民泊のあり方を論ずるには、実態の把握が欠かせない。
民泊議論の一助になればとの思いから毎月初め、Airbnb登録件数に係る定量的な分析記事を投稿している。
- 【全国】Airbnb登録件数の概況
- 【東京23区】1位新宿区(4千件を割り込む)
- 【大阪市】1位中央区(5千件を割り込む)
- 【京都市】1位下京区(1千件)
- 雑感(全国的にAirbnb登録件数が減少中…)
Airbnbサイトからクローリングによりデータを集計しているサイトAirbDatabankが無料公開しているデータをもとに、18年5月1日現在のAirbnb登録状況を可視化。
【全国】Airbnb登録件数の概況
全国Airbnb登録件数、3か月連続で減少
全国でAirbnbに登録されている物件数は56,038件(5月1日現在)。
前月比▲3.0%減。3か月連続で減少。
※正確にいうと、東京都は23区、大阪府は大阪市、京都府は京都市のみが調査対象。だから実際の登録件数はもう少し多くなる。
【参考メモ】16年7月の登録件数が落ち込んだのは、Airbnbシステム仕様に変化(クローリング修正対応に遅れ)があったためかもしれない。17年4月にも落ち込んだ事象が観測されている。Airbnbサイトのデータをクローリング集計しているAirbDatabankサイトだけでなく、AirLABOサイトでも同様の落ち込み事象が確認されている。
1位東京1.8万件、2位大阪1.2万件、3位京都0.6万件
Airbnb登録件数の都道府県別ランキングを次表に示す。
1位東京都(23区)約1.8万件、2位大阪府(大阪市)約1.2万件、3位京都府(京都市)約0.6万件。
国内Airbnb登録件数の3割が東京
国内のAirbnb登録件数約5.6万件のうち、3割を東京が占めている。
4位沖縄・5位北海道、微増
4位沖縄と5位北海道は、微妙に増加(次図)。
8位の長野が漸増し、7位の神奈川に迫っている。
【東京23区】1位新宿区(4千件を割り込む)
東京23区においてAirbnbの登録件数が最も多いのは新宿区の3,841件。2位は渋谷区2,044件。
第2グループ(1千件超え)は、3位台東区、4位豊島区、5位港区(次図)。
新宿区のAirbnb登録件数は3か月連続で減少。遂に4千件を割り込んだ(次図)。
【大阪市】1位中央区(5千件を割り込む)
大阪市内のAirbnb登録件数は、中央区(4,648件)と浪速区(2,824件)がツートップ(次図)。
中央区(大阪市)は3か月連続で減少。遂に5千件を割り込んだ(次図)。
ただ、全国でAirbnbの登録数が最も多い自治体は中央区(大阪市)であることに変わりはない(次図)。
【京都市】1位下京区(1千件)
京都市内でAirbnbの登録件数が最も多いのは下京区の1,252件(次図)。
京都市内のAirbnb登録件数は3か月連続で減少(次図)。
雑感(全国的にAirbnb登録件数が減少中…)
住宅宿泊事業法の6月15日施行に向けて、主に都市部で民泊条例による規制強化が進展。Airbnbは3月15日、無届民泊は6月16日以降サイトに掲載しないことを公言している(Airbnbが公開した気になるFAQ|届出番号を記入しないとどうなる?など)。
全国的にAirbnb登録件数(大半が無届民泊)が減少しているのは、そういった違法民泊追放の動きの影響が出てきたからなのであろう。
ただ、まだ全国のAirbnb登録件数は5.6万件(前月比▲3.0%減)。激減しているわけではない。民泊新法施行日(6月15日)直前まで儲けようというホストが多いのだろうか……。
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