国土交通省は7月25日、「平成28年度の混雑率データ」を公表。
同データを元に作成した通勤電車の混雑率のエリア別ランキングは昨日の記事で紹介した(全国エリア別!通勤電車の混雑率ランキング(平成28年度))。
本日は、首都圏を中心に、過去に公表されたデータも交え、通勤電車の混雑率がどの程度改善しているのか可視化してみよう。
首都圏では混雑率160%を目前に足踏み
「主要区間の平均混雑率の推移」(PDF:314KB)に掲載されたグラフを見ると、3都市圏とも混雑率(赤色実線)が劇的に改善したような印象を受ける(次図)。
ただ、よく見ると横軸(時間軸)は均等ではないのだ。
そこで横軸(時間軸)を均等にして、3都市圏の混雑率を一つにまとめてみたのが次図。
この40年間、混雑率は徐々に改善してきていることが分かる。
ただ、首都圏では2010年以降、混雑率160%を目前に足踏み状態を続けている。
「東西線(木場→門前仲町)」「総武線(錦糸町→両国)」混雑率200%に近い!
関東84路線のうち、2016年度の混雑率ワースト10路線は、次のとおりだ。
※詳細は、「関東(84路線)混雑率ランキング」参照。
特に、「東京メトロ東西線(木場→門前仲町)」と「総武線(錦糸町→両国)」が200%に近い。
- 1位:東京メトロ東西線【木場→門前仲町】199%(7:50~8:50)
- 2位:総武緩行線【錦糸町→両国】198%(7:34~8:34)
- 3位:小田急小田原線【世田谷代田→下北沢】192%(7:46~8:48)
- 4位:横須賀線【武蔵小杉→西大井】191%(7:26~8:26)
- 5位:南武線【武蔵中原→武蔵小杉】188%(7:30~8:30)
- 5位:日暮里・舎人ライナー【赤土小学校前→西日暮里】188%(7:20~8:20)
- 7位:中央快速線【中野→新宿】187%(7:55~8:55)
- 8位:東海道線【川崎→品川】184%(7:39~8:39)
- 8位:東急田園都市線【池尻大橋→渋谷】184%(7:50~8:50)
- 10位:京浜東北線【大井町→品川】182%(7:34~8:34)
この2016年度の混雑率ワースト10路線につき、過去9年間の混雑率の推移を可視化したのが次図。
「総武線(錦糸町→両国)」が若干改善傾向が見れらるが、「東京メトロ東西線(木場→門前仲町)」のほうは辛うじて200%を下回っているような状況ではないか。
混雑率200%といえば、「体がふれあい相当圧迫感があるが、週刊誌程度なら何とか読める」という状態。
都知事公約「満員電車をゼロへ」はどうなった?
「東西線早起きキャンペーン(早起きメダルを貯めて 最大20,000円分の商品券をGET)」くらいでは、新築マンションの建設による人口増には対応が厳しいのでは。
東京メトロのHPには、混雑緩和策として、「九段下駅間に折り返し設備を整備し列車増発を実現」と記されている。効果はいかに。
「安全・安心/混雑|東京メトロ」より
そういえば、小池都知事は選挙公約のひとつに「満員電車をゼロへ。時差出勤、2階建通勤電車の導入促進」を掲げていたのだが、その後どうなったのだろうか・・・・・・。
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