東日本不動産流通機構は6月11日、「月例マーケットウオッチ・サマリーレポート(5月度)」を発表。
同レポートには首都圏の中古マンション市場動向も記されている。
中古マンション
首都圏概況
- 成約件数は前年比で 6.6%減少し、3 ヶ月ぶりに前年同月を下回った。成約m2単価は前年比で 3.2%上昇、成約価格は前年比で 4.2%上昇し、ともに 2013 年 1 月から 65 ヶ月連続で前年同月を上回った。専有面積は前年比プラス 1.0%であった。
地域別動向
- 成約件数は 4 ヶ月ぶりにすべての地域が前年比で減少し、埼玉県は 8 ヶ月連続で前年同月を下回った。成約m2単価は多摩と埼玉県を除く各地域が前年比で上昇し、東京都区部は 12 年 10 月から 68 ヶ月連続で前年同月を上回った。
これだけではよく分からないので、同機構が過去に発表したデータも含め、首都圏中古マンション市場動向のトレンドを可視化してみた。
成約単価・在庫件数の推移(首都圏)
首都圏の中古マンションの成約単価は、新築マンションの発売価格に引っ張られるように、13年4月頃から上昇傾向にあり、17年4月に50万円を突破(次図)。
18年5月の成約単価は51.07万円(前年同月比3.2%増)。
(新築マンションの発売単価は、不動産経済研究所データによる)
首都圏の中古マンションの在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる(次図)。
成約単価・在庫件数の推移(1都3県)
1都3県の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
都内の成約単価は、12年11月(48.08万円)を底に上昇傾向を維持。
1都3県の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
都内の在庫件数は、大きく波を打っているが、増加傾向にあることが分かる。
成約単価・在庫件数の推移(23区)
23区の中古マンションの成約単価の推移を次図に示す。
各地区の内訳は次のとおりである。
- 都心3区:千代田、中央、港
- 城東地区:台東、江東、江戸川、墨田、葛飾、足立、荒川
- 城南地区:品川、大田、目黒、世田谷
- 城西地区:新宿、渋谷、杉並、中野
- 城北地区:文京、豊島、北、板橋、練馬
特に、都心3区の成約単価の上昇が著しく、18年5月に近年最高(116.45万円)を記録。
23区では、次の順に成約単価が高いことが分かる。
- 都心3区>城西>城南>城北>城東
23区の中古マンションの在庫件数の推移を次図に示す。
23区内の在庫件数は、大きく波を打っている。
城東・城南地区では在庫件数は増加傾向にあったが、ここにきて減少の兆候あり(城南は3か月連続で減少)。
まとめ
- 首都圏の中古マンションの成約単価は、新築マンションの発売価格に引っ張られるように、13年4月ころから上昇傾向。18年4月の成約単価は51.07万円(前年同月比3.2%増)。
- 都内の成約単価は、12年11月(48.08万円)を底に上昇傾向を維持。
- 城東・城南地区では在庫件数は増加傾向にあったが、ここにきて減少の兆候あり(城南は3か月連続で減少)。