国土交通省は10月23日、光陽精機が製造し、川金コアテックが出荷した免震・制振ダンパーについても、性能検査記録データが改ざんされていたと発表。
※18年12月27日更新
- 川金HD子会社でも免震・制振ダンパーの試験データを改ざん
- データ改ざん93件を可視化
- 「川金コアテック|納入実績 」でググると
- 川金HD vs KYB
- 【追記12月27日】川金HDデータに誤り
- あわせて読みたい(KYB免震・制振データ改ざん)
川金HD子会社でも免震・制振ダンパーの試験データを改ざん
国土交通省は10月23日、光陽精機が製造し、川金コアテックが出荷した免震・制振オイルダンパーに、顧客との契約内容に適合しないものが93件あったと発表。
光陽精機(株)が製造し(株)川金コアテックが出荷する免震・制振用ダンパーの試験値書換えについて
10月21日に、光陽精機(株)、(株)川金コアテック及び(株)川金ホールディングスより、
- 光陽精機(株)が製造し(株)川金コアテックが出荷する、顧客との契約内容に適合しない免震・制振オイルダンパーが、93件の教育施設、事務所等に設置されている(大臣認定への不適合はないとのことです。)
- 顧客との契約内容に適合しない製品について、早急に顧客の意向を踏まえ交換等対応する方針であるとの報告がありました。(以下略)
光陽精機と川金コアテックは、東証2部川金ホールディングスの子会社。国交省の公表を受けて10月23日、川金HD(5614)の株価は前日終値616円から516円のストップ安(14時19分)となった。
国交省が公表した資料を確認してみよう。
データ改ざん93件を可視化
検査データ書き換えによる顧客との契約内容に不適合な製品に係る物件数は93件(免震ダンパー4件、制震ダンパー89件)。
国交省が公表した資料には、データ改ざんのあった93件につき、都道府県別、建物用途別に表形式で掲載されているので可視化してみよう。
都道府県別内訳
免震・制振ダンパー合わせた件数は東京都が最も多く26件。以下、埼玉県(14件)、大阪府(9件)と続く(次図)。
建物用途別内訳
免震・制振ダンパー合わせた件数は教育施設 が30件で最も多い。以下、事務所(16件)、庁舎(13件)、住宅(7件)と続く(次図)。
「川金コアテック|納入実績 」でググると
「川金コアテック|納入実績 」でググると、「株式会社 川金コアテック|納入実績|建築製品実績」がヒットする(次図)。
ただ、ヒットしたリンクをクリックしても「このサイトにアクセスできません」と表示される。
そこで、同リンクのキャッシュをクリックすると、「免震部材」や「免・制震ダンパー」、「アドバンス制震システム」などの納入先と建物名が表示される(10月23日15時現在)。
具体的な建物名は――割愛。
川金HD vs KYB
川金HDのデータ改ざん件数(93件)は、KBYのデータ改ざん件数(986件)の1割に満たない。でも、制振ダンパーの件数に着目すると、川金HDのデータ改ざん件数(89件)のほうがKYBのデータ改ざん件数(83件)よりも若干多い(次図)。
壁の中やエレベータの後ろに設置された制振ダンパーの取り換えは、地下空間に設置されている免震ダンパーの交換と違って、居住者・執務者の成約を伴う(時間と費用が掛かる)
ちなみに、住宅については、KYB265件(免震ダンパー253件、制振ダンパー12件)に対して、川金HD10件(すべて制振ダンパー)。
【追記12月27日】川金HDデータに誤り
川金HDは12月26日、「弊社子会社における不適切行為に関する不適合製品数等の訂正及び新たに判明した事実等のご報告につきまして(第二報)」(PDF105KB)を発表。
11月9日に発表したデータに誤りがあったことが判明したという。
教育施設が4物件増加し、事務所が1物件減少(いずれも制振ダンパー)したので、修正した図を以下に示す。
都道府県別内訳
建物用途別内訳
川金HD vs KYB