首都圏ではどの路線が混んでいるのか?
通勤電車の混雑率ワースト10はどこなのか?
タワーマンション乱立で、混雑率が急上昇している区間はどこか?
国交省は毎年7月中・下旬、「都市鉄道の混雑率調査結果」を公表している。
同データを元に作成した通勤電車の混雑率のエリア別ランキングは先日の記事で紹介した(全国エリア別!通勤電車の混雑率ランキング(2017年度))。
本日は、首都圏の通勤電車混雑率ワースト5を深堀してみよう。
- 首都圏の通勤電車混雑率ワースト10
- 首都圏の通勤電車混雑率ワースト5推移
- 1位:東京メトロ東西線(木場→門前仲町)
- 2位:JR総武線(錦糸町→両国)
- 3位:JR横須賀線(武蔵小杉→西大井)
- 4位:小田急電鉄小田原線(世田谷代田→下北沢)
- 5位:JR東日本南武線(武蔵中原→武蔵小杉)
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まずは、2017年度の首都圏の通勤電車混雑率ワースト10の確認から。
首都圏の通勤電車混雑率ワースト10
東京メトロ東西線の「木場→門前仲町」とJR総武線「錦糸町 →両国」の殺人的な混雑は有名だ。
- 1位:地下鉄_東京地下鉄(東西)【木場→門前仲町】199%(7:50~ 8:50)
- 2位:JR東日本_総武(緩行)【錦糸町→両国】197%(7:34~ 8:34)
- 3位:JR東日本_横須賀【武蔵小杉→西大井】196%(7:26~ 8:26)
- 4位:大手民鉄_小田急電鉄(小田原 (参考値※複々線化前 ))【世田谷代田→下北沢】194%(7:46~ 8:48)
- 5位:JR東日本_南武【武蔵中原→武蔵小杉】189%(7:30~ 8:30)
- 6位:JR東日本_東海道【川崎→品川】187%(7:39~ 8:39)
- 6位:新交通システム_東京都(日暮里・舎人ライナー)【赤土小学校前→西日暮里】187%(7:20~ 8:20 )
- 8位:JR東日本_東北【大井町→品川】186%(7:34~ 8:34)
- 9位:JR東日本_埼京【板橋→池袋】185%(7:50~ 8:50)
- 9位:大手民鉄_東京急行電鉄(田園都市)【池尻大橋→渋谷】185%(7:50~ 8:50)
首都圏の通勤電車混雑率ワースト5推移
17年度にワースト5となった路線につき、過去4年に遡って混雑率の推移を可視化したのが次図。
東京メトロ東西線の「木場 →門前仲町」とJR総武線「錦糸町 →両国」の2強のところに、JR横須賀の「武蔵小杉 →西大井」が飛び込んできていることがよく分かる。
もう少し詳しく見てみよう。
1位:東京メトロ東西線(木場→門前仲町)
「木場→門前仲町」は、日本で最も混んでいる通勤区間。混雑率は14年度に200%(体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める)を記録。それ以外の年度も199%で、改善の兆しなし。
東京メトロのHPには、混雑緩和策として、南砂町駅などの大規模な改良工事と九段下駅の折返し線設置(19年度使用開始予定)による増発が掲げられている。
ハードの増量が間に合わないので、ソフト対応(混雑緩和キャンペーン)でピークシフト頼み。
東西線沿線の大規模マンション建設とのイタチごっこは続く……。
2位:JR総武線(錦糸町→両国)
「錦糸町→両国」区間は、混雑率日本一を東西線に譲ったといはいえ、いまだ197%(17年度)。
増発や拡幅車両の投入、分散乗車とオフピーク通勤などの成果が若干出てきているようだ。
3位:JR横須賀線(武蔵小杉→西大井)
大規模タワーマンション乱立のツケが回って、17年度には混雑率196%で第3位にランクイン。
川崎市とJR東日本横浜支社は7月17日、JR武蔵小杉駅の混雑緩和対策として、横須賀線の下りホームを新設し、新たな改札口も設置すると発表(PDF:521KB)。
供用開始は、下りホームが23年度を予定し、新改札口は新ホームの供用開始後を目指しているというのだが。
2020東京オリンピック・パラリンピック後も武蔵小杉では超超高層マンションが計画されている(50階以上の「超超高層マンション計画」を可視化)。
「武蔵小杉→西大井」区間は悪化していくのか……。
4位:小田急電鉄小田原線(世田谷代田→下北沢)
年々混雑率が悪化し、17年度には194%に。
でも、複々線化の工事が完了し、18年3月3日に開通したことで、150%(広げて楽に新聞を読める)になると見込まれている。
5位:JR東日本南武線(武蔵中原→武蔵小杉)
大規模タワーマンション乱立の影響を受けて、15年度以降ワースト5にランクイン。
車両の長編成化やラッシュ時の増便、ホームドアの設置で、どこまで改善されるのか……。