東日本不動産流通機構は8月10日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート(7月度)」を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比で5.0%減少し、3ヶ月連続で前年同月を下回った。成約m2単価は前年比で5.4%上昇、成約価格は同 6.4%上昇し、ともに2013年1月から67ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比プラス 1.0%であった。
地域別動向
- 成約件数は神奈川県他を除く各地域が前年比で減少し、埼玉県は前年比で2ケタ減となった。成約m2単価はすべての地域が前年比で上昇し、東京都区部は12年10月から70ヶ月連続で前年同月を上回った。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
※ザックリ言うと、先月とあまり変わっていない。
成約単価・在庫件数の推移(首都圏)
首都圏の中古マンションの成約単価は、新築マンションの発売価格に引っ張られるように、13年4月頃から上昇傾向にあり、17年4月に50万円を突破(次図)。
18年7月の成約単価は52.13万円(前年同月比5.4%増)。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
首都圏の中古マンションの在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる(次図)。
成約単価が上昇しているのに在庫が増加傾向にあるのは、人気エリアの成約単価が平均値を引き上げているだけで、中古全体の需要は頭打ちになっているからなのではないか 。
以下のエリア別の成約単価・在庫件数の推移がそのことを示唆している。
成約単価・在庫件数の推移(1都3県)
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、12年11月(48.08万円)を底に上昇傾向を維持。
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる。
成約単価・在庫件数の推移(23区)
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
各地区の内訳は次のとおりである。
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
特に、都心3区の成約単価の上昇が著しく、18年5月に近年最高(116.45万円)を記録。
23区では、次の順に成約単価が高いことが分かる。
- 都心3区>城西>城南>城北>城東
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、大きく波を打っている。
城東・城南地区では在庫件数は増加傾向にあったが、ここにきて減少の兆候あり。
まとめ
成約単価が上昇しているのに在庫が増加傾向にあるのは、人気エリアの成約単価が平均値を引き上げているだけで、中古全体の需要は頭打ちになっているからなのではないか 。以下のような、エリア別の成約単価・在庫件数の推移がそのことを示唆している。
- 首都圏の中古マンションの成約単価は、新築マンションの発売価格に引っ張られるように、13年4月ころから上昇傾向。在庫件数は増加傾向。
- 都内の成約単価は、12年11月(48.08万円)を底に上昇傾向を維持。在庫件数は増加傾向
- 都心3区の成約単価の上昇が著しい。城東・城南地区では在庫件数は増加傾向にあったが、ここにきて減少の兆候あり。