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東京23区の民泊規制に温度差(民泊条例化まとめ)

住宅宿泊事業法(民泊新法)の来年6月15日の施行に向けて、東京23区では民泊規制の動きが出てきている。

大田区と新宿区は12月に条例制定済み。台東区は旅館業法の一部改正で1年以上前に対応済み。来年3月15日の条例施行を目指しているのは12の区。

中央・台東・目黒・太田のように民泊の規制が厳しい区もあれば、民泊条例化を様子見としている区など、かなりの温度差が見られる。

以下、各区の条例化に向けての動きを整理しておいた。

※詳細を読む時間のない方は、最後の「まとめ」をご覧ください。

(※18年2月15日この記事を更新)


もくじ

民泊規制が厳しい区(4区)

中央区:区内全域で平日禁止

12月26日に公表された民泊条例の骨子案によれば、区内全域で、月曜日正午から土曜日正午までの民泊営業が禁止される。

台東区:家主不在型は全域で平日不可

民泊条例骨子案では、家主不在型は区内全域で、月曜正午から土曜正午まで民泊営業不可。

目黒区:区内全域で平日の民泊禁止

条例の骨子案(12月14日パブコメ)では、区内全域で平日(日曜日正午から金曜日正午まで)の民泊が禁止されている。

骨子案では、「家主不在型」と「家主居住型」との区別が特になされていないことから、「家主居住型」の民泊であっても平日営業できない。また、祝日への言及が特にないことから、骨子案のままだと月曜日から金曜日が祝日であっても民泊の営業はできないことになる。

大田区:【条例制定済】ホテル・旅館の建築可能な用途地域のみで民泊可

12月8日に可決された民泊条例(18年3月15日施行)では、ホテル・旅館の建築可能な用途地域のみで民泊が認められている。住居専用地域、工業地城、工業専用地域、文教地区などでは民泊禁止。

民泊規制が平均的な区(6区)

新宿区:【条例制定済】住居専用地域で平日民泊禁止

「新宿区住宅宿泊事業の適正な運営の確保に関する条例」が12月11日可決。大田区に続き全国で2例目。

住居専用地域(第1種低層住居専用地域、第2種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域及び第2種中高層住居専用地域 )において、平日(月曜日から木曜日まで)の民泊禁止。

文京区:住居専用・準工業地域、文教地区で平日民泊禁止

条例の概要案(12月15日パブコメ)では、住居専用地域(第一種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域、第一種住居地域、第二種住居地域)、準工業地域、文教地区(第一種、第二種)で、平日(月曜日から木曜日まで)の民泊禁止。

世田谷区:住居専用地域で平日民泊禁止

保坂展人区長の記者会見(11月20日)で公表された民泊条例の骨子案によれば、住居専用地域(第一種低層住居専用地域、第二種低層住居専用地域、第一種中高層住居専用地域、第二種中高層住居専用地域)では平日(月曜日の正午から土曜日の正午まで、ただし、祝日の正午からその翌日の正午までを除く)の民泊禁止。

【18年3月2日 民泊条例成立】区民から「厳しすぎる」「無届けのヤミ民泊が増える恐れがある」などの意見が寄せられたため、平日も条件付きで認めることにした。

杉並区:住居専用地域で家主不在型の平日民泊禁止

杉並区のルール案(12月1日パブコメ)では、家主不在型の民泊は住居専用地域(第1種低層・第1種中高層住居専用地域、第2種低層・第2種中高層住居専用地域)で、休日及び休前日を除く月曜正午から金曜正午まで禁止。

他の区との大きな違いは、民泊条例制定の狙いとして、「住居専用地域での生活環境の悪化を防止」だけでなく「観光事業の推進とにぎわいの創出を図ること」を掲げていること(11月24日付「保健福祉委員会資料」による)。

練馬区:住居専用地域で平日民泊禁止

条例骨子案(12月11日パブコメ)では、住居専用地域(第 1 種低層住居専用地域、第1種中高層住居専用地域 )で、平日(月曜日の正午から金曜日の正午まで、ただし、祝日の前日の正午から祝日の翌日の正午までを除く)の民泊禁止。

足立区:住居専用地域で平日民泊禁止

2月13日の記者会見で公表された民泊条例案では、住居専用地域での平日の民泊禁止、民泊施設の「届出番号」「所在地」を区のホームページで公表するとしている。

民泊規制が独特な区(5区)

千代田区:民泊禁止の地域・期間を細分化

有識者検討会(「第3回 民泊サービスのあり方検討会」12月12日)で公開された条例骨子案によれば、民泊の禁止地域と期間は、次表のとおり「家主居住型」と「家主不在型」の区分などにより細分化されている。

文教地区や学校等周辺区域などでは、家主居住型と家主不在型(管理者常駐型) では平日(日曜昼~金曜昼)の民泊禁止だが、家主不在型(管理者駆けつけ型)だと全日禁止 。

人口が密集している区域(神田・麹町等地区)では、家主居住型と家主不在型(管理者常駐型) では制限はないが、家主不在型(管理者駆けつけ型)では平日(日曜昼~金曜昼)の民泊禁止。

千代田区の条例(骨子案)

港区:家主不在型への規制を強化

港区は12月21日、民泊条例案の骨子を発表。

住居専用地域や文教地区で家主が不在の場合、民泊営業は春休みや夏休み、年末年始の年間96日に制限する。

江東区:第一種中高層住居専用地域のみ平日民泊禁止

第4回定例会の厚生委員会(12月4日)で公表された民泊条例(素案)では、第一種中高層住居専用地域での平日(月曜日の正午から土曜日の正午まで。ただし国民の祝日の正午から翌日の正午を除く)の民泊が禁止されている。

第一種中高層住居専用地域のみ平日民泊禁止というのは、中高層マンションでの民泊には規制をかけるが、店舗や事務所が混在した中高層マンションでの民泊には規制をかけないということを意味している。

中野区:住居専用地域の平日民泊禁止+対面本人確認の義務化

田中大輔区長の記者会見(12月14日)で公表された民泊条例(案)によれば、住居専用地域では平日(月曜日の正午から金曜日の正午まで。ただし、祝日の正午から翌日の正午までの期間は除く)の民泊禁止。

他の区との大きな違いは、事業者等に「対面による本人確認」を義務づけていること。宿泊者との対面が義務化されるとなると、現在の大半の民泊は撤退せざるを得なくなるのではないか。

板橋区:家主居住型の民泊には規制なし

条例案の骨子(12月13日パブコメ)では、住宅専用地域(第一種低層、第二種低層、第一種中高層、第二種中高層)で平日(日曜正午から金曜正午まで。ただし祝日の前日を除く)の民泊禁止。

他の区と大きく違うのは、家主居住型(≒オモテナシ型)には規制をかけていないこと。

民泊規制の詳細不明な区(2区)

渋谷区:「民泊のあり方検討会意見交換会」12月19日開催

「民泊のあり方検討会意見交換会」が12月19日に開催される予定であるが、詳細は不明。

豊島区:有識者会議12月7日開催

有識者会議(12月7日「第3回豊島区民泊サービスのあり方検討会」)で条例制定に向けた検討が行われているが、詳細不明。

 

民泊規制が具体化していない区(6区)

次の6つの区では、第3回定例会(9月)や第4回定例会(11月、12月)の区長答弁などをひも解いても、民泊条例の策定に向けた具体的な内容が見当たらない。

  • 墨田、品川、北、荒川、葛飾、江戸川

          

まとめ

民泊規制が具体化しているのは以下の15の区。うち、大田区と新宿区は12月に条例制定済み。台東区は旅館業法の一部改正で1年以上前に対応済み。

  • 民泊規制が厳しい区(4区)
    中央、台東、目黒、大田
  • 民泊規制が平均的な区(6区)
    新宿、文京、世田谷、杉並、練馬、足立
  • 民泊規制が独特な区(5区)
    千代田、港、江東、中野、板橋
  • 民泊規制の詳細不明な区(2区)
    渋谷、豊島

民泊規制が具体化していない区(6区)

  • 墨田、品川、北、荒川、葛飾、江戸川

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