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2020年羽田新ルート運用開始は、決定事項なのか…

国交省が運営しているサイト「羽田空港のこれから」に記載されている「取組状況・今後の進め方」を眺めていて、目が点になった。
関係自治体からご理解いただいたことを踏まえ、必要となる施設の整備に着手しております」と記載されているのである。


もくじ

最近の”丁寧な情報提供”は、「情報発信拠点の開設」だけ

2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けて、羽田空港の国際線発着回数を増やすため、都心上空を飛行する「羽田新飛行ルート問題」。

石井国土交通大臣は「引き続き住民や関係自治体の方々に丁寧な情報提供を行い、首都圏空港の機能強化についてご理解をいただけるよう努めて参りたい」(参議院 国土交通委員会18年4月3日)と答弁しているのだが……。

2月17日に板橋区で開催された住民説明会のフェーズ4を最後に、その後行われている”丁寧な情報提供”は、情報発信拠点の開設だけ。

「情報発信拠点の開設」と聞けばなんだか凄い設備が見学できそうなのだが、実際は説明パネルと映像・音響装置が3~7日間、役所のロビーなどに設置されているだけ。わざわざ足を運ぶような勤め人は多くないだろう(17か所目!羽田新ルートのパネル展示@渋谷区(追加))。

2020年羽田新ルート運用開始は、決定事項なのか…

今後どのような工程で進められていくのか?

具体的な工程表は、国交省が運営しているサイト「羽田空港のこれから」に「取組状況・今後の進め方」(←注意:開くのに恐ろしく時間が掛かる場合がある。6.2MB!)として掲載されている図表しか見当たらない(次図)。

2020年の運営開始までの間、「引き続きの情報提供」としか記されていないのである。

取組状況・今後の進め方


「取組状況・今後の進め方」を眺めていて、目が点になったのが次の記載だ。

羽田空港の国際線増便に向けて、機能強化のために必要となる施設整備への予算措置について、関係自治体からご理解いただいたことを踏まえ、必要となる施設の整備に着手しております。

羽田空港の国際線増便に向けた施設整備


なんと、すでに「関係自治体からご理解いただいた」ことになっているのである。

国交省としては、「ご理解いただいたのは、施設整備への予算措置であって、新飛行ルートの運用そのものではない」と逃げを打っているのかもしれないが……。

念のため、施設整備に関係するであろう日本空港ビルデング株式会社のHPをひも解いてみると、5月11日付で「中期経営計画一部見直しに関するお知らせ」(PDF:1.7MB)として、昨年度、羽田空港機能強化に必要な施設整備工事に着手していることが確認できる。

2017 年度の振り返り

当社は、2020 年の東京オリンピック・パラリンピックに向けた羽田空港機能強化に必要な施設整備として国内線第2ターミナルの国内線・国際線共用化工事等に着手しました。(以下略)

 

2020年までに羽田新ルートの運用を開始することは、すでに決定事項なのか――。

衆議院 財務金融委員会(18年3月2日開催)では、宮本議員(共産)が「地元の理解が得られるまでは飛行ルートの変更は行わない?」と何度も迫るが、簗国交省政務官は「理解を得られるよう引き続き取り組みを進めて参ります」という答弁に終始している。

品川区長選挙が「羽田新ルート問題」の認知度を上げる!?

羽田新ルートの運用が開始されると、ルート周辺の多くの住民が落下物・墜落事故の危険リスクや騒音などの影響を受けることになる。筆者の試算によれば、区民109万人(12%)が影響を受ける(次図)。

↓ 騒音の影響を受ける区民の割合

都内で騒音被害などの影響を受ける住民の割合(図)
羽田新ルート|騒音影響を受ける区民100万人超」より

騒音の影響を受ける100万人超の区民のうち何人が、羽田新ルートを受け入れるだろうか。おそらく納得する区民は多くはないと思うのだが……。 

これまでに地元説明会に参加した人は約1.7万人。騒音の影響を受ける区民100万人の2%にも満たない。忖度メディアもあまり報じていない。

ヒョットすると、品川区長選挙(投開票日:9月30日)が「羽田新ルート問題」の認知度を上げる切っ掛けになるのかもしれない(羽田新ルート|品川区長選挙 各候補者スタンス)。

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2018年6月1日、このブログ開設から14周年を迎えました (^_^)/
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