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湾岸エリアのマンション市場動向|18年第2四半期

国土交通省は8月17日、全国主要都市の計100地区を対象に四半期ごとに実施している「主要都市の高度利用地地価動向報告(地価LOOKレポート)」<18年第2四半期>を公表。

18年第2四半期(18年4月1日~18年7月1日)の佃、月島、豊洲、有明といった、湾岸エリアの新築分譲マンションの価格動向を中心に、不動産鑑定士のコメントをピックアップしておこう。

ざっくり言うと、17年第3四半期からあまり変わっていない。


【佃・月島】マンション分譲価格は高水準を維持

新築・中古マンション共に価格は高水準を維持している。

地価動向
  • 当地区は銀座等の都心への優れた接近性を備えるとともに、東京タワーや東京スカイツリー等のランドマーク施設や河川等に囲まれた変化に富んだ眺望が得られることから、分譲・賃貸ともに高層マンションの需要が強い地区である。
  • 新築・中古マンション共に価格は高水準を維持しており、マンション購入資金の融資環境が良好であること等が下支えとなり、マンション市況は好調である。
  • 建築費の高騰や、中央区において地区計画で従来認められていた共同住宅についての割増容積率を廃止する方向になっていること等の懸念があるものの、地区内外で再開発事業や東京五輪関連施設の建築計画が見られ、デベロッパーによるマンション素地需要は旺盛で取引価格は緩やかな上昇傾向となっているため、地価動向は当期やや上昇に転じている。
将来地価動向
  • 今後、地区内外で再開発事業や東京五輪関連施設の建築計画が進み、都市基盤整備として環状2号線の建設工事やBRTによる利便性の向上が期待され、こうした背景からマンション市況は好調を維持し、将来の地価動向はやや上昇すると予想される。

【豊洲】マンション分譲価格は安定的に推移

新築マンション分譲価格は上昇が続いたが、現在は安定的に推移
豊洲市場については、マンション分譲価格下落等の目立った影響は認められていない。

地価動向
  • 東京五輪開催決定以降、他の湾岸エリアと同様に旺盛なマンション需要を反映して当地区の新築マンション分譲価格は上昇が続いたが、現在は安定的に推移している。

  • また、中古マンション市場においても需要者の購入意欲は底堅く、取引価格は安定している。

  • なお、豊洲市場については、開場日程の決定以降も観光拠点の整備をめぐり、都と運営事業者の協議が長引いたものの、マンション分譲価格下落等の目立った影響は認められていない

  • このような分譲マンション市場の状況から、デベロッパーの投資採算性が反映される当地区の地価動向は引き続き横ばいで推移した。

将来地価動向
  • 当地区は、新築・中古マンションともに一次取得層の購入限度額に近づいており、将来的には取引件数の減少が予想され、今後更なる価格上昇は見込みづらい。
  • 一方、利便性の高さから居住目的の底堅いマンション需要に支えられており、将来の地価動向は横ばいと予想される

【有明】マンション分譲価格は安定的に推移

マンション価格上昇の動きは一段落しているものの、当地区のマンション需要は依然として堅調であり、成約価格水準は安定的に推移している。

地価動向
  • 東京五輪開催決定以降続いたマンション価格上昇の動きは一段落しているものの、当地区のマンション需要は依然として堅調であり、成約価格水準は安定的に推移している。
  • 湾岸エリアでは引き続き大型分譲マンションの大量供給が控え、また建築費の高止まり傾向は今後もしばらく続くことが見込まれているため、デベロッパーの投資採算性検証は厳格化している。
  • 一方、当地区では五輪関連施設や国家戦略特区の認定を受けた大規模開発事業、地区計画によるまちづくりが進捗中であり、また環状2号線の開通や銀座と有明を結ぶ地下鉄構想による都心部へのアクセス性向上に対する期待感等により、将来発展・人口増加が大きく見込まれるエリアである。
  • したがって、当地区に対するデベロッパーの開発素地取得意欲は依然として強く、地価動向はやや上昇傾向で推移している。
将来地価動向
  • 分譲マンションの大量供給により価格の調整局面を迎える可能性があるが、上記の要因によりマンション需要は今後も堅調に推移し、将来の地価動向はやや上昇傾向が続くと予想される。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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