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京都市の民泊規制 「駆けつけ要件」に注目!

京都市は12月1日、市議会教育福祉委員会で民泊条例素案を提示。

11月4日の有識者会議で「20分以内」という意見が出ていたのに、なぜ市議会では「10分程度、半径800m以内」になったのか?
両者の違いは何なのか?


もくじ

京都市の民泊規制厳しく 条例素案(日経記事)

京都市長は「(法律の)ぎりぎり限界に挑戦する条例が必要だ」として、民泊条例素案では、宿泊施設から10分程度で駆けつけられるよう、施設から半径800m以内に事業者か管理者が駐在するよう求めている。

京都市の民泊規制厳しく 条例素案、不動産業界は懸念の声

(前略)「地域住民と観光客の安心安全の両立のためには(法律の)ぎりぎり限界に挑戦する条例が必要だ」。民泊規制を検討するため11月に開かれた有識者会議で門川大作京都市長は語気を強めた。

(中略)
そこで設けたのが「駆け付け要件」だ。緊急時でも宿泊施設から10分程度で駆けつけられるよう、施設から半径800メートル以内に事業者か管理者が駐在するよう求めた。これまでは海外に拠点を置き、緊急時に連絡が取れない事業者も多かったが、国内に管理する代理人を置く必要が生じる。(以下略)

(日経新聞 12月1日)

※京都市が12月1日の市議会教育福祉委員会で示したとされる民泊条例や規則を制定するルール案は、まだ市議会のホームページにアップされていない(12月2日現在)。

有識者会議では「20分以内」という意見が出ていたのだが…

11月4日に開催された有識者会議『第3回京都市にふさわしい民泊の在り方検討会議』の「(資料4)論点に係る議論のまとめ」(PDF:1.24MB)に、「管理者の駆け付け要件」が記されている。

ルール骨子(案)

駆け付け要件の設定(申請の要件)

  • 営業者には原則として施設に常駐することを求め、営業者が常駐できない場合は、速やかに駆け付けられる範囲に営業者又は管理者を駐在させる。

さらに、「御意見・御指摘」として、「20分以内」という表現が用いられている。

  • 20分以内に駆け付けること」などの要件を条例に定めるべき。
  • 駆け付けるまでの分数や距離を具体的に条例で規定するのは難しいため、要綱等にするのが適当か。

11月4日の有識者会議で「20分以内」という意見が出ていたのに、なぜ12月1日の市議会では「10分程度、半径800m以内」になったのか?

両者の違いは何なのか?

「有識者会議(時間規定)」と「市議会(直線距離規定)」の違い

有識者会議の「20分以内」のほうは、実際に管理者常駐施設から民泊施設に到達するまでの時間で規定されている(次図)。

有識者会議


一方、市議会の「10分程度、半径800m以内」のほうは、不動産の徒歩ルール(分速80m)をベースに、管理者常駐施設と民泊施設との関係が直線距離で規定されていると理解すれば(次図)、実際に要する時間は、途中の信号待ち時間やマンション内のエレベーター昇降時間なども加わることになるので、有識者会議「20分以内」との違いはあまりないように見える。

市議会

でも、より厳しい「有識者会議(時間規定)」から、「市議会(直線距離規定)」に緩和されたようにもみえる。なぜならば、有識者会議のほうは必ず20分以内に駆けつける義務が課せられることになるのに対して、市議会のほうは管理者常駐施設が直線距離800m以内に民泊施設が位置していればよく、駆けつけ時間約10分の義務が課せられていないように読めるからだ。

まあ、「有識者会議(時間規定)」のほうは条例化するには、時間の検証方法を規定することが難しいので(不可能ではないが複雑になるので)、「市議会(直線距離規定)」が採用されたということなのかもしれない。

「有識者会議(時間規定)」にせよ、「市議会(直線距離規定)」せよ、民泊施設に駆けつけるために、24時間体制を敷いておく必要があるのか、複数の民泊施設に同時に駆けつける要員を確保する必要があるのか、規定内容によっては、京都市内での民泊営業はかなり難しくなるだろう。

京都市の民泊条例・規則案の公開が待たれる。

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