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なぜ「羽田空港のこれから」に文化放送の件が掲載されていないのか?

国交省は10月3日から3か月間、文化放送で毎週水曜9時45分からの5分枠を使って、羽田空港の機能強化の取り組みを宣伝している。

ところが、国交省が運営している特設サイト「羽田空港のこれから」には、文化放送の件がどこにも掲載されていない。

なぜ、特設サイト「羽田空港のこれから」に文化放送の件が掲載されていないのか?

同サイトの電話相談窓口(0570-001-160)に聞いてみた。


もくじ

「羽田空港のこれから」について、皆様の声をお聞かせください。

使えない電話窓口

なぜ、特設サイト「羽田空港のこれから」に文化放送の件が掲載されていないのか?

金曜日の午前中電話をかけてみたところ、電話が混んでいて、なかなかつながらない。5分ほど待たされてようやく女性が出てきた

ちなみに、相談窓口はナビダイヤル(NTTコミュニケーションズが提供する電話の付加サービス)を使っているので、20秒で10円課金される。保留中に流れていたのは、1975年のヒット曲オリビア・ニュートン・ジョンの「そよ風の誘惑(Have You Never Been Mellow)」。5分間待たされた間に150円ぶん聞かされたことになる。

  • 当方:文化放送で羽田空港の機能強化の取り組みが放送されている件について、よろしいでしょうか。
  • 相手:確認いたします。折り返し電話しますがよろしいでしょうか。
  • 当方:いえ、このまま待ちます。
  • 相手:少々お待ちください(5分間 ♪そよ風の誘惑

  • 当方:文化放送の内容についての質問ではないのですが…
  • 相手:事実関係の確認でしょうか。
  • 当方:はい。
  • 相手:少々お待ちください(8分間 ♪そよ風の誘惑

  • 当方:分かる方に代わっていいただけないでしょうか?
  • 相手:分かる者に確認しています。
  • 当方:それでは分かる方がいる部署の連絡先を教えてください。
  • 相手:少々お待ちください(15分間 ♪そよ風の誘惑

  • 相手:放送するかしなかとうことでしたら文化放送にお問い合わせください。
  • 当方:すでに放送は始まっています。そうではなくて、「連絡先を教えてください」とお願いしたのですが。
  • 相手:そういう対応はしていませんので、後ほど連絡させていただきますので、よろしければ連絡先を教えてください。
  • 当方:いつ頃連絡をいただけるのでしょうか?
  • 相手:分かりません。
  • 当方:1、2時間後なのか、今日の午後になるのか?
  • 相手:明日以降になるかもしれません。
  • 当方:明日は土曜日ですが、連絡をいただけるのでしょうか?
  • 相手:「明日以降」ですので、月曜日以降となります。
  • 当方:こちらの連絡先は〇〇・・・(以下略)

なかなか本題に入れない……。

30分後に電話がかかってきた。

  • 当方:質問の一つ目は「なぜ『羽田空港のこれから』で文化放送の件を周知しないのか?」です。
  • 相手:他に質問はありますか?
  • 当方:あります。

  • 相手:まとめて、確認しますのでお願いします。
  • 当方:まとめて確認していただいても、さらにその回答に対して、質問する可能性が高いです。そのたびに折り返しの電話回答待ちでは埒が明かないですよね。
  • 相手:そうなります。

  • 当方:それでは、質問を変えます。この件に応えられる国交省の担当者の連絡先を教えてください
  • 相手:少々お待ちください(1分間 ♪そよ風の誘惑

  • 相手:最初の質問の回答は必要ですか?
  • 当方:いいえ、国交省の担当者の連絡先だけでいいです。
  • 相手:それでは確認し、折り返し電話します。
  • 当方:折り返しって、いま1分間待たされたのに、その間、担当者の連絡先を確認していたのではないのですか?
  • 相手:文化放送の件とか、ほかの方からも同様の問い合わせがあるものですから……。
  • 当方:それでは、折り返し電話をお願いします。

その日は、問い合わせ窓口の受付終了時刻(19:00)を1分すぎた19:01に、筆者の携帯に留守電が入っていた。

お忙しいところ失礼いたします。私、国土交通省「羽田空港のこれから」に関する電話窓口担当の〇〇と申します。後日改めてご連絡差し上げたいと(途中で切れる)

けっきょく、知りたいことは何も分からないまま、30分(電話代900円)を浪費して、この日は終了。

使えない電話窓口……。

土日を挟んで3日後回答:国交省の理屈

土日を挟んで3日後の月曜午後、違う女性から留守電が入っていた。

お忙しいところ失礼いたします。私、国土交通省「羽田空港のこれから」に関する電話窓口担当の〇〇と申します。また改めてご連絡させていただきます。

当方からかけ直すも、電話混雑で2分間(♪そよ風の誘惑)待たされる。

「なぜ『羽田空港のこれから』で文化放送の件を周知しないのか?」

女性オペレーター(自分のことをオペレーターと呼んでいた)の説明を整理すると、次のようになる。

  • 「羽田空港の機能強化の周知方法」としては、HP(羽田空港のこれから)のほか、広報や区報、新聞広告などを利用しています。
  • HPをご覧にならない方のために、情報を伝える方法のひとつとして、文化放送を追加しました。
  • HP(羽田空港のこれから)も周知方法のひとつですので、今後も文化放送の件については、HP(羽田空港のこれから)に掲載する予定はありません

あえて好意的に理解するとすれば――

文化放送(ラジオ放送)は、HPを見ない人たちに向けての情報提供だから、HPに文化放送の件を掲載しても、HPを見ない人たちには伝わらない(意味がない)という理屈なのであろう

3日かけて国交省が捻り出してきたこの理屈は、理論的に破綻している。各地で開催されている「情報発信拠点(パネル展示)」や「住民説明会」も情報提供手段の一つのはずだが、HP(羽田空港のこれから)にはしっかりと掲載されているからだ。

もっといえば、文化放送のなかで、邦丸氏(パーソナリティ)が特設サイト「羽田空港のこれから」を周知しているのだ。

【邦丸】今日ご紹介しました、「羽田空港の機能強化への取り組み」などに関しましては、特設サイトでもご覧頂けます。「羽田空港のこれから」で検索してみてください。

(「羽田空港の機能強化」10月10日放送)

国交省は屁理屈をこねくり回さないで、素直にHP(羽田空港のこれから)に文化放送の件を掲載すればいいと思うのだが……

電話対応してくれた女性には、面倒な質問対応のお礼を述べた後、「国交省の理屈は納得できませんが、理屈がどうであれ、HPに文化放送の件を掲載すべきだというのが私の『意見』です」とまとめた。すると女性は「国交省には『意見』として必ずお伝えします」となった。

4日後回答:国交省はどのように文化放送の件を自治体に伝えたのか

最初の電話から4日目の午後、前日と同じ女性から携帯に電話が掛かってきた。

筆者が前日に投げておいた2つ目の質問(文化放送の件は自治体にいつ、どのような方法で伝えられているのか具体的に教えてほしい)の答えだ。

女性オペレーターの説明を整理すると、次のようになる。

  • 市民からラジオ放送に対して自治体への問い合わせがあった場合に備えて、港区だけでなく、新ルート下すべての自治体に事前に国交省から連絡しています。
  • 国交省から各自治体へ文化放送の件をHPに掲載するよう要請はしていません
  • 港区だけがHPで掲載しているのは、港区の判断です。
  • 以上が国交省からの正式な回答となります。

雑感(電話窓口は質問を断念させるため!?)

週末の土日を挟んで、4日掛かりの電話のやり取りとなった。

筆者の質問のように、FAQ冊子v4.1から外れた質問になると、都度折り返しの電話対応となってしまう。「オペレーターは事前に教えられた内容以外の質問が来たときには、確認のうえ回答する」というマニュアルにでもなっているのであろう。

回答に正確を期すためには、電話折り返し対応は適切な手順だが、結果的に質問者の質問意欲を削いでしまうに十分な効果を発揮している

しびれを切らして、「内容の分かる人を出してくれ」と頼んでも、決して電話を代ろうとしないのも、マニュアルに書かれているのであろうか。今回、実際に次のようなやり取りをした。

  • 相手:問い合わせ内容は、こちらで確認し、回答することになっています。
  • 当方:だから、「国交省の連絡先」を質問しているんです。
  • 相手:こちらからご案内できる連絡先はありません。

 

電話窓口を開設したのは、「皆様の声をキチンと聞いていますよ」という国交省のポーズではないのか。今回の一連の電話のやり取りを通して、「質問させることを断念させるために窓口が設けられているのではないか」と勘繰りたくなるほどだ。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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