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羽田新ルート|豊島区議会「第2回定例会」質疑応答全文

豊島区議会の「平成30年第2回定例会」本会議の一般質問(6月27日)で、村上典子議員(民主ネット)から「羽田新ルート」関連の質疑応答があった。

ネット中継のビデオライブラリ(録画)をもとに、全文テキスト化(約3千文字)しておいた。

※マスメディアが取り上げなければ、羽田新飛行ルート問題は区民には届かない。区議会議事録の肥しとなるだけだ。弱小なこのブログメディアによる区議会質疑応答の全文書き起こし情報が少しでもお役に立てば幸甚。


質疑応答のポイント

村上議員の質問

村上典子議員(民主ネット)
村上典子議員(民主ネット、区議2期、青学卒、60歳)

質問1:首都圏空港の機能強化について、区長はどのような理解?

次に、羽田空港増便計画による、都心低空飛行ルート問題です。
この問題については、2016年4月に突如、豊島区上空が飛行ルートに計画されて以降、継続して質問しています。

国土交通省は当初、「外国からの観光客を増やすための計画」としていましたが、都心低空ルートを使わなくても、来日人数は順調に伸び、すでに年間2,869万人と、当初目標に達しています。豊島区にも年間約3百万人の外国の観光客が訪れるようになっています。

あえて人口が密集している豊島区を2分に1機の頻度で低空を飛んでも、全体で1時間当たり10機を増やすことしかできません
相次ぐ落下物事故からも、羽田空港増便計画の都心低空飛行ルートは危険度が高すぎます。

6月に熊本空港を離陸した日本航空の飛行機のエンジンがバーストを起こし、136個もの物部品が落ち、窓ガラスを破損させました。

事故を受け、高野区長は、国土交通大臣宛に原因究明、再発防止策の徹底、情報開示などの要請文を送付しました。
要請文にあるように、23区で唯一の「WHOセーフコミュニティ認証都市」としての、区民の安全・安心に責任を持っている立場を明確にしたことは高く評価します。

国土交通省は昨年11月9日から、外国航空会社を含めた全ての飛行機を対象に、国内7空港での部品脱落の報告を義務付けました。
5月31日までの約7か月、約204日間で、219件の部品脱落が確認されました。
つまり1日1件以上の部品脱落があるということになります。

一方、国は3月末までに、落下物対策基準案をまとめました。

今年4月16日の区長会の案件の中に、「首都圏空港の機能強化について」が掲げられておりますが、4月の区長会では、国土交通省からどのような説明があり、区長はどのような理解に立っているかを質問します。

質問2:騒音対策および騒音測定について、どのような計画?

私は先日6月8日、都議会に提出された「羽田増便に伴う都心上空縦断の新ルートの情報公開と都民の安全を求める陳情」の審査が行われた都議会都市整備委員会を傍聴しました。
この陳情は、国に対して都民への安全対策と説明責任を果たすように求めるという内容にもかかわらず、新ルート直下選出の議員を含め、採択に賛成しない議員が多数でした。

また、東京都も「国の安全対策を見守る」という姿勢で、積極的に都民の安全を確保していこうという態度が見られませんでした。
となると、区民の安全を守るのは身近な自治体である豊島区となってきます。

1月27日に西部区民事務所で行われたオープンハウス式説明会では、国土交通省の担当官は「豊島区内の騒音対策は行わない」とはっきりと答えました
また、昨年の区長の答弁では「新たに騒音測定器を豊島区に誘致する」とありましたが、国は「豊島区内では設置しない」と言っています

区民の安心・安全のためには、豊島区独自で環境アセスメント行う必要があります。
今後の騒音対策および騒音測定について、どのような計画を持っているのか伺います。

質問3:「区民の安全が確保されていない」ということを区長から(関係区市連絡会の場で)発言していただきたい

今後新ルート計画を実行していくにあたり、「首都圏機能強化協議会(首都圏空港機能強化の具体化に向けた協議会)」が開催される予定です。
その前に東京都では関係区市との意見を取りまとめていくとしています

この連絡会でも、今のままでは「区民の安全が確保されていない」ということを区長から発言していただきたいと考えますが、区長のお考えを伺います。 

宿本 副区長の回答

宿本尚吾副区長
宿本尚吾 副区長(1993年建設省入省、京大大学院建築学専攻修了、51歳。※7月副区長退任)

回答1:落下物未然防止対策の徹底と補償制度の充実を確実に実行していく必要があると理解

羽田空港増便計画による都心低空飛行ルート問題のご質問のうち、まず首都圏空港の機能強化についての国土交通省からの説明及び議会についてのご質問についてお答えいたします。

首都圏空港の機能強化につきましては、4月の特別区長会のみならず、副区長会、さらに所管部長が参加をいたします関係区市連絡会においても、国土交通省より説明がございました。

説明の主な内容は、3つございました。
1つ目は、昨年11月から今年2月にかけて、各地で開催された、いわゆる第4フェイズの説明会の報告

2つ目は、有識者や実務者など、関係者が参画をいたしました「落下物防止等に係る総合対策推進会議」が3月に取りまとめた「落下物対策総合パッケージ」。
3つ目は、新飛行経路案の今後の運行スケジュール、プロセス、の3点でございます。

特に、2つ目の「落下物対策総合パッケージ」では未然防止策として、機体の改修や整備、点検徹底と教育訓練など、ハード・ソフトが一体となった、対策の義務付け。

また、万が一落下事案が発生した場合には、救済制度及び見舞金制度を創設するとともに、補償費の立て替えの仕組みを構築し、補償の充実を図るものとなっております。

本区といたしまして、国が今回示しました「総合パッケージ」に基づき、落下物未然防止対策の徹底と補償制度の充実を確実に実行していく必要があると理解をしており、このことについて国に対して強く要請をしております。

なお、現在区役所1階、センタースクエアにおいて、国土交通省による情報発信拠点が設置され、情報提供がなされていることを申し添えさせていただきます。

回答2:測定方法や測定地点など、区独自の手法については今後検討

次に、豊島区独自の今後の騒音対策及び騒音測定についてのご質問にお答えをいたします。

騒音対策は「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律」の基準により、防音対策工事の対象地域を指定して、実施をしております。

本年4月より対象地域が拡大されておりますが、豊島区は対象地区とはなっておりません
なお、現時点において対象地域となっていない以上、本区が独自に騒音対策を実施する予定はございません

騒音測定につきましては、評価する基準としては、「公共用飛行場周辺における航空機騒音による障害の防止等に関する法律」の基準がございますが、これは空港周辺が対象であり、豊島区の測定基準としては適しておりません

なお、新飛行経路運行前の騒音測定は必要と考えておりますので、測定方法や測定地点など、区独自の手法については今後検討をしてまいります。

新飛行経路下に国が増設をする航空機騒音を常時モニタリングする騒音測定局については、今年度中に国が関係する自治体と調整をすると聞いております。
引き続き豊島区内に設置することについて要望してまいります。

回答3:再発防止策の徹底など、東京都や23区とも連携をして、国に訴えてまいります

次に、東京都と関係区市の連絡会において、「今のままでは区民の皆様の安全が確保されない」旨発言することについてのご質問についてお答えをいたします。

ご指摘にもありましたが、5月24日熊本空港から羽田空港に向かう航空機からエンジンの損傷により、飛散した金属片により建物の窓ガラスが破損する事案が発生をいたしました。
深刻な事故につながりかねない重大な問題であり、直ちに区長より国土交通大臣に対し要請文を送っております。

豊島区は23区で唯一の「WHOセーフコミュニティ認証都市」として、安心・安全に対し、区民の皆様に責任を持っております。

このたびの羽田空港の機能強化が、区民の皆様の安全をないがしろにするものであってはなりません

今後も今回出された「落下物対策総合パッケージ」による再発防止策の徹底など、東京都や23区とも連携をして、国に訴えてまいります
私からの答弁は以上でございます。

雑感

質疑応答は一方通行

品川区議会や江東区議会、新宿区議会と違って、豊島区議会ではこと羽田新ルート問題については、議員が質問して副区長が答弁して終わり。一方通行なので、議論が深まっていない印象。

「落下物未然防止対策の徹底と補償制度の充実を確実に実行していく必要がある」という答弁で、質問者は納得しているのか? 

答弁した副区長は国交省からの出向者
答弁に立った副区長は国交省からの出向者。羽田空港の機能強化につき、国と区の間を取り持つにはうってつけの人材なのであろう。区長自らが答弁に立たなかったのも頷ける。

ただ、当初予定されていた任期4年(平成32年3月31日まで)より早めに退任したのはなぜなのか。後任(呉 祐一郎氏、1990年建設省入省)の人事と関係があるのか……。

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