み、検討を国に求めているものでございます。

次に、国との面談の記録についてですが、今後も適宜、適切に実施してまいります。

次に、「横田空域について」ですが、国は引き続き必要な調整を進めていくとしております。国際間の交渉は国が担う役割ではありますが、区としましてもその動向について注視してまいります。

区としましては、国の責任においてさらなる具体的な対策を示し、広報や説明会など、地域におけるきめ細やかな対応を行うよう引き続き国に強く求めてまいります

鈴木:濱野区長が質問に答えてください

羽田の問題です。すべての項目、私の質問に全く答えていません

この羽田の問題は、区長選で大争点になりました。にもかかわらず、まるで区長選がなかったかのような答弁でした。少なくとも、特に以下3点の質問に対する答弁をしていただきたいと思います。

まず1つ。濱野区長の公約「羽田の航路変更は何よりも安全・安心を最優先」とは「安全・安心が保障されなければ、この計画は撤回を求める」ということか

2つ目。選挙の結果、「羽田新ルートは住民の理解は得られていない」ということを区長は認めるのか

3つ目。「高度を保って、直前で降りる飛ばし方」というものはどういうことか。その安全の根拠は何か。

これは濱野区長の公約です。そして濱野区長の記者会見などでの発言です。部長が答えられるものではないと思います。区長しか答えられません。ぜひ濱野区長が質問に答えてくださいよろしくお願いします。

部長:引き続き国に対して強く求めてまいりたい

私から羽田空港の機能強化についての再質問にお答えいたします。
はじめに「飛行経路と安全保障」についてですが、この安全保障というのは、区も国に対して、落下物が万一にも発生させないような取り組み、これは最重要であるということを伝えております

そういった意味からしまして、国が今後さらに何も対応しないということになれば、区としても納得しかねるわけでございますけれども、現在国は様々な取り組みを行っていて、逐一公表されているところでございます。

従いまして安全の保障は、国が保障するものであって、区は万全の対策について求めていく立場でございますので、これは引き続き国に対して強く求めてまいりたいと考えております。

それから「住民の理解」でございますけれども、この住民の理解も、国がしっかりと国の責任において理解を得るものというふうに考えております。

区といたしましても地域の皆様方の理解が少しでも深まるように様々な方法を使って、国に対して丁寧な説明をしていただくように求めているところでございます。

そういったなかでは、例えば教室型説明会を始めとする様々な説明の形態、また広報誌を広く使った説明、それから情報発信拠点の設置など、こういったものを求めているところでございます。
引き続きこういった取り組みに対して、国に対して強く求めていく所存でございます。

また、「高度を保った降り方」というところでございますけども、これは可能な限り高い高度をギリギリまで保ちまして、滑走路には高度ゼロで着陸するわけでございますけれども、その間の距離がなるべく少なくするような飛び方ができないかどうかということを国に対して質問しているものでございます。

従いまして、安全の根拠ではなく、これは騒音に対する配慮といったものに対して求めているものでございます。

国からは「検討」というところで、まだ回答は来ておりませんけれども、様々な区民に対する騒音環境影響の低減についての提案を増やす質問を国に対して引き続き求めてまいりたいというふうに考えてございます。以上でございます。

鈴木:(区長は答弁をせず)このまま逃げ続けるつもりでしょうか

羽田問題ですが、再質問にも区長は答えませんでした。大変残念です。

選挙中、大争点になった問題です。この問題。そして濱野区長が区民に公約したことです。選挙後に記者会見したことも、濱野区長自身が記者会見したことです。これに一切答えないと。私は直接区民に語るべきではないかと思います。選挙中は、羽田が大争点とマスコミでも報じられました。

濱野区長は街頭で、しかも一言も訴えられませんでした。それなのに当選してしまえば、「安全・安心が最優先」と書いて公約には掲げたにもかかわらず、それを守らずに、「一自治体として反対するわけにはいかない」と、こういう容認発言をしたわけです。しかし、今日の議会での答弁でも、部長は「容認はしていない」と部長は答弁しました。
こんな二枚舌は、私は許されないと思います。(部長による代弁ではなく)直接、濱野区長、答えてください。

さらにですね、「高度を保って、直前で降りる」。これはテレビでも、それから記者会見でも、何度も濱野区長が言われています。しかし、これは専門家に言わせれば「品川区ではあり得ないことだ」と言われました。品川区で何の根拠があって発言しているのか、これぜひとも区長答えてください。

それから議会では区長自らが一切答弁していません。このまま逃げ続けるつもりでしょうか

区長選での濱野区長自身の公約、記者会見での濱野区長の発言にも責任を持たないということなのか。これで39万人区民の命と暮らしにどう責任を取るつもりなのか、改めて濱野区長に質問に対する答弁を求めます

部長:(国に)求めていくという姿勢は変わるものではございません

私から羽田空港の再々質問にお答えいたします。
まず、「区としての姿勢」は、国に相対したとき、区民の立場に立って国に対して様々な環境影響に対する低減策について求めていくという姿勢は、これはもう一貫してこれまでも守ってきたものですし、これからもその立場は変わるものではございません

また、「高度について」のご質問ですが、これは国に対して区やあるいは区民の声を届けるときに「教室型の説明会をやってほしい」ですとか、あるいはこの国の案が当初発表されたときには「他に経路はないのか。様々どのような経路について検討したのか」そんな基本的な質問などをしてまいりました。
そういったなかから、この高度につきましても、専門的な分野に入るかもしれませんし、区としてもそういった専門知識について乏しいかもしれませんけれども、様々な可能性について国に対して区民の立場に立って環境影響が可能な限り低くなるような方策について、区からも質問や求めをしていくこと、これは区の姿勢としてはもっともであるというふうに考えてございます。以上でございます。

筒井議員(無所属)×都市環境部長

筒井議員(無所属)
筒井洋介議員(無所属、区議1期、日大法科大学院卒、39歳)

筒井:国交省に対し、羽田新飛行ルートの撤回を求めるべき

1つ目の質問は羽田新飛行ルートについてです。

国土交通省が訪日外国人の増加とそのための利便性向上を目指して、羽田空港国際線増便を行いたいがために南風時の15時から19時の間、1時間44回、つまり約1分半おきに品川区低空を航空機が飛行するという羽田新ルート案の問題です。

この新飛行ルートが実現してしまうと、約80デシベルの騒音、航空機からの落下物、テロ・ハイジャックなどによる墜落、そしてお住まいの不動産価値の約30%もの下落という「4つのリスク」に区民はさらされることになります。
そして、現状のままでは区民や区とってノーメリットといえます。「品川区はうるさくて危ない街」という低評価を受け、品川ブランドを傷つけることになってしまいます。

後に述べる横田空域の問題も出てきており、新飛行ルートの実現が不透明なってきている状況ですが、いま述べた「4つのリスク」とノーメリットという事態に、多くの区民は怒りと不安に駆られており、「羽田新飛行ルートを撤回、反対すべき」という声が高まっております

8日に発生したエールフランス機の品川区を含む都心低空飛行でも多くの区民の驚きと怒りの反応がありました。

先日の品川区長選挙においても、羽田新飛行ルート撤回を公約に掲げる新人候補が2名おりまして、その2名の合計得票数は53,847票であり、撤回を公約に掲げていない濱野区長の49,965票を上回りました。つまり、羽田新飛行ルートの撤回を望む区民のほうが多いということです。

また、濱野区長も区長選最終日に、ご自身の選挙カーに羽田新飛行ルート反対の旨のステッカーを貼っていたと聞き及んでおりますし、ご自身のホームページにも「粘り強く空路変更も含め国交省と交渉する」とあります。
そういったことからか、濱野区長を支持された区民の方のなかにも羽田新飛行ルートに反対する方が相当数いたという調査結果も出ております。

新飛行ルートを容認する区民も、積極的容認ではなく諦めに近い消極的容認のほうが多いように見受けられます。したがって、いずれにせよ大手を振って賛成する区民はほとんどいないと考えられます。ぜひこのような状況、区民の民意を踏まえて以下の質問にお答えをお願いします。

区長選挙の結果だけでなく、改めて確固たる区民の羽田新飛行ルートに対する民意を問うために区主催で羽田新飛行ルートについての区民アンケートを実施するべきだと考えますがいかがでしょうか。

また、再三国交省に対して、議会や区でも要望している羽田新飛行ルートについての教室型説明会が行われていません。そこでもはや国交省の対応を待っても埒が明かないので区主催で、国交省の担当者を呼んでの教室型説明会の開催を行うべきと考えますがいかがでしょうか。それぞれご見解をお知らせください。

また、新飛行ルートは、在日米軍の横田基地が航空管制を担当している横田空域を一時的に通過することになります。このことから国は航空機の横田空域の通過と航空管制の担当を要求しましたが、アメリカ側は「横田空域の通過と日本による航空管制を認めない」との考えを示しており、アメリカ側との協議が難航しており、こう着状態が続いております。

この状況を好機と捉え、先に述べた通り、ほとんどの品川区民は反対しているという状況を伝え、国交省に対し、羽田新飛行ルートの撤回を求めるべきだと考えますが、いかがでしょうか。

また、騒音や落下物などの具体的対策が不十分であり、教室型説明会が1度も実施されないなど、区民への説明周知も決定的に不十分です。これは区も議会も共通の認識だと思います。

区は最近の答弁で、「騒音・落下物等の対策や説明周知が不十分な状況が続くとルート見直しを求めることを含めて納得しかねる」ということを述べておられます。

しかし、仮に新飛行ルートが実現するとなると、来年の暮れあたりには新飛行ルートの正式決定がなされるとも言われております。今までの国交省の態度を見るとこの時期までに具体的対策や説明周知が不十分な状況が解消されるとは到底思えません。区はこのような現状をどう認識されているのでしょうか

そして、もう実現までの時間がないなか、今まさに国交省に納得しかねる、すなわちルート見直しを伝えるべきだと考えますがいかがでしょうか。それぞれご見解をお知らせください。

また、濱野区長は区長選事に公約として「羽田新飛行ルートに対しては、何よりも区民の安全・安心を最優先」と掲げておられましたが、どのようにそれを実行されるのか具体策をお知らせください

また、横田空域の問題は羽田新飛行ルートが実現してしまうのか否かの鍵を握るものです。横田空域の問題については敏感にアンテナを張り、積極的に情報収集を行っていただきたいと考えますがいかがでしょうか。

また、2年前の国交省と区との新飛行ルートをめぐる面会交渉の記録が国交省側にはあるが区にはないということが大変大きな問題となりました。

羽田新ルート問題は区民にとって非常に重大な問題であるので、今後は区は国交省との交渉について、区民と議会に対して適宜、適切に情報公開をするべきと考えますがいかがでしょうか。それぞれご見解をお知らせください。

都市環境部長

部長:丁寧かつ具体的な説明を行うよう(国に)求めているところ

はじめに、羽田空港の機能強化につきまして、「区民アンケートや教室型説明会の実施」についてですが、国策として進める国は国の責任において実施すべきものであると考えております。

次に、「横田空域」につきましては、国際間の交渉に関しては国が担う役割でありますが、区としましても都との連携を図り、必要な情報を収集してまいります。

次に、「国の説明・周知」につきましては、これまでも複数回にわたる説明会やニュースレターなどを通じ、落下物などの安全対策や騒音対策が示されてまいりました。

しかしながら区民より「計画を知らない。詳しく教えてほしい」という声が区に届いており、区としましても、いままでの国の取り組みが十分とは考えておりません

引き続き様々な手法によるきめ細やかな周知と丁寧かつ具体的な説明を行うよう求めているところでございます。

また、低騒音機のさらなる導入の促進や本年8月に改正された「落下物対策に係る関係法令」の運用の徹底など、区民の安全・安心を最優先に国へ強く求めてまいります

次に、「国との面談の記録」についてですが、今後も適宜、適切に実施してまいります。

筒井:「安全・安心を最優先」の中身?

いくつかの羽田についてなど、ちょっとご答弁いただけなかった点があるんですけれども、「安全・安心を最優先」の中身なんですけども、この具体策が聞かれないのでもう一度ご答弁をお願いしたい。

部長:具体的に示すように国に強く求める

はじめに羽田空港の機能強化につきまして、「安全・安心第一」というところの具体策についてでございますけれども、現在国におきましては落下物、それから騒音などの環境影響につきましては可能な限りの対策を講じたいというところで、区も強くそれを求めているところでございます。

そんななかでは実際に現在におきましては、安全基準を定めて、これを国際便等の航空会社に対して遵守するように求めたりですとか、また騒音につきましては、料金体系の見直しによって大型航空機の料金が高くなるようなそういった低騒音機を誘導するような料金体系、こういったものを具体的にやってきているというところでございます。

ただ、区といたしましても区から具体的な国に対して提案ということは非常に難しいとは考えますが、これだけでは十分とは考えてはおりませんので、引き続き、さらなる環境影響への低減策について具体的に示すように国に強く求めるというところで、安全・安心について、区は国に対して第一優先として要望として伝えていくというところでございます。

筒井:粘り強く空路変更も国交省に求めるという交渉をすべき

「区民の安全・安心を最優先」についてなんですけども、ご答弁いただいたなかで、全て国に全部委ねるようなふうのご答弁でしたけれども、ただ、昨日と選挙終了後の区長の記者会見では、高度を上げるなど、そういったご答弁もあったと思われます。

区として最優先とおっしゃるんでしたら、やはりそれはたとえ一般住宅の防音措置など――私としては区民の安全・安心最優先というのは撤回しかないと思ってますけれども――その一般住宅の防音処置など、そういったことなど、飛ぶんでしたらそういったことかなと思うんですけれども、他にはそういった具体策はないのかということと、また、先程のご答弁で「十分ではない」と、「国の対策は十分ではない」というご認識でやられたんですけれども、区長のホームページには「粘り強く空路変更も含めて国交省と交渉する」ということがありましたので、十分でなかったらまさにホームページでおっしゃる通り、粘り強く空路変更も国交省に求めるという交渉をすべきだと思うんですけれども、その点についていかがお考えなんでしょうか。

部長:様々な方法につきまして国の責任において行っていくべき

「安全・安心が第一」というところでございますけれども、先ほど議員のほうから例示のありました住宅の防音対策、これも先ほど私は例示として挙げたのは、落下物や騒音対策ということで総括したことで申し上げましたけれども、具体的にはそういうことにもなろうかと思います。

様々な方法につきまして国の責任において行っていくべきものでございますので、これは区としてはそういった環境影響に対する最小限になるような低減策、こういったものを可能な限り国の責任において実施していただくように、区として強く区民の立場に立って区民の要望も伝え、そして区の要望を伝えるべきというふうに考えてございます。

雑感

羽田新ルートの撤回を迫ったり、区長の選挙公約との齟齬を攻めたりするにしても、お役所答弁でかわされてしまうような聞き方になっていないだろうか。新たな事実や建設的な提案を引き出せるような質問の仕方はないのか。各議員の質問力が問われる。

区長の代わりに立った都市環境部長の答弁には、「引き続き国に対して強く求めてまいりたい」というお決まりのフレーズが何度も登場。たしかに区としての姿勢(国に委ねている)は一貫しているが、それで品川区民は納得するのだろうか……。

※マスメディアが取り上げなければ、羽田新ルート問題は区民には届かない。区議会議事録の肥しとなるだけだ。弱小なこのブログメディアによる区議会質疑応答の全文書き起こし情報が少しでもお役に立てば幸甚。

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