首都圏不動産公正取引協議会が「おとり広告」などの撲滅を強力に推進するためとして、違反者に対して不動産情報サイトへの広告掲載を1か月以上停止する「厳重警告及び違約金課徴の措置」を始めたのは17年1月。このブログではそれ以来毎月、同措置の結果が「公取協通信」に掲載されるたびに、定量的な分析記事を投稿している。
同協議会が10月9日に発行した「公取協通信第294号(平成30年10月号)」に9月度の厳重警告・違約金の措置が掲載されている。
ざっくり言うと
- 【措置対象業者】9月の違反6社
- 【サイト別】スーモ3件、ほか
- 【内容別】おとり広告6件、特定事項の明示義務違反3件…
- 【免許更新回数別】6社のうち5社が2回以下
- 【悪質事例】おとり広告2年11か月、しかも再犯
【措置対象業者】9月の違反6社
17年1月からスタートした「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象業者は、毎月5社前後で推移している。
「なぜ、毎回5社前後なのか」という突っ込みはさておき、今回は6社(次図)。
※8月の調査結果は、公取協通信に掲載されていない。
【サイト別】スーモ3件、ほか
今回6社の広告が掲載されていたのは、スーモ3件、ヤフー不動産2件、ライフルホームズ2件、ほか2件。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象をサイト別にみると、自社HP、スーモ(SUUMO)、ライフルホームズが多い(次図)。
【内容別】おとり広告6件、特定事項の明示義務違反3件…
今回はおとり広告6件、特定事項の明示義務違反3件、必要表示事項違反2件、ほか4件。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象を内容別にみると、「おとり広告」と「取引条件の不当表示」が多い(次図)。
【免許更新回数別】6社のうち5社が2回以下
今回は、6社のうち5社の免許更新回数が2回以下。
これまでの「厳重警告及び違約金課徴の措置」の対象を免許更新回数別にみると、1~2回の業者が多い(次図)。
【悪質事例】おとり広告2年11か月、しかも再犯
B社の賃貸住宅のおとり広告は、長いもので約2年11か月と悪質。しかも8年前(平成22年10月)にも厳重警告・違約金の措置を受けている。
B社(立川市所在/免許更新回数(4))
◇おとり広告
- 新規に情報公開後に契約済みとなり、取引できないにもかかわらず、更新を繰り返し、長いもので約2年11か月、短いもので19日間継続して広告(9件)
◇家賃保証に関する不当表示
- (省略)
過去の措置
- B社は、平成22年10月にインターネット広告(不動産情報サイト)において、契約済みのため取引できない「おとり広告」を行ったことなどにより厳重警告・違約金の措置を受けている。
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