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国交省の印象操作!? 大規模な屋上緑化が増加

国土交通省は8月30日、「平成28年 全国屋上・壁面緑化施工実績調査の結果報告」を公表。

大規模な屋上緑化が近年増えてきているという(次図)。

大規模な屋上緑化が近年増えてきています
「報道発表資料(PDF:832KB)」より

 

「屋上緑化1件あたりの施工面積」は、平成24年をボトムに増加傾向にあるのは確かだ(次図)。

屋上緑化1件あたりの施工面積
「同上」より

 

「大規模な屋上緑化」という切り口だと、なんだか屋上緑化が盛んになってきたような印象を受ける。

でも――

違うだろぉぉぉっ!!(豊田真由子衆院議員風に)

公表資料に掲載されている建物用途別の「屋上緑化」の施工面積の推移を可視化したのが次図。

それまで施工面積の多くを占めていた「住宅/共同住宅」は平成20年(2008年)をピークに激減しているのである。

2008年9月15日に発生したリーマンション・ショック以降、首都圏の新築マンションの着工戸数が激減し、マンションの屋上緑化ブームは終っているのだ。

「屋上緑化」施工面積の推移(建物用途別)

 

ちなみに、壁面緑化のほうは、「商業施設」以外ではほとんど普及していない(次図)。 

「壁面緑化」施工面積の推移(建物用途別)

屋上・壁面緑化はマンション住人にメリットがあるのか

東京都は、ヒートアイランド現象の緩和、都市景観の向上など、屋上緑化を推進するため、2001年4月、改正自然保護条例を施行し、敷地面積1,000m2以上の民間建築物(公共建築物は250m2以上)を新改築する際、利用可能な屋上面積の2割以上の緑化を義務づけている(緑化計画書の届出|東京都環境局)。

たとえ敷地面積が1,000m2以上であっても、「利用可能な屋上面積」がゼロであることを理由に、コストアップとなる屋上緑化を設けないことも可能だが、販促のためにあえて屋上緑化を施工するデベロッパーも少なくない

分譲後の維持管理費用は住人の負担である。しかも、植栽が屋上にあるがゆえに、住人は常時緑を楽しめるわけではない。
施工された種類が維持管理の楽なセダムだったりすると、水分の蒸発量が少ないセダムにはヒートアイランド緩和効果は期待できない。

壁面緑化のほうは義務づけられていないが、広告のCGが映えるので採用されているようなところがあるのでは(マンションの壁面緑化は誰のため? )。

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2021年6月1日、このブログ開設から17周年を迎えました (^_^)/
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