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羽田新ルート|区議会や区長の新たな承認は不要!?

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、羽田空港の国際線発着回数を増やすため、都心上空を飛行する「羽田新飛行ルート問題」。

現状では、忖度メディアの報道不足国交省の”寝た子を起こすな作戦”が功を奏して羽田新ルートの落下物事故・墜落事故の危険性や騒音などの問題が世間の共通認識になっていない(存在を知らない人は辿り着くことができない羽田空港ターミナルの情報発信拠点都庁を含む17か所での実績作りのパネル展示)。

そんななか、フリージャーナリスト樫田秀樹氏の記事「すぐ上を旅客機が飛ぶ ― 周知が足りない羽田増便・新ルート計画 ―」が月刊誌『望星』18年9月号に掲載されていることを知った。


もくじ

樫田秀樹氏の記事「周知が足りない羽田増便・新ルート計画」

『望星』は、東海大学出版会が出版しているマイナーな雑誌だが、1970年の創刊と歴史は古い。政治・経済や現代社会、歴史や教育・福祉など、幅広いテーマが取り上げられている。

朝飯前にアマゾン(600円)で注文すると、夜には手元に届いた(そんなに急がなくてもいいのだが……)。

『望星』18年9月号

 

樫田秀樹氏の記事は全部で9頁(写真)。

すぐ上を旅客機が飛ぶ(樫田秀樹)

羽田新ルート下であることを知らずに終の棲家として港区白金に戸建てを購入した方や、「みなとの空を守る会」共同代表への取材なども交え、羽田増便・新ルート計画の問題が俯瞰できる記事となっている。

特に興味深いのは国交省への取材内容だ。

新ルートに基本合意済み、区議会や区長の新たな承認は不要

2年前の国交省内の協議会で関係自治体は新ルートに基本合意済みなので今後、区議会や区長の新たな承認は不要だというのだ。

新ルートが正式決定するにはどんな手続きが残されているのか? じつは2年前の7月に国交省内の協議会で関係自治体は新ルートに基本合意している。東京23区から参加したのは荒川区長だけだった。そこで、私は再び国交省に連絡を入れた。

-今後、新たな区議会や区長の承認は必要ですか?

不要です。荒川区長は23区の代表として参加したので。ただ丁寧な説明に努めます」

-どんな手続きが必要ですか?

「国が出す航空路誌(AIP)には必要な恒久的情報を収録することになっています。ここに新ルート情報を収録します」

-いつまでに?

「東京オリンピックには間に合わせたいです」

つまり国交省の出方次第ということだ。

(『望星』18年9月号 P102)

私が1年前国交省担当者に電話取材したときは、「有識者(会議)の意見を聞いて決定していく」という回答を得ていたのだが(羽田新飛行ルート|環境アセスは実施されない!)。

新ルートが正式決定されるまでに残された手続は、国が出す航空路誌(AIP)に新ルートを収録することくらいらしい。これは手続きというよりも、単なる事務処理ではないか。

2年前の関係自治体の基本合意とは何か?

2年前の7月、国交省内の協議会で関係自治体が新ルートに基本合意しているというのだが、いったい何のことなのか?

樫田氏の記事では具体的に言及されていないが、「首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会」第4回会議(7月28日開催)を指している。

同協議会では、23区の区長のなかでは、西川荒川区長しか出席していない。ただ、荒川区長は、特別区長会会長として区を代表して参加している立場だ。

23区を代表している荒川区長ではあるが、「丁寧な説明が行われた」「住民の意見に配慮した方策である」といった発言は、他の区長の主張を代表しているとは言えないのではないのか羽田新ルート|区議会「第2回定例会」質疑の有無(23区まとめ))。

荒川区長は「国の取組に出来得る協力をさせていただきたい」と、「基本合意」とも取られかねないような踏み込んだ発言までしている。

(略)昨年7月より開催された、住民説明会については、関係自治体の協力を得ながら、住民理解の向上に向け、丁寧な説明が行われたものと認識している。

また、本日提示された「環境影響等に配慮した方策」は、騒音への影響や安全面への配慮など、懸念されている課題や住民の意見に配慮した方策であると理解している。(略)

特別区は、住民と一番身近に接している立場上、多数の陳情や請願が提出されることが予想されるが、国の取組に出来得る協力をさせていただきたいと考えている。

(協議会 議事要旨 P4)

基本合意の既成事実化が進行中…

荒川区は羽田新ルートの影響を全く受けない区だ(次図)。

そんな荒川区長の「国の取組に出来得る協力をさせていただきたい」という発言が、関係自治体の意向を踏まえた基本合意と言えるのか?

区民109万人(12%)が騒音の影響を受ける
羽田新ルート|騒音影響を受ける区民100万人超」より

「国交省内の協議会で関係自治体は新ルートに基本合意している」とか、「関係自治体からご理解いただいたことを踏まえ、必要となる施設の整備に着手しております」とか(2020年羽田新ルート運用開始は、決定事項なのか…)、国交省の言い分を放置しておくと、「関係自治体との基本合意」の既成事実化はドンドン進む。

羽田新ルートの影響を受ける区の区長や区議会議員はキチンと仕事をしているのか。

ちなみに小池都知事は、羽田新ルート容認派である(羽田新ルート|小池都知事答弁「平成30年第1回定例会」(全文))。

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