「いつかは東京23区にマイホームを…」そう夢見ていた方もいるのではないか。しかし、最新のデータが示す現実は、その夢を打ち砕くほど厳しいものかもしれない。
総務省の「家計調査報告」によると、東京23区の「2人以上の勤労者世帯」の平均年収は2024年に1000万円を突破した。一見すると、マンション購入に手が届きやすくなったように思えるが、現実は大きく異なる。
※投稿18年5月21日(更新25年5月17日:2024年データ反映)
過去に公表されたデータも調べ、23区の「2人以上の勤労者世帯」の世帯年収の推移を可視化したのが次の図である。
アベノミクス以降、23区の世帯年収は着実に増加し、2021年には1,000万円に迫る勢いであった。しかし、その後一時的に下落したものの、2024年には再び1,000万円を超える水準に回復している。

では、年収が上がったことで、私たちは23区の新築マンションに手が届くようになったのだろうか?
残念ながら、答えは「ノー」と言わざるを得ない。次の図をご覧いただきたい。これは、新築分譲マンションの価格を世帯年収で割った「年収倍率」を重ね合わせたものである。

※「新築分譲マンション価格」は、不動産経済研究所データによる
このグラフが示す現実は、目を覆いたくなるほど深刻である。年収の上昇をはるかに上回るスピードで、新築分譲マンションの価格が急騰しているのだ。
一般的に、無理なく購入できるマンション価格は年収の5倍以内と言われてきた。しかし、23区の年収倍率は2020年には8倍を超え、2023年には驚異の11.9倍にまで跳ね上がった。2024年こそ10.6倍に落ち着いたものの、依然として「年収の10倍以上」という危険水準にあると言わざるを得ない。
これは、平均年収が1,000万円を超える世帯であっても、1億円以上の新築マンションが当たり前になっているということを意味する。「とてもじゃないけど、手が出せない…」そう感じた方も多いのではないだろうか。
年収倍率が10倍を超える東京23区の新築分譲マンションは、もはや一般的なサラリーマン家庭にとっては手の届かない存在となりつつある。この状況は、私たちの住まいに対する価値観やライフプランそのものに大きな影響を与える可能性がある。
あなたは、この現状をどう思うだろうか? そして、これからどのような住まい選びをしていくのだろうか?
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