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羽田新ルート|渋谷区議会「第3回定例会」質疑応答全文

渋谷区議会の「平成30年第3回定例会」本会議一般質問(9月21日)で、羽田新ルートに関して、吉田議員(立憲民主)と五十嵐議員(共産)の質問があった。

議会中継(録画)をもとに、全文テキスト化(約4千700文字)しておいた。

※マスメディアが取り上げなければ、羽田新ルート問題は区民には届かない。区議会議事録の肥しとなるだけだ。弱小なこのブログメディアによる区議会質疑応答の全文書き起こし情報が少しでもお役に立てば幸甚。


質疑応答のポイント

吉田議員(立民)×区長

五十嵐千代子渋谷区議(共産)
吉田佳代子区議(立憲民主、区議3期、日大理工学部数学科卒、56歳)

羽田空港機能強化に伴う国際線の増減による渋谷区の影響について、3点伺います。
質問1:区長が国に対してどのような形で要望しているのか?
平成27年8月に国土交通省の職員をお招きして、全員協議会という形で羽田空港機能強化に伴う国際線の増便により渋谷区が受ける影響についての報告を受けました。
その後、交通・公有地問題特別委員会でも懇談会を開催し、この問題の詳細な情報を収集してきました。
しかし、まだ疑問点も多く、わが会派ではこの問題について数多く本会議でも質問し、国に対し説明責任を果たすよう区長に要望してまいりました。
区長もその要望を受け止めて、「国に対し要望していく」と答弁をされてきましたが、いつどのような形で要望していただけてるのでしょうか

私どもが確認できるのは公的に29年8月と30年7月の区長会要望事項の「都市インフラの改善」のなかで、羽田空港の機能強化に係る対応として、「騒音影響や安全管理など、懸念されている課題に対し、住民が納得することができる十分な検討及び説明を行うこと」として取り上げられたことのみで、区長が国に対してどのような形で要望して頂けているのか区民の方々も非常に関心を持っていますので、お示しください。
質問2:健康被害や環境汚染などの問題の情報収集を行いHPの充実を
さて、この間、区議会では平成28年第2回定例会で「羽田空港新飛行経路案の安全上の課題等に関する意見書」を提出し、29年第4回定例会では請願が全員一致で採択がされました。こうした区民の代表である区議会での決定事項についても、国土交通省は応えることなく今のところ進展がありません

騒音、飛行している飛行機の見え方、落下物、飛行機の落下事故の懸念に加え、今では健康被害や環境汚染の問題も出てきております。健康被害については、空港周辺の住民のなかで騒音が大きいエリアの住民は小さいエリアの住民に比べ心血管疾患等を発症するリスクが高いことや、環境についてはジェット機の排気ガスによる大気汚染の問題も出てきています。

区ホームページでは国交省の情報や展示会の開催予定が掲載されていますが、他地区の情報提供に比べると情報が少ないと思われます。

騒音対策については、低騒音の飛行機の導入を促進すると記載されています。加えて防音支援では、住宅防音工事が必要になるエリアは生じないので、防音工事は行わないとしながら、教育施設や病院、保育施設については防音工事の助成を行うとし、同じ場所でも対象により取り扱いが異なる矛盾が見てとれます。

落下物などの課題については、飛行機の点検を強化するなど安全対策に努めること、また実際に事故が起こった時の補償のあり方などは、航空会社の救済制度の加入促進や見舞金制度の創設などが書かれていますが、具体的なことは掲載されていません

健康被害や環境汚染など、考えられる弊害については全く記載がなく、今後こうした問題の情報収集を行いホームページの充実をしていっていただきたいと思いますが、区長に伺います。
質問3:区で行った要望事項と回答はホームページに記載
さらに、区で行った要望事項と回答はホームページに記載し、区としてどのような対応を行っているのかしっかりお示しいただきたいと思いますが、区長に伺います。

長谷部健渋谷区長
長谷部健 渋谷区長(無所属、1期、元渋谷区議会議員3期、専修大学商卒、46歳)

次に、羽田空港機能強化に伴う国際線の増便による渋谷区の影響について、3点のお尋ねですが、一括してお答えいたします。

回答1:特別区長会「国の政策及び予算に関する要望書」で要望
まず国に対しての要望ですが、平成27年度から毎年度、特別区長会による「国の政策及び予算に関する要望書」において、「羽田空港の機能強化に関わる対応」として、「騒音影響や安全管理など、懸念されている課題に対し、住民が納得することができる十分な検討及び説明を行うこと」など要望を行っています

また、これまでも区民の方々から寄せられた意見や要望につきましては、機会あるごとに国に対して伝え、騒音の影響や落下物の安全対策など、区民が懸念している課題について、丁寧な説明とその十分な周知を行うよう求めてきました。

その要望の成果としては、他区に先駆けて本年8月、初台出張所会議室において、また9月には千駄ヶ谷出張所会議室において、それぞれ区民周知のため、映像展示や音響装置による航空機音の体験などができる情報発信拠点が開設されました。
回答2:区HPでできるだけ分かりやすく情報提供

これらの羽田空港の機能強化に関する動向については、区のホームページでできるだけ分かりやすく情報提供できるように努めているところです。

回答3:必要に応じ対応
今後も国の動向を踏まえながら、国への要望事項等の掲載を含め、必要に応じ対応してまいります。
吉田:区長の認識と今後の具体的対応?

羽田空港の問題についてですけれども、平成27年から各議員が7回質問をしています。区長は「国の責任で説明すべきで、区民の不安を取り除くように要望していく」と答弁がされております。

28年9月21日の交通・公有地問題特別委員会で、私はその年の8月にニュースで「各自治体と合意形成がなされた」との報道を受けて、実際に合意形成がなされているのか質問したところ、「合意形成した認識はない」とこういう答弁でした。

ところが国交省は28年7月28日に行われた協議会のなかで23区の代表として1人だけ出席した荒川区長と協議をしたのだから、他区の区長の承認は受けていると。ですから(国交省は各区長の承認は)必要ないという態度を示しております。
やはりこうした態度は改めるべきだと思いますし、区長も協議の場に加わって、直接意見を述べていただきたいなと思います。

また今年の8月には特別区議会議長会でも「羽田空港の機能強化に係る飛行経路案に関する要望」が出されており、新飛行ルート案の検討にあたっては、関係自治体と十分に協議することや騒音、落下物その他の事故の可能性を明らかにすることや、環境への影響の調査、教室型説明会の要望をしております。

区長会要望事項では29年――27年からとさっき区長はおっしゃいましたけれども――29年と30年に同じものを提出されています。今年も同じものが提出されているということは、逆から見れば十分な説明がされていないからだと思います。そのあたり区長の認識と今後の具体的対応をお聞かせください

区長:まぁ賛成というか

羽田空港の機能強化についてですけれども、羽田の機能強化がされるということについては、従前から申し上げている通り、まぁ賛成という、まぁ賛成というかですね、まぁそういうことだというふうに考えております。

ただ、区長会を通してですね、国が決めてやることですから、それに対してしっかりと責任を持ってですね、区長会としては国から地域住民の不安に対してそれを払拭するようにですね、行動とってほしいということを再三要望しております。
この先もそれは変わらないというふうに、そういった要望を続けていくということで私は考えております

五十嵐議員(共産)×区長

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五十嵐千代子議員(共産、区議8期、國學院大學卒、65歳)

五十嵐:新ルート計画は撤回するよう求めるべき
羽田空港増便に伴う新飛行ルートについてです。
国土交通省は渋谷区を含む都心を低空飛行する計画を進めようとしています。
計画によれば南風運用時の、年間約140日間の午後3時から7時の実質3時間に、A滑走路とC滑走路を利用する場合、渋谷区の上空900メートルから600メートルを通過することになっています。

A滑走路の場合は、本町から初台、代々木、富ケ谷、松濤、道玄坂、桜丘、鶯谷、猿楽、代官山、恵比寿西・南の上空を42便、4分30秒ごとに通過します。

C滑走路の場合は、代々木、千駄ケ谷、神宮前を通過し、広尾では600メートル上空を90便、2分ごとに通過する予定で、計画が実施されれば、絶え間ない騒音、航空機からの落下物、事故の危険など、区民生活の安心・安全が脅かされることになります。

実際、半年間で、羽田・成田空港などで219件の落下物が発生していますが、国土交通省は落下物をゼロにすることを確約しません

さらに、機体からから車輪を出すときに、氷塊落下の危険性が指摘されていますが、車輪を出すエリアに渋谷上空も含まれる可能性があることも明らかとなりました。

23区議長会も国土交通省に対して、国の方策が示されたが住民の懸念は解消されていないと要望書を提出しました。
我が区議団が実施した「区政アンケート」では、新ルート飛行に80%の区民が「止めてほしい。騒音や落下物の危険は耐えられない」と答えています。

国土交通省は区長会の代表が2年前の協議会で「国の取り組みにできる協力をさせていただきたい」と発言したことをもって、「関係自治体は新ルートに基本合意している」と繰り返し述べています

長谷部区長はこうした国土交通省のやり方を認めるのですか。「区民の生活環境破壊と命の危険を伴う新ルート計画は撤回するよう求めるべきと考えますが、区長の所見を伺います。

長谷部健渋谷区長
区長

区長:計画の撤回を求める考えはありません
次に、羽田空港増便に伴う新ルート計画についてのお尋ねです。
首都圏の国際競争力強化、外国人旅行者の増加による経済成長と海外との交流による諸外国の結びつきを深めることなど、羽田空港の機能強化を図ることについての必要性はあると考えています。

一方、区民からの不安の声やご意見があることも十分認識しています。

羽田空港の機能強化については、国は大臣発言で「地方自治体との基本的な合意がない」としています

引き続き区としては、国に対して騒音や落下防止対策など懸念される問題について、区民が納得することができるよう、十分な検討と説明をその責任で行うことを、あらゆる機会を捉えてしっかり伝えていきます。
こうしたことからご質問のような計画の撤回を求める考えはありません

五十嵐:超過密地帯の上空を低空飛行している例はありません

羽田空港ですけれども、私のところにこういうファックスをいただきました。海外を旅行している方ですけれども、長谷部区長は「ニューヨーク、パリ、ロンドン、渋谷」とよく言っているけれども、ニューヨーク、パリ、ロンドンは今回の羽田の新ルートのような都心の超過密地帯の上空を低空飛行している例はありません

改めて区長が言っていることと逆行するのではないかというふうに言っております。再度、こういう点についてご答弁をいただきたいと思います。

区長:機能強化については仕方ない
羽田空港についてですが、これも再三ずっとお答えした通りで、機能強化については仕方ないというかですね、ですが先ほどから申しているように、国が住民に対してですね、しっかりと説明を行うことを私も要望しております。

是非、国会議員もいらっしゃる共産党ですから、是非そちらの方でもやっていただければありがたいかなと思っています。

(傍聴者:答えになっていない!)
(議長:傍聴者は不規則発言は止めてください)

雑感(区長のアドリブに本音が…)

原稿の棒読み合戦をしている間は、区長の本音は出てこない。興味深いのは区議の再質問に対する区長の答弁である。原稿をみないアドリブ回答に区長の本音が出てくる。

吉田議員(立民)から「区長の認識と今後の具体的対応」を問われて、区長の「まぁ賛成という、まぁ賛成というかですね・・・」という答弁。

また、五十嵐議員(共産)から「羽田の新ルートのような都心の超過密地帯の上空を低空飛行している例はありません。区長が言っていること(ニューヨーク、パリ、ロンドンに事例がある)と逆行するのではないか」と詰め寄られて、区長の「機能強化については仕方ない」とか、「(私は国が住民にしっかり説明することを要望しているので)国会議員もいらっしゃる共産党ですから、是非そちらの方でもやっていただければありがたい」との失言を引き出している。

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