不動産ブログ「マンション・チラシの定点観測」

首都圏を中心に、不動産(マンション購入・賃貸)に係る分析記事を提供しているブログメディア

東京都の「一斉公開建築パトロール実施結果」を可視化

東京都は10月25日、「一斉公開建築パトロールの実施結果」を公開した。同パトロールは毎年10月、違反建築防止週間の一環として実施されている。
調査結果は、「建築工事現場等の点検件数」や「違反建築物件数」、「是正指導件数」や「工事現場における確認の表示がされていない現場件数」などが、「パトロールの実施に要した動員職員数等」とともに公開されている(次表)。

一斉公開建築パトロール実施結果(平成30年度)

都のHPに公開されている過去のデータもひも解き、経年変化を可視化してみた。


もくじ

なぜ「違反率」が増加しているのか?

「建築工事現場等の点検件数」と「違反率(=違反建築物件数÷建築工事現場等の点検件数)」の推移を次図に示す。

建築工事現場等の点検結果の推移

「建築工事現場等の点検件数」は減少傾向にあり、18年度は12年度の約6割。一方、違反率のほうは、数%とはいえ、増加傾向にある。なぜなのか?

その理由は次図から説明できるかもしれない。

職員1人あたりのパトロール棟数の推移


上図から、パトロールに要した職員1人あたりの棟数が毎年減少し、18年度は職員1人あたり4.7棟となっている。つまり、1人当たりの棟数が減ったので、じっくり点検する時間的な余裕ができたので違反が見つけやすくなった可能性が考えられる。もちろん毎年の点検パトロールが功を奏して違反件数そのものが減少しているという可能性もなくはないが。

「無確認建築」「道路関係違反」が多い

違反内容にはどのようなものが多いのか? 内容別違反件数の推移を次図に示す。

「その他」を別にすれば、「無確認建築」と「道路関係違反」が目立つ。「無確認建築」とは、都の資料には特に説明はないが、建築確認の手続きを取らないで建設された建物などを差しているのであろう。よくあるのが、屋根付きの自転車置き場や物置、倉庫など。あとちょっとした増築とか。

違反件数(内容別)の推移


毎年数件の違反物件があるのだが、是正指導にまで至る件数は極めて少ない(次図)。

「工事停止」は14・16年度に1件ずつ、「工事禁止」は15年度に1件あっただけ。大半は「その他」で処理されている。「その他」ってなんだ?

是正指導件数の推移

確認表示板、数%が未掲示

「確認表示未掲示建築物件数」は減少傾向にある(次図)。 

「確認表示」状況の推移
※「確認表示未掲示建築物件数」は「違反建築物件数」としては計上されていない。

まあ、確認表示板(次図)は、工事現場の仮囲いを見て回るだけで掲示の有無が分かるから素人でもできる。

確認表掲示板

まだ数%も未掲示現場があるというのは、何とかしてほしいものだが、たしかに街中の小さな現場ではときどき掲示されていないことに気づく。

パトロール「重点事項」にマンションが特記されているのは3区

一斉公開建築パトロールは、東京都だけでなく、23区や都下自治体、消防や警察、保健所などと連携して実施されている。事前に公表される実施計画をみると、各区で「重点事項」を決めてパトロールに臨んでいることが分かる。

たとえば、港区(動員数3人)では、次のようにマンションは「重点事項」として特記されていない。

  • 物品販売業を営む店舗、戸建建売住宅、路地状敷地の長屋、違法貸しルーム、昇降機及び過去において重点事項とされた建築物の建築工事現場等の点検

また、江東区(動員数3人)でも、次のようにマンションは「重点事項」として特記されていない。「中間検査・完了検査」の対象にマンションが含まれているのかもしれないが。

  • 木造3階建住宅の工事現場の点検
  • 中間検査・完了検査の実施状況の把握・指導

「重点事項」にマンション(共同住宅)が特記されているのは、中央区(動員数8人)、目黒区(動員数3人)、中野区(動員数3人)の3区。

新宿区(中間検査対象の建築物)や世田谷区(許可・認定を受けた建築物)などのように、パトロール対象にマンションが入っているかもしれない区もあるが……。

あわせて読みたい

[PR] SUUMO タワーマンションを探す!販売前の資料請求が成功の秘訣人気の新築マンション

2018年6月1日、このブログ開設から14周年を迎えました (^_^)/
Copyright(C)マンション・チラシの定点観測. All rights reserved.