首都圏では50階以上の「超超高層マンション」がどのくらい計画されているのか?
不動産経済研究所が4月24日に発表した資料「超高層マンション市場動向 2018」のなかに、「50階以上の超超高層計画」も掲載されているので、ひも解いてみた。
最高層は65階建て「西新宿三丁目」「虎ノ門・麻布台」
発表資料には、「50階以上の超超高層計画」として、首都圏15件、大阪4件、札幌1件、広島1件の場所、階数、総戸数がリストアップされている。
首都圏15件の計画概要は次のとおりだ。
50階以上の超超高層計画
- 西新宿三丁目(新宿区西新宿3)65階×2、3,200戸
- 虎ノ門・麻布台(港区虎ノ門5)65+64+53階、1,310戸
- 月島(中央区月島3)59階、1,120戸
- 勝どき(中央区勝どき2,4)58+45+29階、3,120戸
- 馬車道(横浜市中区北仲通5)58階、1,176戸
- 晴海(中央区晴海5)56階×2、2,650戸
- 豊海(中央区豊海5、勝どき6)56階×2、2,150戸
- 虎ノ門(港区愛宕1)56階、600戸
- 武蔵小杉(川崎市中原区小杉町2)53階、622戸
- 東高島(横浜市神奈川区星野町4)52+47+42階、2,500戸
- 南池袋(豊島区南池袋2)51階×2、1,450戸
- 武蔵小杉(川崎市中原区小杉町1)50階×2、1,500戸
- 豊洲(江東区豊洲5)50階、1,200戸
- 月島(中央区月島3)50階、750戸
- 西大島(江東区大島3)50階、750戸
日本最高層の65階建てとなるのは「西新宿三丁目」と「虎ノ門・麻布台」。
前者は、地権者らとの調整がなかなかつかず都市伝説化しているプロジェクト。
後者は、事業協力者として森ビルが参画しているプロジェクト。
2020東京五輪後に竣工する超超高層マンションは13件
各計画の竣工予定時期は記載されていなかったので、ネットで調べて、バブルグラフを描いてみた(次図)。※バブルの大きさは総戸数の大きさを示す。
首都圏では、2020東京オリンピック・パラリンピック後も文字通り超超高層マンションの”バブル”が続いている。少なくとも13件(21,700戸)が計画されているのである。
「希少性のある”超高層”を謳えば売れる」という超高層マンション神話は、今は昔。超高層マンションのストックは、ドンドン積み上がっている(次図)。
「超高層マンション市場動向|19・20年は竣工ラッシュ(23区)」より
マンション市場が縮小していくなかで(2017首都圏新築マンション市場|市場規模2.2兆円)、超超高層マンションは新たな神話となるのか――。