衆議院議員総選挙(10月10日公示、22日投開票)の各党公約が出そろったので、各党の住政策に係る公約をまとめておいた。
- 自民党:住政策がてんこ盛り
- 公明党:自民の公約に近いものが多い
- 社民党:「住宅基本法」制定
- 共産党:(住政策への言及なし)
- 日本維新の会:(住政策への言及なし)
- 希望の党:住宅費の負担を引下げ
- 立憲民主党:(住政策への言及なし)
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自民党:住政策がてんこ盛り
※「政策パンフレット2017」には、住政策への言及なし。
「政策BANK2017(PDF:1MB)」には、以下のように住政策がてんこ盛り。
経済再生
- 子育て世代に対する安価な住宅の供給や三世代同居・近居を推進します。
- 大幅に拡充した住宅ローン減税と減税の効果が限定的な所得層に対する「すまい給付金」の給付措置、住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置を引き続き講じるなど、住宅投資の活性化を図ります。
- 不動産市場を支える制度面の整備により、不動産市場の活性化を図るとともに、リフォーム産業の活性化とあわせ、適正な建物評価の定着、取引市場環境の整備等を通じ、既存住宅市場の活性化を図ります。
- 空き家の除却を推進するとともに、空き家バンクの構築等による流通の促進、用途変更等を円滑にする建築規制の合理化等により、空き家の活用を推進するとともに、低未利用地の利用促進を図ります。
観光立国
- 違法民泊業者・提供者の厳格な排除・取締りを行うとともに、ルールに則った民泊については、ホテル・旅館業者への適切な支援、宿泊施設の需給バランスや宿泊を通じた日本文化理解に対する多様なニーズを鑑みつつ、規制緩和やルール整備に積極的に取り組みます。
地方創生
- 地域の特性を生かした地域の成長力を確保するため、地域における空き店舗、遊休農地、古民家等の遊休資産の活用などの取組を進めます。
- 地方都市の魅力ある経済・生活圏を形成するため、「コンパクト+ネットワーク」でまちづくりに取り組み、コンパクトシティの形成や地域公共交通ネットワークの再構築を通じ暮らしやすいまちづくりを進めます。
国土強靭化
- 首都直下地震、南海トラフ地震や巨大津波に備えるため、緊急輸送ルート、住宅・建築物、道路、堤防、鉄道、港湾等のインフラの耐震化やリダンダンシーの確保、災害に強い物流システムの構築等により、国土の強靭化を推進します。
公明党:自民の公約に近いものが多い
2017衆院選 マニフェスト(PDF:4.3MB)
表現は異なるものの、自民党の公約に近いものが多い。
(3)成長戦略で日本を元気に
- 空き家の利活用や既存住宅の流通・リフォーム市場の活性化により、住宅ストックビジネスを活性化します。そのため、空き家等の活用・管理・除却への支援や「全国版空き家・空き地バンク」を構築し利活用を促進します。
- 住宅の省CO2対策の充実強化と、住宅税制の抜本的見直しに向けた検討を進めます。
(4)地方経済を活性化
- 地域経済の活性化、生活利便性の維持・向上、行政コスト削減等のため、居住や都市機能をコンパクト化する「コンパクトシティ」を推進します。また、まちづくりと連携した持続可能な地域公共交通ネットワークの形成を図ります。
- 若年・子育て世帯や高齢者が安心して暮らすことができる住生活を実現するため、既存住宅であっても資産として適正に評価される新たな住宅循環システムを構築し、リフォーム投資の拡大と住み替え需要を喚起します。
- 若者世代の結婚の希望を叶えるため、出会いの場の提供や相談体制の構築など、地域の実情に応じた結婚支援を推進します。また、住生活の充実などの新婚世帯への生活支援の拡充に取り組みます。
(19)住宅セーフティネット
- 「改正住宅セーフティネット法」に基づき、高齢者、障がい者、若者・子育て世帯、低所得者などの住宅確保要配慮者が安心して空き家や既存の民間賃貸住宅、UR等公的賃貸住宅に円滑に入居できるようにするため、全ての市区町村において「居住支援協議会」の設置を促進するとともに、登録住宅への改修補助、入居者への経済的支援等の居住支援を一層強化します。合わせて「居住支援法人」の指定を促進するとともに、その活動支援を強化します。
社民党:「住宅基本法」制定
2016年参院選と同様、「住宅基本法」を制定、「住宅支援制度」の創設。
1 家計を温めボトムアップの経済政策でくらしの再建
- 空き家の積極活用など住宅支援制度の創設
4 子ども・若者に居場所と希望を
- 子どもや若者への支援を行うNPO法人等への寄付控除額の拡充や、資産寄付に対する相続税の控除を実現します。
- 心の悩み相談、就労と生活支援、住宅支援、多重債務者支援など、若者のためのワンストップ窓口を開設します。
7 地域の農林水産業と公共サービスを守る
- 「住宅基本法」を制定し、「居住の権利」を保障する観点から、住宅政策を抜本的に見直します。公営住宅の供給拡大、空き家等の活用、家賃補助の充実、公的保証制度等の総合的な「住宅支援制度」を創設し、すべての人に安定した住まいを保障します。
共産党:(住政策への言及なし)
2013年の参院選では、「19、住宅・マンション」として、約3千文字も住政策が記されていたのだが、今回は住政策への言及は見当たらない。
日本維新の会:(住政策への言及なし)
※住政策への言及は特になし。
希望の党:住宅費の負担を引下げ
政策パンフレット(PDF:1.6MB)
住宅費の負担を引下げ、中古住宅市場の活性化、リバースモーゲージの拡大、集合住宅における EV 充電設備設置を促進。
※主張の域を出ていないのではないか。
2.経済に希望を ~ユリノミクスにより、経済成長と財政再建の両立を目指す~
(家計の安心による消費拡大)
若者が正社員で働くことを支援し、家計における教育費と住宅費の負担を下げ、医療介護費の不安を解消する(総合合算制度)。4.家計に希望を ~成長の実感が伴わない中での消費税増税は凍結する~
家計における二大負担である住宅費と教育費負担を引下げ、実質的な可処分所得増、個人消費増を目指す。役所の持つ空き家関連情報の抜本的流通拡大等による中古住宅市場の活性化、リバースモーゲージの拡大、生前贈与の促進などにより高齢富裕層から若者への所得移転を促す。6.地球に希望を ~エコ社会を実現し、2030 年までに原発ゼロを目指す~
離島など島しょ地域での EV 化の促進を図るとともに、集合住宅における EV 充電設備設置を促進する。
立憲民主党:(住政策への言及なし)
政策パンフレット(PDF:1.6MB)
※2013年の参院選では、民進党(党首:海江田)として「重点政策」の中に、中古住宅のリフォームの推進や流通の活性化などが掲げられていたが、立憲民主党としては住政策への言及は見当たらない。