今週発行された『SUUMO新築マンション 首都圏版』(10月10日号)の特集のひとつは「働くシングル女子のマンション購入ガイド」。
6ページにわたって、マンションを購入した女性やFPのアドバイスなどが掲載されている。
3年間で約2.6倍に増加!(←SUUMO記事)
「3年間で約2.6倍に増加!」と題して、次図が掲載されている。
ボーっと見ていると「新築マンションを購入したシングル女子」が増えているという印象を受ける。
でも、よく読むと、「新築マンションを購入したシングル女子」の割合ではなく、「スーモカウンターに購入相談に来たシングル女子」の割合だ。
住宅購入を検討するシングル女子が増えている。スーモカウンターに購入相談に来たシングル女子の割合は、2014年度は全体の3.7%だったが、2016年度には9.9%と3年間で約2.6倍に増加した。
新築マンションを購入したシングル女子の割合は増えたのか?
新築マンションを購入したシングル女子の割合は、ホントに増えたのか?
リクルート住まいカンパニーが17年3月15日に発表した「2016年首都圏新築マンション契約者動向調査」データを元に確認してみよう。
同調査データを元に、首都圏の新築マンション購入者に占めるシングル世帯(男性・女性)の割合を可視化したのが次のグラフ。3年間に限れば(ピンク破線囲み)、たしかにシングル女性世帯の購入割合は増加している。
でも、2001年までタイムスパンを拡げてみると、シングル女性世帯の購入割合は、この10年で4~6%の間に留まっていることが分かる。
新築マンションを購入したシングル女子の数は増えていない!
以上は、首都圏新築マンションを実際に購入した人を対象とした、サンプリング調査であって、全数調査ではない。
首都圏新築マンションを購入したシングル女子の数は増えているのか?
不動産経済研究所が定期的に発表している「首都圏新築マンション発売戸数」に、リクルート住まいカンパニーのサンプリングデータ「シングル女性世帯の契約割合」を乗じて、「シングル女性世帯契約戸数(推定)」を算出してみた。
首都圏の新築マンションの発売戸数は減少傾向にあるなかで、「シングル女性世帯契約戸数(推定)」も減少傾向にあることが分かる(次図)。
「シングル女性世帯契約戸数(推定)」は、3年連続で2千戸程度(推定)で推移している(増えてはいない)のである。