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戦略的!? 千葉市若葉・緑区で特区民泊解禁

千葉市が若葉区と緑区に限って民泊を認める。自然豊かな内陸部を観光資源として活用し、訪日外国人を呼び込むという千葉市の目論見。

ただ、千葉市が民泊の解禁対象としている若葉区と緑区のAirbnb登録件数は現状では極めて少ない。役所主導の「戦略的なプロモーション」の成果はいかに。


もくじ

千葉市、内陸部で特区民泊解禁(日経記事)

千葉市が若葉区と緑区に限って民泊を認める。自然豊かな内陸部を観光資源として活用し、訪日外国人を呼び込むという千葉市の目論見。

千葉市、内陸部で民泊解禁 条例案提出へ

千葉市は26日、住宅に旅行者を有料で泊める民泊を2017年中にも解禁すると発表した。国家戦略特区の制度を活用し、内陸部の若葉区と緑区に限って民泊を認める。市は利用者の安全確保と周辺住民への迷惑防止を目的とした条例案を9月議会に提出する方針。自然豊かな内陸部を観光資源として活用し、訪日外国人を呼び込む。

 条例案には2泊3日以上の宿泊を民泊利用の条件と明記する。事業者の責務として、民泊施設に標識を掲げたり、周辺住民に迷惑をかけないよう利用者に説明したりすることも求める。市職員が立ち入り調査できる規定も盛り込む。市は条例案について7月3日から1カ月間、一般からの意見を募る。(以下略)

(日経新聞 6月27日)

 

ちなみに、若葉区(人口15万人)は、6区中最大の面積で、東部には田園地帯が広がっている。緑区(人口12.8万人)は、年少人口割合が県内で1番高い。

若葉区と緑区の位置図

特区民泊解禁の目的は「自然豊かな内陸部の活性化」

千葉市が、若葉区と緑区に限り、特区民泊を解禁する目的は何なのか?

市が6月26日に公表した【「(仮称)千葉市国家戦略特別区域外国人滞在施設経営事業に関する条例(案)」の概要に関するパブリックコメント手続の実施について】の資料1にその答えが記されている。

自然豊かな内陸部の活性化を図るためとされているのである。

実施目的

本市では自然豊かな内陸部の活性化を図るため、「緑」「里」「農」をキーワードとする農業体験や観光資源を有効に活用し、「“ちば”共創都市圏」としての広域的な連携を組み込みながら戦略的なプロモーションを行います。
この取り組みの一つのツールとして特区民泊を導入することで、地域資源を有効に活用した滞在型余暇活動の提供を促進し、市内滞在時間の増加による地域経済活動の活性化グリーンエリアの実感価値の向上及び観光振興の推進を目指します。

滞在型余暇活動の提供を促進し、地域経済活動の活性化、観光振興の推進を目指すという、役所主導の「戦略的なプロモーション」の成果はいかに。

千葉県内のAirbnb登録件数は1年で1.5倍

念のため、千葉県内のAirbnb登録状況を確認しておこう。

千葉県内のAirbnb登録件数は745件。全国で9番目に多い(次図)。

Airbnb登録件数の都道府県別ランキング
Airbnb登録件数|大阪市西成区増加傾向」より

 

千葉県内のAirbnb登録件数は増加し続けている(次図)。

6月1日現在の登録件数は745件。1年前(493件)の1.5倍。

Airbnb登録件数の推移(千葉県)
AirbDatabankデータを元に作成)

特区民泊解禁エリアの若葉・緑区のAirbnb登録件数は極めて少ない

千葉県内の各自治体のAirbnb登録件数も確認しておこう。

東京ディズニーランドがある浦安市の登録件数がダントツ(81件)。

千葉市が特区民泊の解禁対象としている若葉区(10件)と緑区(1件)でのAirbnb登録件数は極めて少ない(次図)。

Airbnb登録件数(千葉県)
AirLABOデータを元に作成)

民泊の需要が極めて少ない若葉区と緑区に民泊施設を呼び込むことで、周辺住民への迷惑が及ぶことがないよう、慎重な対応が望まれる。

そういえば、千葉市の幕張新都心での民泊推進はどうなったのだろうか・・・・・・(千葉市も!幕張新都心の住宅地区において「民泊」を展開)。

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2023年6月1日、このブログ開設から19周年を迎えました (^_^)/
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